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第百七十六天 奥義炸裂ッ!黒王、驚異の生命力ッ!!!

「フッ・・・待っていたぞ。大聖天竜牙ッ!」

 黒王は満足げな笑みを浮かべて、立っていた。しかし、竜牙の注意は、手にしたハーン・クレールに注がれていた。しげしげと、刀をひっくり返したりして、見つめている。

「よもや、貴様も冷やかしに来たわけではあるまい。世界を賭けたこの一戦に、魂を注ぎにきたのだろう?」

「さぁな。ただ一つ言える事は、てめぇを冷やかしに来た奴らのおかげで、俺の手間が省けたぜ」

「なにッ!?」

「俺は容赦する気も、正々堂々と戦うつもりもないぜッ!これは戦争だッ!てめぇと聖天のなッ!!!いくぞッ!」


 竜牙はハーン・クレールを構えた。

「ハッハッハ!貴様、五神武はどうした?それで戦うつもりかッ!?」

 黒王は笑っていたが、周囲の気配のざわめきにゾクリと寒気がして、顔からすぐによゆうは消えたッ!

 辺りの気がハーン・クレールに共鳴して、震えているッ!!!

「まさか、貴様・・・」

「ハッ!ようやく気付いたかよ。俺は世界王から、二つの奥義を習った。一つは俺の武器、そして、もう一つは、この武器だッ!」

 五神武を持つ者と持たぬ者では、その戦力差はおよそ10倍ッ!

「隙をついて奪うつもりだったんだが、てめぇの言う冷やかしのおかげで簡単に手に入ったぜッ!」


「ちッ!撃たせるかッ!!!」

 黒王が地を蹴るッ!あっという間に竜牙へと迫るッ!だがしかしッ!

「燃え果てやがれッ!」


―――ファイナルフォースフレアッ!!!


 出たッ!五神武を持つ者だけが許される超必殺奥義だッ!

 刹那ッ!ありとあらゆる物質が、熱をおびて燃え始めたッ!!!全部が炎一面に包まれるッ!その様は、燃えているというより、淡い橙の空間に包まれたようであるッ!!!


 ま・さ・にッ!神の御業ッ!!!!!




「ウオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!」

 黒王は物凄い絶叫をあげたッ!それはもう男とも女ともつかぬ獣のようだったッ!!!

 五神武の世の理を超えた力は、水や空気をも焦がしていたッ!!!その神力は伝搬し、灼熱の空間は広がっていく。万象焼き尽くすブラックホールならぬ、オレンジホールと化した。


「ちッ!」

 やがてオレンジホールは、竜牙自身をも食らわんとして、竜牙は慌てて技を止めた。制御を失えば、力は暴走し、星は太陽と化すッ!!!

 計り知れぬ力の激流は、大聖天にすら手に余るものなのであるッ!!!


 オレンジホールは五神武の力を失い、世の理に縛られると、大きく天へと燃え上がり、もうもう黒煙だけが残った。


「・・・ヤベぇな」

 竜牙は奥義を初めてぶっぱなしたわけだが、あまりにもすさまじい威力にビビった。

 紅蓮の炎は、黒王のいた中心部は、数千度にも達していただろう。いくら数秒の炎とは言え、一瞬で骨まで溶かされるレベルであるッ!!!


―――だがしかしッ!




「黒王は死なない」

 世界王はまるで、決められたシナリオをたどるがごとく、つぶやいたッ!




 そして、その通りだったッ!!!黒き煙をぶち破り、すさまじい破壊力にビビって、放心したる竜牙の腕に焼けただれた腕が絡みついたッ!!!

「ッ!!!?!?!」

 ドロドロの黒王に、竜牙はまたしてもビビったッ!こんな炎を受けて生きてやがったのかッ!だがすぐに冷静ッ!!!

「ボアアアアアアアアアアッ!!!!」

 黒王は声にならぬ声をあげて、闇の一撃を繰り出してくるッ!竜牙はとっさに刀を手放して、距離を取ったッ!!!


 シュウウウウウウウと、黒王は全身から白煙をたてながら、佇んでいる。

「ハッ!本当に化け物だぜ」

 竜牙は冷や汗が出まくったッ!自身ですら驚くほどの必殺技を相手は受けてなお、生き残った黒王の底知れぬ力に恐怖したッ!

「・・・愚かな奴よ。我がいかにして五神武を手に入れたか。想像をめぐらせれば、わかりそうなものだ」

 黒王は皮膚を再生させながら、勝気な笑みを出すゆとりさえあるッ!!!!


 そうッ!!!!黒王は火の大聖天より、ファイナルフォースフレアを以前に一度食らっていたッ!!!そして、それに耐え抜いたのだッ!!!恐るべき生命力ッ!!!


「フン・・・だが、不死身ってわけじゃねぇ」

 竜牙は強気に笑い返すッ!そして、姿が消え、一瞬で黒王の背後だッ!

「このまま、ぶっ殺してやるぜッ!!!」

 と、己の五神武、クランツ・クレールを取り出し、首をはねにいくッ!!!

 黒王の腕は動かないッ!だがしかしッ!!!深黒なるオーラが背中より現れると、それは鎌を形作って、竜牙の五神武と硬質な音を立てたッ!!!

「ぬるいわッ!」

 と、焼け焦げた手のハーン・クレールを振り回すッ!まだ手の機能は復活していないのか、動きはスローリーッ!

「てめぇがなッ!」

 光を纏った竜牙にとっては、そんな一撃は止まって見えるッ!

 軽く受け流して、さらに攻撃だッ!だがしかしッ!黒王の背中からは、漆黒の鎌が四本も生えていたッ!

「ッ!?」


 漆黒の鎌が次々に、竜牙を切り裂かんとするッ!黒王自身の動きは緩慢だが、その鎌は一本ですら、竜牙に引けを取らないッ!!!しかも、四本であるッ!

 黒王は多足虫のごとく、鎌のオーラで身体を支えながら、一方では攻撃を加えてきたッ!!!

 竜牙には一本でも苦しい相手ッ!それが二本三本と踊り狂い、竜牙にズシリと来る一撃を放ってくるッ!


―――攻めきれないッ!!!


「ちッ!」

 竜牙は身を引いた。そして、コートをばさりとひるがえし、そこからは無数の聖なるダガーだッ!!!黒王はよゆうで動かないッ!そして、四本の鎌足は、最小限に当たるダガーだけを機械的に弾いた。

 そして、後退する竜牙に、黒王は不気味な顔で不気味な微笑みをつくる。

「馬鹿めッ!そこは影だぞ」


―――シャドウ・・・イグニッションッ!


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