第百六十二天 最強人間ッ!五閃の決断・・・
「二人で止めますよ」
「わかった」
朝霧と五閃の顔が同じになった。
朝霧が動くッ!三日月のステップで回り込むクレセントバックスラッシュだッ!
だがしかしッ!光良が手先をクイと動かすと、信の姿が消えて、気づけば、むしろ朝霧の背後を取っているッ!!!
「くッ!」
朝霧は再度クレセントな歩みでバックを取るッ!だがしかし、信はさらに回り込んでくるッ!次はそれを朝霧は読んで、すんでのところで、真後ろに下がって、最小限の動きで信の背後だッ!入ったッ!同門殺しの技、アフタムーンステップッ!
「Good Aftermoon...」
朝霧がクールに決めたッ!・・・つもりだったがしかしッ!信はさらにその後ろを行き、朝霧の背中を袈裟に斬るッ!
「くはッ!」
朝霧の血がぴぴっと飛び散るッ!とっさの高速移動で致命傷は逃れたッ!体勢を立て直し、戦闘を継続しようとするが、顔をあげた瞬間目の前には信が迫っていた。追い打ちの膝蹴りを朝霧は顔面に受けて、イケメンが台無しだッ!
それだけではないッ!さらにさらに怯んだ朝霧のところへ、無慈悲な止めの一太刀ッ!マジで殺しに来ているッ!!!
朝霧は死を覚悟したッ!
―――だがしかしッ!
その刹那、信の姿が消えたッ!朝霧はその姿を探すと、20メートルは離れていようかと言う光良の前に移動しているッ!そして、五閃の居合を受け止めていたッ!
「じ・・・次元が違いすぎるッ!」
朝霧は絶望した。
「馬鹿なッ!」
と、五閃も驚かざるを得なかった。朝霧と信が光良から離れたところを、狙ったつもりだった。しかし、信は速すぎたッ!
「ホッホッホ!術者を狙う作戦・・・いい作戦じゃ。じゃが、格が違いすぎるのぅ」
信がぐぐっと力を込めると、五閃の刀はいとも簡単に押された。
「うぉッ!なんて力だッ!」
そして、そのまま刀を払い、押し飛ばされたッ!
五閃は、くるりんと軽い身のこなしで、朝霧の前に着地する。
「中聖天。大丈夫か?」
「おかげさまで、助かりましたよ」
「しかし、どうする?」
五閃は渋い顔だ。しかし、聞いた朝霧の顔も苦しい。
「・・・下手な策は無用でしょう。挑み続けるしかない・・・」
朝霧は言いにくそうに言った。そう、作戦を組んだところで、その更に上をいかれてしまう。それほどの実力差があった。信の才能、恐るべしッ!
「殺る・・・という事ですか?」
「いえ、パワーの供給を断ち切り、なんとしても気絶させます。信はこれまで戦ってきた友。こんな形で人生を終わらせるわけにはいかない」
朝霧の顔は、キリッと決意に満ちていたッ!
「ヘッヘッヘ!別れの挨拶は済んだか?」
と、金明が腕を組んだまま、憐れ交じりの見下し顔だッ!
「黙りなさいッ!」
朝霧は向かっていくッ!そして、信に打ち倒される。かろうじて生き延びるも、一方的だ。五閃もまた朝霧のフォローへ入っては、吹っ飛ばされ、すんでのところで、朝霧の援護に助けられた。
だがしかしッ!術者である光良はニタリニタリと余裕の笑みで観戦ときているッ!まるで、じゃれてでもいるようだッ!いや実際、なぶって遊んでいるのだッ!殺そうと思えば、いつでも殺せる。
五閃は考えていた。このままではいずれ体力も尽き、なぶり殺しにされるだろう。奇跡が起こって、信を救い出せたとしても、光良と金明がいる。その時、戦う力は残っているだろうか。
この戦いに負ければ、彼らは黒王の元へ行き、竜牙の妨害をするだろう。そして、竜牙が負ければ、この世界は暗黒へ沈むのだ。
―――それだけはなんとしても阻止せねばならないッ!
もう信を全力で殺るしかない。
信も世界の終焉を望んではいないはずだッ!
五閃は光良へと走ったッ!
「懲りないのぅ・・・」
と、光良はあきれた感じでクイと手を動かす。信が向かってくるッ!速いッ!よゆうで追いつくッ!しかし、これが五閃の狙いッ!足をピタリと止めて、信を迎え撃つッ!
五閃は、両腕を交差させた。この構えはッ!?
「信、許せ・・・。世界の為だ」
信が間合いに入ったッ!ジャストッ!!!
―――神音流剣術 真居奥義・雷十字
出た~ッ!五閃最大の奥義だッ!
交差が解放されるとき、その速度は実にマッハ4ッ!!!
それはどんなに接近されようとも、一刀両断できるスピードであったッ!
五閃の技は見事、信を十字に切り裂いたッ!!!
―――終わっ・・・だがしかしッ!!!
信の体は桃色に発光したッ!よく見ると、桜の花びらだったッ!
出たッ!白桜寺剣術 桜華・花霞ッ!
五閃は驚く間もなく、背後から右肩をばっさり斬り落とされた。
「ぐぉあああああああああああああッ!!!」
五閃が痛みで転がった。
「五閃さん!」
「いきなり殺しに来るとはのぅ。肝が冷えたわい。じゃが、これでもう雷十字は使えない。ヒャッヒャッヒャ!」
光良は髭をいじりながら、大笑いだッ!




