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第百三十天 合戦開戦ッ!安土城の戦いッ!

「三名様で、11700円になります」

「釣りはいらねぇ」

 と言って、竜牙はガラスの向こうの受付嬢に100万円札を出した。

「ッ!?え?えッ!?ちょっとお客様ッ?!」

「邪魔するぜ」

 竜牙はいきなり飛んだッ!高い跳躍だッ!

 この飛翔には朝霧達も予想していなかった。一呼吸遅れて、追いかけた。

 こぎれいな屋根瓦を眼下に、三人はよゆうたっぷりで反対側へ着地した。さっと街中に溶け込むと、朝霧はやはりこぎれいではあるが、懐かしい町並みに目を奪われた。

 和装に扮したちょんまげの男たちが通り過ぎた。

「わたしの地元にも、こんなところがありますよ。行ったことはありませんが」

 信は見慣れたような遠い目をいてクールであるッ!


「あの城はなんです?」

「フン・・・安土城だな」

「ッ!?竜牙、知ってるんですか?」

「俺は大聖天だぜ?」

 そう、竜牙は大聖天。だらだらと長く生きているわけではないッ!もしかして、合戦の時もいたのかも知れないッ!

「あ、大聖天様、刀が・・・」

 信が慌てるようだった。竜牙の脇になまくらが差さっている。ヤバい刃物が丸見えだッ!しかし、竜牙は堂々としている。

「あん?こんな町じゃ珍しくもないだろうよ」

「なるほど、逆カモフラージュというわけですか」

「明江さんがいたら、はしゃぎまわってたでしょうね」

 朝霧は考えに耽るようだった。

 ふとパーティーが陰った。

「いくぞ」


 竜牙達は早足に、安土城へ向かった。白い猫にカツラをかぶったようなのがこっちを見つけたかと思うと、人懐っこく寄ってきたが、竜牙は手でびたっと制した。

「死にたくなかったら、城から離れてろ」

「ッ!?」

 観光客に慣れた百戦錬磨のちょんまげ猫もさすがにわけがわからず、かたまった。

「ここからなら、わたしにも感じ取れます。奴ら、実際に合戦をやろうってわけですね」

「なかなか乙なことをしてくれるぜ」


 近くで見た安土城はそれはそれでまた大きく見えた。

 その城下に集まる不穏な集団ッ!

 各々に金棒やら刀やら持っている姿はまるで浪人衆であるッ!だがしかしッ!町が町だけにちょっぴり溶け込めてるッ!

「てめぇら、ここのスタッフにでもなったらいいんじゃねぇか?ハッハッハッ!」

 竜牙の大声に集団は一斉に振り向いたッ!

「そうそうに立ち去れッ!命が惜しいならなッ!」

 と、険しい修行僧のような男が言う

「俺が大聖天だッ!」

「なにッ!?」

 一同がどよめいた。「あのホストみたいな連中がか?」「この人数を相手に三人で来るとか?正気か」とかいろいろ好き勝手言い放題だッ!

 そんな中、集団の中から、ごつい男が二人出てきた。


「俺がやる。下がってろ」

 竜牙は、そういうと脇のなまくら刀を抜いた

「えッ?竜牙、その刀で?」

「フン・・・こいつら相手にはこれがお似合いだぜ」

 出たッ!!!まさかの舐めプレイッ!

 いや、それどころではないッ!信は竜牙の異変を感じ取っていた。

 竜牙の体から、神々しい光の力が溢れ出ていないッ!そこにあるのは肉体だけで、本当の無だったッ!聖天の強さは、聖なる力が桁外れな爆発を起こすところにあるッ!その聖なる力を使わないとなれば、人間に毛が生えた程度だッ!何を考えているッ!?大聖天竜牙ッ!


―――一体、何を考えているんですか?大聖天様はッ!


 信はクールな汗を禁じ得ないッ!


 ごつい180センチくらいの二人組は、ゆったりとした歩みで竜牙の至近距離で止まって見下ろした。

「こいつが大聖天ッ!?こんな痩せっぽちの犬みたいなのがか?」

「・・・見た目で判断するな、銀司。こいつは人間じゃない」

 ごつい男の片方は長髪でクールだッ!

「おぅ、そうだったな、金司。じゃあ、一緒に・・・」

 銀司はかついだ金棒を両手に強く握ったッ!金司の金棒は、脇に構えているッ!


―――来るッ!


「死ねぃッ!金銀荒鋏牙(キンギンコウキョウガ)ッ!」

 ごぉっと轟音とともに鋭い一撃がとんでくるッ!しかも、銀司は上段ッ!金司は下段だッ!

「うぎゃああああああああああああッ!」

 金銀兄弟からは首から血しぶきがあがっていた。竜牙を挟み込む前に竜牙に斬られていたッ!早いッ!

「ッ!?」

 なにより驚いたのは、信だッ!光のパワーがなくてもこれほど早いのかッ!!!この極限まで鍛え上げられた強さが大聖天というわけなのかッ!

 だがしかしッ!

「ちッ!」

 と、竜牙は不満だった。刀がぬらぬらとしている。ごつい男たちの油が刀についているッ!これでは数人斬ったら壊れちゃうッ!

 竜牙は金棒を見た。しかし、こいつは得物としてはどうかと思いとどまった。

「・・・刀狩りをするしかねぇな」

 と、竜牙はニヤリと集団を見つめた

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