第百二十八天 最強天丼ッ!開かれない竜牙の心ッ!
―――ピピピピピピピピッ!
「ぐぬッ!・・・気づかれたか。さすがは大聖天」
片目をおさえたのは、コルゲンだった。
小さな闇の渦に隠れるようにして、竜牙たちの動向を一つ残らず監視していたッ!プライバシーも何もあったものじゃないッ!
だがしかしッ!眠らずに監視する側もする側でかなりヤバいッ!コルゲンには眠らずに働かなければならない理由があったッ!
「フクク・・・だが、もう遅い。私の包囲網は完成されつつあるッ!暗黒一の知略家であるこの私が、今度こそ息の根を止めてやるぞッ!」
コルゲンは闇の中で笑っていた。
それは黒々として、小山田の頃よりもさらに強大。いや、小山田のそれをはるかに超えていたッ!
「それでは、町中にあのような監視があるというわけですか」
朝霧がびっくりして問い詰めたッ!
那紺と乗ってきた路線を戻っていた。
「言った通りだ」
「視線を感じ取れませんでした」
「どんな奴かは知らねぇが、そいつは気配を極限まで殺せるってこった」
竜牙はニヤリと笑った。
「おのれッ!ゴキブリのような奴ッ!」
「ま、てめぇらと違って、俺には見えてるがな」
「今もあるんですか?」
信の質問に、竜牙は車窓を眺めた。
「ざっと見ただけで、3つはあるな」
「ッ!?本当ですか?」
「あ?てめぇは、大聖天の言葉が信じられねぇのか?」
「え・・・あ。申し訳ありませんッ!」
信は電車の中で土下座した。乗客の暇そうなババアどもがビビっていた。
「フン・・・降りるぜ」
ちょうどドアが開いたところで、竜牙は歩き出した
「え?まだですが・・・」
「俺は昼食がまだだ」
竜牙の昼食を食べる意志は揺るがないッ!慌てて二人も降りた。
起伏にとんだ住宅地を河原へ出た。穏やかな河原で、水が透明だッ!
「聖なる気をふくんだ聖水ですね」
朝霧は感動した。この日光を浴びて、キラキラ光る水面の上流には、しげりまくった森がかすかに見える。あれが、聖域なのだッ!
上流へ向かって、竜牙たちは歩いた。さして特徴もない古い町並みだったが、車通りの多い狭い十字路を境に、その古さが増したようだった。いや、あえて古くしているというか、古き良き日本家屋が全面に出て、通りに並んでいるッ!
平日だというのに観光客でにぎわっていたッ!
「こんな駅からも遠い、住宅地の奥だって言うのに、なんですかこの人たちはッ!?」
信は驚いた。
「今日も参拝で繁盛だぜ」
「信さん知らないのですか?ここは国の中でも指折りのスポットですよ」
「・・・申し訳ありません。町から出たことがないもので」
信は頭を下げた。まるで田舎者だッ!
「目はあるんですか?」
朝霧は聞いた。
「ああ」
「こんな聖域にもッ!?なんて、大胆なッ!」
「気配が薄すぎて、聖域の守護パワーも干渉してこねぇようだ。こいつはなかなかの手練れだな」
竜牙は小道に折れて、人でごった返した店に入った。
「フン・・・おごってやるぜ。えび丼3つッ!」
「へいッ!6000円!」
「一つ2000円!?カレールーもないのに、エビ天だけで!?イセエビカレーとはわけがちがうんですよッ!?」
信は信じられないッ!山育ちの信はエビを信頼していないッ!
「食う前からごちゃごちゃ言うのは、クズだぜ?おとなしく食いやがれ」
信はえび丼を食った
「ッ!?!?!?!?これはッ!」
「どうですか?信さん」
「圧倒的なぷりぷり食感じゃないですか!しかも、エビの味も濃いッ!もう、スーパーのエビ天が食べられません」
「キマったな」
竜牙はどや顔だッ!そして、竜牙もまた、エビ天とごはんとタレだけのシンプルなどんぶりをかきこんだ。タレもごはんとエビ天のバランスも良くて、うまいッ!
三人はあっという間に胃袋に落とした。一息ついたところで、朝霧が思いつめた顔をして口にした。
「あの、竜牙・・・」
「あん?」
「世界王様からは、何かありましたか?」
「・・・五神武は俺の手にある。そういうことだ」
「そうですか」
朝霧はふくざつな顔をした。
「気に入らねぇって顔だな」
「いえッ!そういうわけではないんです。ただ、少しわからないな、と」
「あの黒王という女、大聖天様の知り合いなのですか?」
きょどってる朝霧に代わって、信がストレートだッ!
「フン・・・それを話してどうなる?」
「黒王は何者なんですか?」
「さぁな。心は化け物になっちまったようだがな。ハッハッハ!」
「竜牙、わたしたちは仲間でしょう。話してくれてもいいじゃありませんか」
「仲間?ハッ!勘違いするな。てめぇは俺にとっちゃ従順な下僕みたいなもんだぜ」
「ッ!!!」
朝霧はショックだッた!
「信、てめぇもな」
「・・・」
「・・・黒王をぶっ殺す。今の俺にあるのはそれだけだ」
竜牙はキッパリと言った。
メシマズだった
私事情により、しばらくかけないかもしれない。




