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第百五十六天 勇士出立ッ!戦士の真なる誓いッ!!!

 夜の紺色が緩まり、目の前の松林が微かな輪郭を持ち始めた。遠い海原には漁船がか細く輝いていた。

 暗く寝静まった沈黙の中、もぞもぞと寝返りを装うかのように、準備を進める竜牙と朝霧があった。

 こっそりと毛布から抜け出して、部屋を出た。引き戸を閉めた時にほっと息をついた。明江はたとえこの旅館が爆発しようが起きないだろうが、信や五閃は鋭いッ!

「なんとか、出れましたね」

「フン・・・」

 竜牙は含んだ笑みをこぼした。


 ホテルのエントランスも静かで、がらんとしていた。自動ドアが開かなかった。

「どうやら、ロックされてるみたいですね」

「ちッ!めんどくせぇ」

 竜牙が嫌な顔をしたその刹那ッ!


「大聖天ッ!」

 と、太い声が背中にかかっちまったッ!朝のロビーに轟響だッ!

 朝霧は飛び跳ねるように振り返ったッ!五閃だった。

「起きていらっしゃったんですかッ!」

「フン・・・戦士は立ち止まらない。起きて当然だぜ」

 と、竜牙は知ってた。何故なら、部屋を出る時、眠りの呼吸ではないと彼の耳はわかっていたのだッ!さすがは大聖天ッ!

「俺も連れて行ってくれッ!」

「何故、てめぇを連れて行かなきゃならねぇ。敵かも知れねぇのによ」

「ぐッ・・・」

 五閃は言葉に詰まった。そう、彼は御聖院の者ッ!信の敵だッ!

「大人しく部屋で、信の寝首でも狙ってるんだな!ハッハッハ!」

「寝首だとッ!?俺はそんな卑怯な真似はしないッ!」

「どうかな?」

 と、五閃は譲らない顔をしている。しかし、竜牙も煽るのをやめないッ!

「何故、ついていきたいのですか?」

 朝霧が冷静に質問だッ!

「何故?愚かな質問だな。御聖院とは、人間を魔の手から救うべく作られた最強部隊。それが本来のあるべき姿ッ!俺にはわかるッ!おまえ達がこれから巨大な悪と戦おうとしている事をッ!それを知りながら、行かない戦士なぞ、戦士ではないッ!」

 五閃の目はぎらりとまっすぐだッ!そのアイズは、二人のハートをズギューンと射抜くッ!

「フン・・・何を勘違いしている?俺はてめぇを連れていく気はねぇと言ってるだけだぜ?」

「・・・あッ!」

 五閃は少し考えて、ハッとした。

 カウンターに中年のおっさんが飛んできた。ひどく焦っていて、五閃の大声におびえたと見えた。

「大変お待たせして、申し訳ありません」

「いえいえ」

 朝霧が、優しい微笑みで彼をいたわったッ!優しいッ!

「ご用件は?」

「あ、外へ出たいのですが」

「はい、ただいまッ!」

 と、自動ドアがごぅんごぅんと開いた。


 町の壁は青一色だった。暑さをにおわせる風が吹き込んできた。

「いくぜ・・・」

 竜牙の重い声はこれから始まる激しい死闘を思わせた。しかし誰一人として、尻込みするものはいないッ!竜牙、朝霧、五閃、この三人が今、旅館をたつッ!!!

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