第百三十五天 瞳孔全開ッ!恐るべき睡眠の力ッ!!!
「さあ、上へ参りましょう」
三切の体をどけると、信が二人のところへ颯爽とドヤ歩きだッ!
だがしかしッ!
ざざざざざざざざッ!
「そうはさせるかよッ!」
「このまま、上へ行けると思ってんのかぁ!?」
「今度こそ、逃がさねぇぜッ!」
集団がすかさず取り囲んだ。フリスビー手裏剣の恐ろしい刃のうごめきにびびっていたくせに、懲りないッ!
「ちッ!雑魚が次から次へと」
「陣も何も関係なく、今度は殺る気ですね」
竜牙と朝霧は信を守るようにかまえた。
だがだがしかししかしッ!
どごぉッ!
大きな爆音だッ!
「今度はなんですか?」
音は上からだった。見上げると天守閣が煙に包まれていたッ!その煙をつきやぶって、しゅんっと、小さな塊が信のそばに飛び出したッ!
サングラスをかけた少年が覇気に満ちた仁王立ちだったッ!
「あなたが親玉ですか?」
「そうです」
信は問答無用で斬撃を繰り出したッ!が、肩口にふれんとした瞬間、動きが止まった。
そして、信の方が倒れたッ!何が起こったぁッ!?!!?!?
「信さんッ!!!」
考える前に、朝霧が超高速で飛び出していたッ!超優しいイケメンだッ!少年は立ったまま動かず、朝霧が信を回収するのを許した。
「よし・・・想定内だ」
ブツブツとつぶやいた。
「信さんッ!しっかりしてくださいッ!」
「馬鹿野郎ッ!やたらに触れてんじゃねぇッ!」
竜牙が朝霧に叫んだッ!相手はアンノウン。未知の能力者を前にその行動はあまりにクレイジーであるッ!信の体に一瞬で爆弾を仕込んだかも知れないッ!
だがしかしッ!
「心配はいりませんよ。瞬間導眠で眠っていただきました。しょせん、人間なぞこんなもの。相手にするまでもない。私の狙いはあなた方二人ですから」
「・・・てめぇ、何者だ」
「このギャラリーの視線、嫌いですね。眠らせておきましょう」
少年から、邪悪な気があふれだしたッ!とたん、バタバタと囲んでいたザコが倒れだしたッ!
竜牙は改めて構えなおしたッ!信ほどの使い手を一瞬で眠らせる実力に加え、この邪臭・・・。只者ではないッ!
「思い出しましたよ。あなたは小山田とかいう政治家の秘書をやっていた小男」
「御名答。そう、私はコルゲン」
「あん?」
竜牙はまだ思い出せないッ!バカッ!
「・・・町中に散らばる目玉の親玉と言えば、わかりやすいでしょう」
「フン・・・なるほど」
「しかし、あなたに戦う力などなかったはず・・・」
「こんな前線に突撃してくるはずがないと?・・・そう思うのでしたら、試してみればいい」
コルゲンは自信に満ちたスマイルだッ!
「言われるまでもなく、あなたには死んでもらいますよ」
朝霧は真正面から斬りかかったッ!こんなザコ、一撃だッ!
コルゲンが腕を前に突き出す。開いた手のひらから、目玉がぎょろりと顔をだしたッ!
「ッ!?」
朝霧は瞬間、めまいがして、あわてて飛びのいたッ!
―――なんだ、今のはッ!?
「・・・やはり、聖天相手には無理ですか。しかし、長時間当て続ければ・・・」
コルゲンは自分の手のひらを見つめて、またブツブツつぶやいている。よゆうたっぷりだッ!
「今のが、・・・瞬間導眠ッ!」
朝霧も危うく眠りそうになってしまったッ!なんという強力な睡魔ッ!
「いかなる強敵も眠らせてしまえば、勝ったも同然。あなどらない事です」
「御忠告感謝痛み入ります。・・・竜牙、こいつはわたしが殺りますよッ!」
「フン・・・好きにしろ」
「確かにあなたの能力、あなどれませんね。しかし・・・」
朝霧の姿が消えたッ!
出たッ!超高速移動だッ!
「「視界に入れられなければ、意味がないッ!!!」」
「と、誰もが考えそうなことですね」
「ッ!?」
言葉がハーモニーッ!そして、コルゲンが突然にフンと胸板を張ると、服が破けたッ!華奢な体かと思いきやたくましい体つきで、隠れマッスルッ!だが、マッスルに喜んではならないッ!その肉体には無数の亀裂があった。そして、一斉に開く目ッ!そう、コルゲンの体中が目玉だらけだったッ!化け物だッ!
その目玉はパチパチまばたきを繰り返し、クレセントバックスラッシュで背後に回り込んだ朝霧の腕をなんとッ!後ろも振り向かずに受け止めたッ!
「なッ!?わたしの動きを見切ったッ!?」
「瞬きを繰り返して、コマ送りにすることで、あなたの動きはスーパースローです。私にスピードは通用しない。残念でしたね」
背中の目玉がギロリと朝霧を見つめたッ!腕をつかまれては逃げ出せないッ!!!
「しまっ・・・た・・・」
朝霧は深い眠りに堕ちてしまったッ!!!




