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第百五十九天 悲痛悲壮ッ!裏切りの父ッ!!!

 黒いフード付きのコートというラフな出で立ちで、影から浮き上がった男はその大きめな頭に生えるだらしない髭をいじっていたッ!

「野暮用とはなんでありますか?二階堂支配人ッ!・・・親父ッ!!!」

 五閃がびっくりな声で叫んだ相手は、そうッ!御聖院支配人、二階堂 光良ッ!その人であるッ!

「おッ!来てくれたかッ!助かるッ!あの糞ガキ、貴様のところの部下だろう?ぶっ殺してくれ。俺をこんな姿にしやがったッ!」

 金卑が芋虫のように這いずってきたッ!

「甘いのぅ・・・」

 光良はゆらりッと、金卑に歩み寄った。

「おいッ!聞いてんのか?これは貴様の部下の不始末だぞッ!」

「黙れッ!芋虫がッ!」

「うぎゃああああああああああああッ!」

 光良の手元が微かにぶれた、その瞬間、金卑は塵と消え失せたッ!


「倒れた敵には止めをさす。そなたには何度も言ったはずじゃがのぅ。ワシはこういうクズを見るのが、なによりの不愉快なんじゃよ」

「はッ!はぁ・・・。申し訳ございません」

「成平 信と行動を共にする内に、甘さが移ったか?」

「ッ!?!?!!?」

 五閃は、まんまるアイズッ!こいつ、知っているッ!

 光良はニヤリと、竜牙たちと共に過ごしていた事を完全に見抜き切ったテラースマイルだッ!

 五閃の顔が険しいロッキー山脈だッ!もう野暮用と言って思い当たるのは、アレだけだッ!

「ホッホッホッ!そう固くなるな。別にそなたを粛清しにきたわけではない」

「えッ!?」

「むしろ、そなたのやり残した仕事を果たしに来たと言うべきか・・・。のぅ?成平 信」

「「ッ!!!」」

 五閃と朝霧は驚いて、振り返ったッ!

 信がいつの間にか、背後にいたッ!刀を杖替わりにやっとの事で、立っているッ!


「置いてけぼりとは、ひどいですね」

「馬鹿野郎ッ!こんな体で・・・どうして来た~ッ!!」

 と、五閃は駆け寄って支えたッ!

「戦士ならば、当たり前のことですよ」

「ッ!」

 五閃も朝霧も返す言葉がないッ!そう、戦士ならば、戦場へ来るのは当たり前のベーシックッ!


「二階堂 光良。やはりあなたもそちらにいたのですね」

「ホゥ・・・気づいておったか。いつからだ」

「砂浜の爆発です。あんな砂浜中の大爆発、予め準備しておかなければ、出来ようはずがありません。後は簡単な事です。わたしと彼の果し合いを前もって知っていた人物となれば、あなたしかいないというわけです」

 来たッ!信の超推理だッ!

「ホッホッホ・・・なかなか頭も回るようで、アッパレじゃッ!いいぞッ!気に入ったッ!成平 信ッ!」

 しかも、大正解のようだッ!御聖院支配人に気に入られてしまったぞッ!

「欲しいッ!欲しいぞッ!気が変わったッ!我が物となれッ!成平 信ッ!」


「なるほど。野暮用とは勧誘でしたか。生憎、魔と組むようなゲスや、部下を捨て駒にするようなクズは間に合っています。それよりも先を急ぐので、そこをどいていただきたい。あなたも御聖院ならば、この先で今どんな危機が迫っているか、おわかりでしょう?」

「小僧が・・・口までよぅ回りおるわい。ワシには世界の終焉なぞ、どうでも構わんのじゃよ。ワシの興味は、成平 信。そなたじゃ」

 光良の柔らかな微笑み。キモイ。

「に、二階堂 光良支配人・・・。砂浜での爆発の件は良い。たとえ、この俺もろとも吹き飛ばそうとも、目的を達せられるのであれば、俺はそれでも構わない。世界の平穏を保てるのであれば、喜んでこの命捧げようッ!だがしかしッ!世界の終焉を前に、どうでも構わんとはどういう事ですか!このままでは、世界は魔の手に落ちてしまう。それでも構わんと?否ッ!それどころか、魔に与するとは何事ですかッ!御聖院としての誇りは、どこへ行ったのですかッ!!!」

 五閃が、アツイッ!情熱がオーバーヒートッ!!!

「やかましい奴じゃのぅ。ワシが魔に与したから、なんじゃ?そなたはワシに刃向うのか?親父と慕うこのワシに?」

「・・・ええ」

「ホッホッホ!これは意外や意外ッ!ワシを殺すと申すかッ!祖父を殺したようにッ!」

「二階堂 光良。あなたには恩義があります。しかし、平和を願う人々がいる限り、俺は世界の終焉を受け入れるわけにはいかないッ!」

 五閃は柄に手をかけ、居合の構えで完全に本気だッ!

 だがしかしッ!その手にスッと手がかぶさったッ!信だッ!


「成平 信ッ!」

「わたしにやらせてください。この戦いはわたしの宿命」

「馬鹿なッ!そんな体じゃ無理だッ!」

「そんな体も何も、わたしの余命はあと二日でしょう?」

「ッ!!?!?!?何故それをッ!!」

 五閃は驚いたッ!信はもう助からないことを知っていたッ!朝霧もちょっぴり顔が曇った。

「フフフ・・・やはりそうですか」

「ッ!!?!?!?」

 信のドヤ顔だッ!やられたッ!これは話術の罠だッ!!!

「であればなおのこと、ここで引くわけには行きません」

「ダメだッ!これでおまえに死なれたら、この俺の申し訳が立たんッ!」

「大丈夫です。わたしはまだ戦えます」

「嘘つけッ!」

「・・・信さん、任せますよ」

 朝霧が涼しい笑顔ですべてを悟ったようだッ!

「朝霧 中聖天ッ!あなたまで何をッ!」

「男にはやらなければいけない事があるんですよ。彼は今まさにその時ッ!!」

 そうッ!信は二階堂 光良を倒し、御聖院との戦いに終止符を打つのだッ!彼の残り少ない命の中ですべき事は数あれど、これに勝るものはないッ!

「戦士らしく散り華を咲かせてみせましょう」

 信はやわな微笑みだ。それはまさに消える前の蝋燭のごときだッ!信はそれでも、ずるりと体をひきずるように前へ出た。

「う、うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉッ!成平 信ぃぃぃぃぃぃいっぃぃぃぃぃぃッ!!!!」


「ホゥ・・・その死にぞこないの体で、ワシと戦うと申すか」

「フフフ・・・死にぞこないはあなたも一緒でしょう?一体おいくつなんですか?」

「はて?」

 光良はとぼけた顔をしやがるッ!

「同じ死にぞこない同士、地獄まで付き合ってもらいますよッ!!!」

 信の姿がふっと消えたッ!!!


―――始まるッ!成平 信VS二階堂 光良ッ!ファイトッ!


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