第百三十二天 中央突破ッ!現る新たな刺客ッ!!!
「怨霊寺ッ!?まだ存在していたのかッ!」
信は驚いた。
「我々の力は、怨みッ!やられればやられるほど、その力を増すのだッ!白桜寺の成平 信ッ!今日こそ我々の恨み、晴らしてくれるわッ!」
「怨み?悪事を働いたあなた方の自業自得ではありませんか。わたしが恨まれる筋合いはありません。ま、あなた方から向かってきてくれるのならば、こちらも探す手間がはぶけて、助かりますよ」
信のクールな闘志が微笑みにあふれている!
「そのよゆう、いつまで持つかなッ!?」
ざざっと、陣形が整えられたッ!
「わたしのことより、あなたがいつまでわたしを見ていられるかを心配するべきです」
信は構えた。
溢れ出る白き輝きを持つ聖なるパワーッ!眠れる竜が目を覚ますがごとく、舞い上ったッ!
「波濤など、すべて消し飛ばせば良いだけのこと。わたしは海原を割り、モーゼになるッ!!!」
―――散桜・桜吹雪ッ!!!
出たッ!信の必殺技だッ!無数の桜の牙が、一直線に波へと食らいついていくッ!!!
だがしかしッ!
ざざざざざざざざッ!
集団は左右にきれいに割れたッ!その隙間に桜吹雪は流れ込み、通り過ぎていったッ!
「集団で避けたッ!?」
信は驚いたッ!なんという、統率力ッ!!!
「フハハハハハ!驚いたかッ!集団に見えて、その心は一つッ!水のごとくうねり、刃に捉えられぬ不死の陣形ッ!それが波濤の陣よッ!」
「竜牙、どうします?この陣形、なかなかに手ごわい」
「・・・それより、頭はどこにいる」
「頭ッ!?なるほどッ!あのマスクをした奴がこの陣形を指揮しているッ!あいつを殺せばッ!?」
「違ぇ。こいつらを呼んだ親玉だ」
「親玉?・・・そういえば、見当たりませんね。まさか、あいつ?」
「いや、相手は邪臭を極限まで抑えられる手練れ。あんなザコの人間なはずがねぇ。どこかにいるはずだ」
「なるほど」
「そいつを殺らねぇ限り、こんなザコ共をずっと相手にしなきゃならねぇ。ウンザリだぜ」
「そうですね」
「我々をザコ呼ばわりするのは、この陣形を破ってからにしてもらおうかッ!!!」
「ハッ!人間の割には地獄耳じゃねぇか」
「我々を人間とあなどらぬ事だッ!」
「あなどってるぜッ!しょせんは人間ッ!朝霧、信。俺についてきなッ!」
竜牙は駆け出したッ!早いッ!
朝霧や信が追いつけないレベルではないが、やはり肉体の極限に達した男の動きに無駄はなかったッ!
「来るぞッ!構えろッ!」
最前線の男が引き始めるッ!竜牙は加速しその男を斬りつけたッ!
「ホゥ・・・こいつは軽くて良い刀だぜ」
「うぎゃああああああああああああッ!」
致命傷ッ!男は死ぬ。周りがざざっと引いて囲まれた形になるッ!
「囲まれましたよッ!」
「止まるなッ!まっすぐ突っ切るぜッ!」
竜牙は走り続けるッ!周りは攻撃をしかけようにも動き続けるがために、とまどっているッ!
「そういうことですか。鉄の塊を呑み込んでも、水は鉄を砕けない。ただ、避けていくだけ」
「城の入り口が見えてきました」
「あのお方のところへは通すなッ!囲んで切り付けろッ!!!」
マスクの男が言う。囲んだ輪が狭まって、斬撃を仕掛けてくるが、そんな半端な刃に竜牙達があたるはずもないッ!
「フン・・・ビンゴだぜ」
竜牙は飛びあがった。そして、人の海原を踏みつけて、指揮するマスクの男の前に降り立った。
「なッ!?」
「道案内ありがとうよ」
「うぎゃああああああああああああッ!」
男の首がとんでったッ!
「リーダーがやられたあああああッ!」「やめるなッ!陣形を維持するんだッ!!!」「うわああああッ!田舎に帰らせてくれええええええッ!」
さまざまな声が飛び交いビッグパニックッ!
竜牙達はその隙に、城の中へすべりこんだッ!
「うまく隙をつけましたね」
朝霧がほっと息をつく。
―――つかの間ッ!
「あぶねぇッ!」
竜牙がかがんだッ!巨大な手裏剣だッ!
しかし、さすがは手練れの二人ッ!素早い反応で、かがんで避けたッ!
だがしかしッ!それにしてもでっかい手裏剣で、入り口のドアをぶちやぶって、外へと出ていったッ!
「さすが・・・と言っては失礼かしら?ようこそ、安土城へ」
艶やかな声がかけられるッ!女が天守閣への階段に背を持たれて不敵な笑みを浮かべているッ!ウェーブがかった長い黒髪が美しいッ!だがしかしッ!さっきの手裏剣を投げたのはこの細身の女だろうか。だとしたら、只者ではないッ!
「何者ッ!?」
「・・・御聖院、三切ッ!」
「信、てめぇの客だぜ」
「サンということは三番目ッ!まさか、女性とは・・・」
朝霧は驚いた
「すぐに終わらせますよ」
「あら、たくましい」
三切は、エロティカルなスマイリーだッ!
三切はぐぐっと細い腰をよじると、
「まずは、挨拶代りにこれをプレゼントするわッ!」
よじれた腰の力がびんっと解放されたッ!




