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第百八十二天 孤心落涙ッ!内なる本当の影・・・

 放たれた、ブラックスパイラルッ!!!


 刃をその身で受け止め、さらに至近距離からの一撃ッ!

 これは超聖天でも当たるッ!!!


 ブラックスパイラルは、触れた物を闇で侵し、全てを滅する死の暗黒物質。それは光をも溶かすだろう。


―――だがしかしッ!!!


 超聖天となった竜牙の前では、バチンッと平手打ちをくらわす程度でしかなかったッ!

 黒王は頭を狙って撃ったッ!だがしかしッ!竜牙の額を少し赤くしたにすぎなかったッ!

「ッ!!!」

 黒王は竜牙の刃を蹴って、刃を体から引き抜き、距離を取るッ!


 竜牙は何事もなかったのごとく、さらなる猛追だッ!!!


「ハアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!!」


 黒王がハーン・クレールを眼前に構え、影を作り出したッ!そして、四足のパワーまでも全て注ぎ切り、ハーンクレールが日蝕を成すッ!最大最強奥義だッ!!!!


―――ブラックバーンブラストッ!!!


 竜牙の発する光を受け、ハーン・クレールより生まれる影が燃え上がるッ!それは増殖する爆発を繰り返し、光を食らっていくッ!!!広がる闇が竜牙に迫るッ!!!


 竜牙はすと歩みを止めた。そして、ぐぐりと力を溜めたかと思うと、横なぎに一閃したッ!さぁと流れる光の粒子ッ!それは、闇の爆発を吹き散らしたッ!

 黒王のブラックバーンブラストさえも、超聖天竜牙の前には、児戯に等しかったッ!

 そしてッ!光の風はさぁと、黒王を吹き抜けていったッ!下半身が吹っ飛んだッ!!!


「なんという・・・強さよ」

 黒王は血を大量に吐きながら、ぐったりとしていた。

 体は失った部分を少しずつ形作ってはいるが、もう竜牙は黒王を見下ろしていた。


「ハハ・・・貴様の勝ちだ。止めを刺せぃ」

 黒王の微笑みは死にかけの弱弱しいものだった。だがしかし、満足げだった。

 竜牙は黒王を見下ろす。黒王もまた竜牙を見上げていた。奇妙にも眼差しは艶めかしい色をたたえ、笑顔で刃が突き立てられるのを待ち望んでいた。


―――ポタリ・・・


 白光輝く竜牙から何かがキラリと落ちた。

「涙ッ!?」

 黒王はふしぎな表情をする。




 世界王は、今だと下界へ降りて行こうとしていた。

 しかし、その涙に彼もまた驚き、足を止めた。

「超聖天となりながらも、破壊の衝動を抑え込んだッ?!」




 そして、背を向けて歩き去る竜牙。その背に黒王は無情なる苦味を感じたッ!黒王の胸は苦しくなった。

「おい・・・」

 竜牙はしゃべらないッ!

「待てッ!貴様、何故止めを刺さないッ!」

 しかし、無言

「我はこの状態からでも復活できるぞッ!我は貴様の女を殺し、仲間の命も奪い、全てを奪った悪の権化ぞ」

「・・・」


―――な の に 、 貴 様 は 背 を 向 け る の か ッ !


 黒王は涙を流した。瞼はまさに決壊した堤防で、頬は涙びたしになり、表情はぐちゃぐちゃに乱れていた。


 そして、彼女は気づいた。

 すべてを失ったはずの己にも、まだ一筋の思いがあったことを。

 そして、彼女は知ってしまった。

 震えていた己の孤独と、流された涙の理由を。


 それは、未練ッ!!!

 だがしかしッ!それは黒王にとって認めがたき羞恥ッ!!!!!!!


 彼女は最後の未練を捨てる他になかった


 己の野望をまやかしとしてしまわないために

 己の欲望から逃げ出すために




―――闇が・・・溢れるッ!!!!!!!!!!!


 力なき黒王から、どす黒い否定の波が大地を揺るがしたッ!

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