第百六十一天 邪聖双転ッ!明かされる真実ッ!!!
光良は勝ち誇った顔をしていた。対して、信は顔色が悪い。やはり毒が効いているようだッ!
不意打ちに出る元気もないと見て、光良はよゆうの歩みで説明を始めたッ!
「理由その一、これは今見ての通り、そなたの使う技はワシも使えるという事じゃ。そこに加えて、そなたは死にぞこない。勝ち目が絶望的にない事実ッ!」
「・・・」
「理由その二」
光良はそう言うと、ニヤリと悪魔のような微笑だッ!信はぞくりとしたッ!
光良は、片手をフードへ回した。そして、フードを被ると、口を開いた。光良とは思えない低い声が響いた。この声はまぎれもなく信に技を伝授したフードの男ッ!!!
「そなたにその技を教えたのは、他でもないワシという事だッ!」
「なッ!なんだとッ!!?!?」
これには、信もチビるレベル。
「その技の名は、邪聖双転。聖なるパワーと闇なるパワーをぶつける事で爆発的な反発を生み、それをそのまま戦闘能力へと転換する。かつては奥義とも呼ばれていた技じゃよ」
「何故、それをわたしに・・・」
「決まっておるじゃろう。最強の戦士を作り出す為じゃよ。この世は力こそ全てッ!ワシはその力の頂点をこの目で見てみたいのじゃ。そなたにはその素質があるッ!」
「力が全てですか・・・」
「ホッホッホ!そなたともあろう者が、このワシの変装に気づかぬとはのぅ」
「ッ!」
「そして、理由その三・・・まあ、戦えばすぐわかることじゃ。かかってこい」
光良は何か企んでやがるッ!
信は刀を鞘に納め、抜刀の姿勢だッ!
「ホホゥ・・・居合かの?」
「あなたが何かをする前に、斬るッ!」
「いい作戦じゃ」
「これで、終わりです」
姿が消えたッ!出たッ!信の超高速移動ッ!からのッ!白桜寺最速の居合術ッ!これは、五閃の居合にも劣らぬスピードだッ!
―――だがしかしッ!
信が動いた瞬間、光良は片手を突き出したッ!
「ハァッ!!!!」
「ぐぉあッ!!!!」
信は突然首根っこを捕まれて、勢いを失ったッ!超スピードなものだから、首の骨が軋んだッ!
「理由その三ッ!邪聖双転の使用者をワシは操る事ができるッ!!!!暗黒剣術禁奥義・黒手傀儡拳ッ!」
光良の手から伸びる黒く太い帯は、彼の背中全身へガムのようにこびりついているッ!!!
信は体に力を込めるッ!だが、どんなに力を込めても動けないッ!
「無駄じゃッ!黒手傀儡拳に捕らわれたが最後、ワシが術を止めるまでは指ひとつ動かせん」
「成平 信ッ!聖なるパワーだッ!聖なるパワーでぶち破るんだッ!!!」
「ホッホッホ!彼はとっくに試しておるよ。しかし出れぬのじゃ。まあ、それは当然と言えば当然じゃがのぅ」
「なんだとッ!!」
「邪聖双転によって生み出される力は、零力ッ!聖でも邪でもない零力は、何ものにも捕らわれないがゆえに、力の無駄がない。よって、凄まじい力を発揮する事ができるのじゃッ!つまり、純粋なる力ッ!じゃが、聖でも邪でもないという事は、逆を言えば、聖でも邪でもあり得るという事。零力とはすなわち無。無とは、無感動ッ!無関心ッ!無気力ッ!無意識ッ!そして、無力という事じゃ。ゆえにちょっとした操術で簡単に操られる」
「ぐッ!」
「ホッホッホ!成平 信よ。力に溺れたのぅ。方向なき力は、信念なき力ッ!さぁ、信念なき哀れな若者よ。我が道を共に歩もうぞッ!」
「コハアアアアアアアアアアアアアアッ!!!」
信がのけぞったッ!目からは、光と闇のパワーが溢れ出し、非常にヤバいッ!そして朝霧たちに向けられる殺意ッ!!!
「マズい事になりましたね」
朝霧が、構えた。
「信ッ!目を覚ませッ!」
五閃は叫び、信に訴えかけるが、どう見ても届いてないッ!
どころかッ!
「ヒャアアアアアアアッ!」
超移動の信が目の前に迫ってきて、斬撃を繰り出すッ!五閃は刀を抜き、かろうじてそれを止めたッ!しかし、物凄いパワーで吹っ飛ばされたッ!
「なッ!前に戦った時よりも、はるかに強いッ!」
朝霧がすかさず背後に回りこみ、後頭部へ向けて、回し蹴りを繰り出すッ!
―――だがしかしッ!
後ろを向いていたはずの信が、もう正面で朝霧の足を止めているッ!
「なんですってッ!」
朝霧が声をあげたところで、逆に蹴りで吹っ飛ばされたッ!
信は意識を失い、操られることで、無限の力を爆発させているッ!
「ホッホッホ!いいぞいいぞッ!成平 信ッ!才能に溢れておるッ!この戦いを終えた後には、ワシの脳と心臓を授けるとしようッ!そして、我が肉体として新たによみがえるのじゃッ!」
「なんだとッ!そんなえげつない事までッ!?」
「ヒャッヒャッヒャッ!ワシはこうして最強の肉体に乗り換え、今まで生きてきたのじゃッ!ワシは成平 信の体を奪い、最強になるのじゃッ!」
と、キモイッ!
「完全に人をやめてしまっているようですね」
朝霧もドン引きだッ!
「さぁ、どうするかねッ!?中聖天 朝霧ッ!五閃ッ!仲間を斬るかね?」
「へへッ!いい調子だぜ」
と、これには金明も勝ち誇っているッ!
―――ヤバいぞッ!




