第百八天 壮絶激闘ッ!朝霧の執念ッ!
ガスボンベが炸裂ッ!爆撃の波が荒れ狂ったッ!
「やったかッ!?」
「やってないッ!」
「ッ!?」
信は驚いて反射的に見上げたッ!奴は生きてやがったッ!しかも無傷だッ!あの一瞬でガスボンベから針を引き抜き、上空へ飛んだというのだから、とんでもないッ!
「あいつ、一秒で100メートルは動いてますよッ!」
「こいつ、リニアかッ!」
信は追いつめられていたッ!速い上に空を飛びまわってやがるッ!手におえる相手ではない。自分に羽が生える奇跡でも願うしかなかったッ!
そんな人間の、空も飛べないちっぽけな人間が、そんな奴に取れる手段は、もう完全に動きを止めるしかないッ!
止める方法なら、すぐに思いついたッ!奴は蚊だッ!・・・まさかッ!!!
「朝霧様ッ!わたしがやってみますッ!」
「ッ!?わかりましたッ!」
朝霧はおどろいたが、こくりと了承ッ!やってみやがれッ!
信は立て続けに桜一葉をマシンガンだッ!
桜芽・桜一葉は己のイメージで打ち抜く、必中の狙射ッ!放てば、魔の体に必ず突き刺さるッ!だが、蚊の動きの常識をくつがえした速さに、何体にもブレてみえたッ!もうなにがなんだかどれがどれだか、わからないッ!
信にイラついて、蚊が向かってきたッ!
それでも、信は連射ッ!
「馬鹿なッ!死ぬ気かッ!!!」
朝霧はびびった。あんなにぐるんぐるんと動き回られては、近づけば近づくほど、射角が大きくなって狙いづらくなってくるッ!すなわち、不利ッ!遠くから当たってないんじゃ、このままだと信の死は確定・・・。まさかッ!
―――あえて、その身に針を受けるつもりなのかッ!!!!!!
「信さん、いけませんッ!」
信はフッと涼しいスマイルッ!あっという間に回り込んで、蚊がやってくるッ!
針が信の首筋に突き刺さったぁッ!!!!!
「ギッ・・・ギギギギギギギ~ッ!」
蚊は喜び、血を吸おうとした。ところが、吸えなかったッ!よく見ると、小さな木の枝だッ!なにが起こったッ!!!
「そう簡単に吸わせはしませんよ」
―――桜華・現花霞ッ!白桜寺の枝に己の魂を通わせることで、花霞よりもより一層似ている身代わりを作る事ができるッ!
からのッ!
「散桜・桜吹雪ッ!」
白桜流剣術が奥義が発動ッ!!!
動きの止まった蚊の一瞬をついて、無数の聖なる花びらが包み込んだッ!それはもう、360度パノラマで、逃げ道はないッ!一対多数に使うところを一人に凝縮したものだから、もう完全にピンクだッ!粉々に跡形ものこらないだろう。
だがしかしッ!
「ギギギギッ!」
蚊は羽音をさせながら、信に飛んできたッ!無数の花びらの中を血だらけになりながらも、止まらないッ!
「なにッ!!!」
信は死を覚悟したッ!
ズブリと針が刺さってしまったッ!だが、刺されたのは朝霧だったッ!高速移動で飛び込んでかばったのだッ!
「朝霧様ッ!」
「朝霧ッ!」
朝霧はどてっぱらを刺された。そして、大量の血が一瞬にして吸い取られ、顔が蒼白になった。貧血ってレベルじゃねぇッ!
「竜・・・牙を、殺らせるわけにはいかないんです・・・よッ!」




