表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
154/185

第百五十四天 野望始動ッ!絡み合う三つの黒ッ!

 神生島のほとんどは山である。海からそのまま、雑木林の山が生えているようで、そこを人が無理矢理、道を通した。そんな箇所がいくつもある。しかし、山奥は険しい峡谷があるというわけでなく、なだらかな平原に農村がのどかに広がっている。島の地図的な中心地も、そんななだらかな平原にあった。そして、その中心地は聖域であり、竜牙たちのいた町の聖域、そして数々の激闘を広げた聖域を結んだ中心地でもあった。

 聖域を結んだ中心の聖域。つまり、聖域の中枢がそこにあったッ!


 そして、その鳥居をくぐった女がいたッ!言わずと知れた黒王だったッ!

 鳥居の結界も黒王の強大な力の前では無力であったッ!


 まっすぐに伸びる砂利道を見た。

 それから、神池、拝殿と、まっすぐに向かった。仰々しさのないすっきりした参道だッ!

 そして、黒王は拝殿を前にして、ニヤリとダークなスマイルだッ!

「ここから、我の野望は始まるッ!・・・そうだろう?そこのゴミ共」

 と、振り向かずに言った。


「ホッホ・・・見つかってしまったか。さすが新世界の王を名乗るだけの事はあるな」

 なんとッ!木の影から浮き上がるように出てきた闇は、金卑だったッ!!!

「我を誰だと思っている」

 黒王は当然の顔つきだッ!そしてッ!

「なぁ、そこのでくの坊よ」

 と、門の方を見た。

 舌打ちがした。影から出てきたのは、金明だったッ!

「何の用だ?」

 と、黒王は涼しい顔をして、振り返らないままに聞いた。

「ぐッ!ぬぅぅ」

 金明は言葉に詰まった。用などなかった。ただ隠れて偵察していただけだッ!だがしかしッ!そうとは言えないッ!

「まさか・・・あれで偵察というわけではあるまい?」

「ッ!!?!!?!?!」

 二人は動揺した。

「そこまで、見抜かれてましたか」

「たわけがッ!臭いでわかるわッ!」

 黒王は魔の中に長くいるため、臭いの違いで何者かも判断できたッ!!!

「フフフ・・・貴様ら、金盧の手下だろう?我が野望、阻みに来たか?」

 と、深黒なオーラがぶわぁと黒王の体からにじみ出たッ!どす黒く重いオーラに、同じ魔でありながら、恐怖に包まれたッ!!!

「違う。俺たちはあなた様の手下だ」

「なにッ!!?!!?!?」

 めっちゃビックリしたのは金明だったッ!偵察していただけで、そんな話は聞いていないッ!金卑、まさかの寝返りッ!!!

「ホゥ・・・」

「素晴らしいダークパワーだッ!世界を統べるには、あなたこそふさわしいッ!」

 金卑、大絶賛であるッ!感動に打ち震えた表情は、まさに迫真と言わざるを得ないッ!

「おいッ!金卑ッ!俺はそんな話聞いていないぞッ!!!」

「ホッホ・・・貴様はまだわからないようだな。この方は世の理なのだよ。金盧などという俗物とは違う次元にいる。もっとも深い闇を持つ魔の王だ」

「おめぇ、今なんて言いやがったッ!」

 金明はキレたッ!金盧を親父を俗物扱いした事に、爆発寸前だったッ!

「どうした?何か気に障る事を言ったか?」

「親父を侮辱したおめぇは許さねぇッ!!」

 金明は、どすどすとすさまじい地鳴りと共に、金卑に突っ込んできたッ!

「愚物めッ!」

 金卑は身構えたッ!金明の鋭い拳が振り下ろされるッ!

 すさまじい砂煙があがるッ!?と思いきや、聖域は静然としたままだったッ!

「なッ!!!!」

 驚いたのはやっぱり金明だッ!金明の凄まじく重いパンチを、この黒王という女は二人の間に割り込んで、指先一つで止めていたのだッ!


「ザコ共が何しに来たのか知らんが、さっさと失せろ。目障りだ」

「申し訳ありませんッ!!!」

 と、金卑は即座に土下座だッ!

「この男があまりに愚か過ぎるゆえに、なにとぞご勘弁をッ!」

「フン・・・貴様のおべっかにも飽きたわッ!さっさと消えろ」

「一つッ!お願いがありますッ!」

 金卑は土下座しながらに言った。

「・・・死にたいのか?」

 黒王の視線が濃くなった。殺意の波動が金卑をうちのめし、金卑はチビったッ!

「死にとうございませんッ!独り言で一言だけ言わせてくださいッ!竜牙一行は我々が必ず討ち取ります。しかるゆえ、討ち取ったあかつきには我々を、配下に加えていただきたいッ!それだけでありますッ!」

 金卑は頭を地面にめりこむくらいに押し付けたッ!

「ホゥ・・・大聖天を討ち取るとな?」

「はいッ!」

「良かろう。我は貴様らが首を持ち帰ってくるのを待とうぞ」

「はッ!必ずや!おいッ!金明いくぞッ!」

 金卑は、金盧の腹を肘でつつくと、しゅたっとその場を飛び去った。

「お、おいッ!」

 金明は頭が追いつかない。

「どうした?大聖天を討ちにいかぬのか?」

 と、黒王の冷ややかさが、北極のブリザードのごとしだッ!

「うぅ・・・ぐぬッ!」

 金明はものすごい殺気にやられて、わけのわからぬまま、動物的本能が体を反射的に逃亡へ走らせたッ!




「おいッ!待ちやがれッ!」

 先を進む金卑を金明は引き留めた。

「なんだ?」

「おめぇ、なに勝手な事してやがんだ!」

「勝手な事?俺は正しい判断をしたまでだ。あの方は魔の王となるべきお方だ。間違いない」

「まだそんな事を言うかッ!」

 金明は拳を振り上げるッ!

「待てッ!ならば聞こうッ!あの金盧が黒王様の力より勝っていると思うのか?」

「おめぇ、そんな事言って、親父がどこで見ているかわからねぇぞ?」

「ホッホ・・・何を恐れる必要があるのだ?あいつは大聖天にも黒王様にも勝てない。どのみち死ぬだけだ。そんな泥船に貴様はいつまで乗っている?」

「ぐッ!・・・」

 金明は拳をぎゅっと握りしめた。怒りがはちきれそうッ!?と思いきや、心の内にモヤモヤと日頃の不満が広がった。父親の戦っているところを金明は見たことがなかった。

「親父だからか?くだらんな。さっさと見限る事だ。あいつはもはや権力にしがみついた醜い老いぼれ。何もできやしない。俺は強い奴にしか興味はない。強い奴につき、俺は権力を手に入れるッ!数年後には、俺が魔の国の王となってるかもな。クックック」

 金卑は下品な笑い声をあげながら、歩き始めた。


「おめぇには、戦士としての誇りはねぇのかぁッ!」

 金明の野太い声が、まるで雷鳴のごとき轟音だッ!

「誇り?そんなものは何の得にもならんゴミだ。情を捨て賢くなれ、金明。ホコリなぞにこだわって、ゴミのような親父といつまでもいると、貴様自身がホコリになってしまうぞ?クックック」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ