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第百四十二天 驚愕無惨ッ!選択の結末ッ!!!

「ッ!?明江さんッ!」

 よたりながら旅館の部屋に戻ると、朝霧と信が飛び跳ねた。

「大聖天様、わたしが抱えましょう」

 信が明江の脇に体をはさんだ。

 明江の服はぼろぼろに引き裂かれ、髪はカサカサに乾いて、まるで藁ぶきのようだった。泣きはらした顔がみすぼらしくしわがれて、すっかり若さの潤いを失っている。明江の可憐は荒々しく無惨にもぎ取られて、引き千切られた花弁だった。

「・・・なにがあったんです?」

 朝霧がえらく恐ろしい剣幕だ。

「知らねぇよ。俺は拾ってきただけだ」

 と、竜牙と信は抱えて座敷にあがった。

「こんな・・・むごい事、いったい誰が・・・」

「ひとまず、寝かせましょう」

「そうですね」

 朝霧はぱっと押入れから布団を出して広げた。

 竜牙と信はそこまで運ぶと、ゆっくりと横に倒して、毛布をかけた。

「今は寝ろ」

 明江はじっと布団の端をつかんで、竜牙を見つめていたが、やがて震えだすと、すっかり乾いた瞳から涙がまた溢れた

「明江さん、お水ですよ」

 朝霧がコップを持ってきて、体を起こして飲ませた。少しむせながら明江はごくごくと染み込むように飲んだ。ボロボロな彼女の肢体を支えていると、やせ細った病人のような痛ましい気分になった。

「とにかく今は寝ろ」

 竜牙は再度言った。しかし、明江はおびえた目を閉じなかった。

「安心しろ。てめぇにゃ誰も手出しはさせないぜ」

 と、竜牙の優しさが安心感で爆発しているッ!その安心感の前では、明江もこくりとうなずいて、すぐに目を閉じざるを得ないッ!


 朝霧は緑茶を入れた。

 竜牙も信も言葉を失って、明江を囲んだまま、黙って座っていた。

「お茶です」

 と、朝霧に差し出されても、明江から目が移らない。

「これはわたしたちへの挑発ということでしょうか?」

「ああ・・・おそらくな」

「かよわい女性にひどいことを・・・許せませんね」

「相手はやはり・・・」

「黒王だろうな」

「こんな事なら、あの時に何が何でも引き留めておくべきでしたよ」

「そうですね」

「フン・・・過去を悔いても仕方ねぇよ。それにこいつの選んだ道でもある」

 竜牙はこういう時クールだ。

 その冷たさに言葉を失った。こんなにひどい目にあったというのに、カワイソウと思えど、確かに、明江は黒王を選んでしまったのだ。結果は必然であり、同情は甘やかしにしかならない。

 戦士は非情に乗り越えなければならない。


「寝るぞ」

 竜牙が言った。

 明江が来てから、時間がマッハに過ぎ去って、もう日が変わろうとしていた。

「いい時間ですね。寝ましょう」

 布団を敷いて、三人は川の字で寝た。

 しかし、明江は悪夢でも見ているのか、夜中もぞもぞと動き出しては、すすり泣くのであった。

「・・・うるせぇな」

 と、明け方に竜牙が我慢を超えて、懐から黄金の瓶をすぐ隣で寝ている明江の顔の前に置いた。

 ぼんやりと青白い光は、明江の顔を優しく照らした。その柔らかな光は明江の顔から険しさを取り除いて深い眠りへといざなったッ!聖なる光のパワーは万人を幸せにする力を秘めているッ!


 すすり泣きが止んで、明江の顔から柔らかな微笑がにじむと、竜牙は毛布をかぶった。


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