第百三十一天 最速流麗ッ!暗黒武術の神髄ッ!!!
ごつい男の二人がやられて、連中もようやく目が覚めたようで、鋭い殺気の塊へと変貌したッ!
「フン・・・ようやく戦らしくなってきたぜ」
殺気を受けて、竜牙は興奮した
「どうやら、彼らは人間のようですね」
「しかし、あの雰囲気、おそらくあいつらは寄せ集めでしょう」
信の推理がパネェ。
「あの目玉が彼らを呼び寄せたのでしょうか?」
「・・・何人だろうと、全部ぶっ殺せば済む話だ」
「フフフ・・・竜牙らしい」
「明江さんがいなくて、正解でした」
と、信は冷たい表情で刀を抜くッ!
集団の中から、また一人歩いて出てきた。今度はひょろ長い男で不健康な面構えをしているッ!
「また一人おいでなすったぜ」
「私もそなたと、一対一を所望したい」
ひょろ長い男は竜牙に言った。
「ご指名ってわけかい。いいぜ」
「言っておくが、さっきの連中と同じとは思わぬ事だ。ハァァァァァァッ!」
ひょろながい男は刀を手に気合を込めた。じゅわぁっと黒いオーラが風景にしみこむようにまがまがしいッ!男も白目を向いてヤバい顔しているッ!
「暗黒剣術を元にして、新たに編み出した剣術・・・。新暗黒剣術ッ!とくと味わうがいいッ!」
―――刹那ッ!
ものすごい速さで、竜牙の刀にぶつかっていった。
信は驚いたッ!思わず見失いかけそうになった新暗黒剣術は、以前戦った怨霊寺の男よりも素早かった。中魔人の中位クラスはあるッ!しかし、それよりも驚いたのは、そんな高速の一撃を竜牙が聖なるパワーも使わずにたやすく受け止めていることだッ!
―――やはり、聖なるパワーを使っていない・・・無だッ!
「よくぞ受けた。だが、我が剣術は人間の最速。次はいけるかな?」
男は、連撃をはなってくる。竜牙は紙一重でそれらをすべて避けるッ!肉体の動きは緩やかで、男の刀よりもはるかに動きが悪い。なのにッ!なのに、ぎりぎりで間に合っているッ!
「なッ!・・・なぜ当たらんッ!?!?」
「フン・・・てめぇの攻撃なんざ止まって見えるぜ」
そうかッ!目だッ!数多の戦いで培われた目は、すでに超速を見切る域に達しているッ!その優れた見切りが無駄のない動きを実現させているのだッ!
「私は・・・私は人間最速なんだぞッ!うおおおおッ!」
男の暗黒パワーは溢れまくって、さらに攻撃がヒートアップするが、即座にピタリと止まったッ!
竜牙の刀の切っ先が一直線に男の胸を貫通だッ!
「俺は大聖天だ」
さらりとクールに言うと、ずぶりと深く刺したッ!
「うぎゃああああああああああああッ!」
男は胸から血の噴水だッ!
「てめぇの刀、強そうだから、もらうぜ」
竜牙はニヤリと笑った。
「す・・・凄い。次元が違いすぎる」
朝霧も聖なるパワーを使わない竜牙に気づいたようで、立ち尽くしていたッ!
竜牙はなまくらを捨て、男の刀を拾い上げた。
「次はどいつだ?死にたい奴から前へ出ろ」
と言われましても、集団はまごついた。今のやつはかなり強かった。あれより強い奴はなかなかいないッ!だがしかしッ!
「うろたえるなッ!相手は大聖天ッ!人間ではな~いッ!手柄にこだわるなッ!陣を構えて、迎えうてッ!」
と、黒いマスクをした忍者みたいな奴が言った。
「お、おぅッ!!!!!!!」
集団は横にのびて、竜牙達の前に立ちはだかった。
「フン・・・ザコが群れてもザコだぜ」
竜牙は集団の先頭に飛び掛かったッ!だがしかしッ!先頭の集団は華麗に後ろへと下がったッ!その一部分が下がると、両サイドの集団は、自動的に最前線へと出ることになるッ!そいつらがすかさず、竜牙へ攻撃をしかけてくるッ!
「なにッ?!」
無限の刃のはさみ討ちだッ!竜牙は危険を察知して、飛びのいたが、長槍の一撃がコートをかすったッ!
「ちッ!」
「竜牙ッ!!」
朝霧は心配そうな声をあげた。聖なるパワーなくして戦うなんてやっぱり無茶なんだッ!
「当たったッ!やれるッ!やれるぞぉ~ッ!うぉぉぉぉぉぉっぉおッ!」
「信さん、私たちも加勢しますよッ!」
「はいッ!」
と、朝霧達も突っ込むッ!
―――クレセントサイドストラッシュッ!
朝霧の高速の一撃が、前線の兵隊をとらえるッ!
「うぎゃああああああああああああッ!」
と一人が倒れたが、やはり、両サイドを囲まれて、無限の刃が飛び交うッ!
「くッ!」
朝霧は器用に飛びのいて、集団の前に立つ。信もまったく同じ結果だった。
「前に進めませんね」
「押せば引き、周りが自然に押された状態になり、囲まれる・・・」
「まっすぐにぶつかってこないから、捉えにくい」
「竜牙、大丈夫ですか?」
「フン・・・俺を誰だと思ってやがる。しかし、味な真似をしてくれるぜ」
「フハハハハハッ!どうだッ!我が怨霊寺最強の陣形ッ!波濤の陣ッ!!!」
マスクの男が得意げだったッ!




