第百四天 まさかのカードッ!御聖院VS変態
御聖院、四突・・・シャンビリオンはすぅっとエストックをかまえて、静かだッ!
「ゲヒャアッ!血だ血だッ!血をくれぇッ!!!」
「かかってくるが良い。吾剣の実力、見せてくれよう」
「ヒャアアアアアアアアアアッ!!!!!」
変態がとびかかったッ!人間の追えるスピードじゃないッ!
あの竜牙を追い詰めた力を変態は取り戻していたッ!まさに、完・全・体ッ!
だがしかしッ!
そんな兆速でせまった変態の槍をシャンビリオンは華麗にガードッ!しかもなんとッ!手にもったメダルのような小さな的でだッ!
変態は、それでも何度も何度も百裂突きだッ!
だがしかしッ!シャンビリオンはその小さなメダルですべて受け止めてしまう。
「無駄だ。貴様の攻撃は我輩には一切通用しないぞ」
シャンビリオンはよゆうのれいせいだッ!
イライラした変態は、全身を使って、ひねりこんだ強力な突きだッ!戦車の装甲すらぶちぬきそうッ!だがしかし、それすらもガードしたッ!
「我輩の持っているポイントガードは、御聖院特製のオリハルコンでできている。そんななまくらではぶちぬけん・・・。そして、我輩はそこで突くッ!」
出たッ!エストックのれいせいな一撃ッ!それは変態の警戒のすべてをすり抜けた、完璧なカウンターだッ!
「ぐぎぎッ!」
ぶしぃっと血が噴出したッ!
だがしかしッ!突かれ様が攻撃はもうノンストップだッ!死を恐れぬが本当の脅威ッ!
―――ひるまないだとッ!?だが、無駄なあがきよ
シャンビリオンは目を閉じたッ!それでも、変態の攻撃はあたらないッ!
変態もさすがにおかしいと気づいて、距離をとって、休んだ。
「無駄だ。何人たりとも、我輩を傷つけることはできない」
「オマエ・・・ナニヲシタッ!」
変態は信じられないようだ。だがしかし、おかしいことには気づいていたッ!
なぜならば、シャンビリオンは攻撃をよけているのではないッ!自分の攻撃がポイントガードへと吸い込まれていくのだッ!まるで、場はシャンビリオンに支配されていて、完全なるゾーン系ガードッ!
「ホゥ・・・ただのケダモノかと思っていたのだが、しゃべれるのか。だが、結果は一緒だ。我輩のパーフェクトマイティーシールドの前ではな」
シャンビリオンはポイントガードを前につきだした。うっすらと赤いオーラを帯びたそれは、すべての攻撃を吸い込む魔性の盾だと言うのだッ!
「ゲヒャヒャァッ!」
変態は傍らの木を力任せにぶんなぐったッ!太さ30センチはあるそれは、怪力でバキバキと音を立てて倒壊しはじめた。その木の幹をがっしとつかむと、変態は投げやがったッ!!!
すさまじいスピードで木がとんでいくッ!
シャンビリオンはとびあがってよけたッ!
「ホゥ・・・なかなか賢いようだな。我輩のパーフェクトマイティーガードは相手の意識を支配する技。投げられた物体は意思のない無機の存在。我輩とて避けざるを得ない。だがしかし、我輩の能力の効果範囲は、半径7メートル。貴様の攻撃なぞ見てから避けられる距離よ」
変態は、そこらへんの石ころを投げつけた。それはもう、150キロくらいの剛速球なのだが、キキンとはじかれたッ!
シャンビリオンは単に能力がすごいだけではなく、身体能力も御聖院クラスだったッ!まるで弱点がないッ!
―――我輩は生まれたときから闘牛士として育てられた・・・。
だがしかし、我輩の体はひ弱で、なによりも、牛がおそろしくてたまらなかった。いつか死ぬだろうと言われていた。
それでも、生死の境を何度もさまよいながらも、我輩は闘牛をやり続けた。
殺した牛の数、3000ッ!
はじめのうちは、びくびくと遠回りに逃げて、とにかく生き延びることだけを考えていた。
だがしかし、2900匹を越えたあたりから、牛が我輩を避けるようになってきた。
何故だかはわからない。ただひとつわかっていた異変は、左手には常に赤いマントを手にしていたことだ。それは食事もトイレも風呂も手にあった。それは完璧な幻だった。
我輩は避ける必要がなくなった。観客は飽きた。
我輩は仕事がなくなり、そうして、数々の牛を弔うために諸国をさまよい、この国へたどり着いた。
この国で我輩の幻に気づいた男。それが二階堂だった。
御聖院が我輩の天命・・・そう思ったッ!
「そして、我輩は距離をつめる」
シャンビリオンは優雅に、投げられた小石をすいすいとぬって、距離をつめたッ!
そりゃ、自分の得意な間合いにもちこみたいのは当然である
「グギギィッ!」
変態は苦し紛れの突きだッ!だが、やはり攻撃はシールドに吸い込まれるッ!
カウンターで、切り込むッ!それを肉体で受けつつ、やり返そうとするが、シールドに吸い込まれる
「貴様はまるで牛のようだ。だが、それだけだったのが我輩の勝因だ。刹那を惜しめッ!シャンビリオンファイナルフィニッシュッ!」
しゅんっと、エストックが一閃したッ!
シャンビリオンは、すれちがった。
「ゲヒャアッ!」
と、変態は振り返ろうとしたが、とたんに腹から血を吹き、真っ二つ!上半身が腰から転げ落ちたッ!
数秒の間、斬られたことに気づいていなかったのだッ!
「足がなくては、向かってはこれまい」
シャンビリオンは振り返って、上半身だけにうつぶせた変態を哀れに見下ろした。
―――だがしかしッ!
「ぐわぁッ!」
シャンビリオンは突然声をあげたッ!なんとッ!変態の歯がシャンビリオンの頭にかじりついていたッ!!!
そう、こいつは魔・・・。目に見える姿が本当の姿とは限らない。きられた腹からは、わきわきと足が何本も出ていた。
変態は待っていたのだッ!死んだふりをして、シャンビリオンが能力を解き、油断するのをッ!!!
シャンビリオンはじたばたともがいたが、
「うぎゃああああああああああああああああッ!」
ぶしゃぁっと血が噴出すと動かなくなった。
「ゲヒャアアアアアッ!うめぇッ!うめぇぇぇぇぇッ!」
変態はシャンビリオンを頭から丸かじりしていったッ!!!
「ムッ!・・・邪臭ッ!?」
その歓喜にほどばしる邪臭は、遠く離れた買出し帰りの朝霧までもがかぎとれるほどだった。




