第十八天 成平家の親父
「なにをしていた?」
「滝にうたれてました」
「ホゥ・・・滝にうたれているとは風流だな」
「フッフッフ・・・ありがとうございます」
成平の親父は深々と頭をさげた。笑い方が息子と似ている。家族だ
「あなた方はここでなにをしているんです?」
朝霧がたずねた
「京都の町を守ってます。まあもっともこの私はおいぼれでそんな力はありませんがね」
とまた頭を下げる。めちゃくちゃ土下座好きである。
「お母さんは?」
「トミ子ですか?奥にいますよ。呼びますか?」
「いや、いい」
竜牙はエビを食っている
「それでいついかれるんです?」
「できるだけ早くだ」
「なるほど。しかし相手は強大。手加減できません」
「作戦が必要?」
「そうでしょうね」
「ああん?てめぇら二人で決めてんじゃねぇよ。おれがぶった切れば済む話だろがッ!」
「その通りでございますッ」
二人は土下座してあやまった。なんか知らないけど、ビビって明江も土下座を始めた。
成平の親父。人にして聖なる気に充実していた。50代なのにがっしりした体格。まだまだ現役のようである。そうして敬虔にして迷いがない。家がやけに聖練なのもこの男のおかげであろう。そして、その息子あり。由緒正しき古都の名家である。
聖なるパワーにあふれすぎていて、逆に気持ち悪くなってきた。
「そろそろ寝てもいいか?」
寝て回復しようと竜牙は思った。闇にさらされすぎていて、こんなにきれいな気の家はおちつかないのだ。戦争病である
「どうぞどうぞ。こちらにご用意してございます」
と成平の親父はさっと立ち上がり、隣のふすまをあけた。大き目のフトンが中央に1個と端に一人用のが1個おいてあった。
その白くフカフカなシキブトンは雲のように柔らかくてヤバかった。触れた瞬間眠りにおちそうだ
ヤバく天国なのである
端に寝たのは朝霧だった。
明江がこっちで寝ると聞かないのである。しかたなく竜牙とともにフトンに入り、
「ねぇ、竜牙~」
とくっつこうとしてきた。
「くっつくな」
竜牙ははらいのけてけとばした。猫なで声がむかつく。
明江はしゅんとした。
―――かくて何事もなく夜は過ぎていった。




