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第百二十五天 奥義伝授ッ!竜牙最後の戦いッ!

「聖天をやめたい?」

「ああ」

 目覚めた竜牙はうす笑みを浮かべて、もう決まったことのようだった。

 大聖天は、聖なる力だけじゃなるのは無理で、強靭な精神と忍耐と、揺るがない意志が必要とされる。世界王はそれを見抜いて選び、また五神武も使用者のすべてを見る。


 世界王は大して驚かなかったが、ふぅむとあごに手をあてて考えた。

「・・・なぜ?」

「あん?・・・まあ、飽きたってところだな」

「聖天をやめれば、聖天の力を奪われ堕天し、ただの人間になる。しかし、あなたが殺してきた者の恨みが消えるわけではない。あなたは脆弱な人間の肉体で、それらを相手にしなければならないのだ。眠れる夜などなく、まさに地獄の日々。それを望むのか?」

「いちいち面倒くせぇ野郎だな」

 竜牙は余裕の笑みだ。竜牙は大聖天、思慮深い聖天なのであるッ!そんなことも考えずに決めるわけがない。


「愚問か。良いだろう。堕天の望み、かなえよう。だが、その前にあなたには償いがある」

「フン・・・」

 竜牙は気に食わない顔をした

「言うまでもないことだが、魔を目の前にして、意図的に見逃したる者は大罪。まして、それが大聖天となれば、死罪に相当する」

「ハッ!まずは死ねってことかよ」

「いや、僕にはあなたを消す力は、もう残っていない。黒王を消す力もね。存在の抹消は僕にとって相反する力。寿命を消耗する」

「フン・・・つまりは、交換条件ってことかよ」

「そういうことだ」

 と、言い終えかけて、世界王は首をかしげた。

「いや・・・それは違うな。けじめだな」

「けじめ?・・・そういうことかよ。虎麗・・・いや、黒王の抹殺が最後の戦いってわけか。言われるまでもなく、そうするぜ」

 竜牙はストレートスマイルで、世界王はその顔を眺めた。無表情だが探るようだった。しかし、竜牙の微笑みはピュアだったッ!


「ふぅむ・・・。だがしかし、黒王の力は大きくなりすぎた。今のあなたの力でも倒せないだろう」

「ハッ!倒せない相手でも向かっていく。それが聖天なんだろう?矛盾してるぜ」

「もちろん、あなたにはやってもらう。ただ僕の作戦でね」

「あぁッ!?」

 これは竜牙も想定外だった

「あなたには、今から五神武の奥義を二つ覚えてもらう」

「奥義?」

「五神武の力を最大限に引き出した、五神武を持つ者だけが使える最大最強の奥義だ。使い方を誤れば、世界が崩壊する」

「ッ!?」

「それから、次に作戦だ。まあ、どちらも一瞬だ」

 ほほえんで、世界王は竜牙に近づいた。そして、世界王は両手でそれぞれの眉間に人差し指を当てた。

 恐ろしい情報量が、竜牙の頭へと流れ込んでいった。世界王は記憶だけでなく、感覚やイメージまでも創造することができるのだッ!さすがは創生の神ッ!


「ハッ!むちゃくちゃだぜ」

 竜牙は作戦を渡されて、ひきつった笑いだ

「あなたの実力ではそうするしかない」

「フン・・・ようはぶちのめしゃいいんだろ?」

「そうだ」


 世界王は歩き出すと、壁際に手をついた。

「どこがいい?」

「イセエビがうめぇあの町だ」

「・・・仲間に会いに行くのか?」

「仲間?戦士はいつだって孤独だぜ?武器が入り用なだけだ」

 あの聖なる町は、刀鍛冶のいる町でもあったッ!

「・・・まあ、あのザコ共も露払いくらいにはなるぜ。ハッハッハ!」

「そうか」


 世界王は金のふすまを生み出した。

 竜牙が明けると、そこは灰色のレンガじきの聖なる商店街だッ!この万能ふすま、やっぱり神がかっているッ!

「じゃあな」

「ああ、最後に一つ」

「あ?」

「そのコート、かっこいいね。どこのものだ?」

 明江のアルマーニだッ!世界王のお気に召したッ!

「知るか。貰い物だしな」

「僕の服装はイケてるかい?」

「そういうことは、明江に聞くんだったな」

「そうか。失敗したな」

「じゃあな」

 竜牙はさっと町へでた。

 ふすまは閉まり、ただの景色に戻った。


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