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真と嘘クラス2  作者: 七原 秋也
第1章 道原修也
9/12

終結 と 覚悟

『岐阜私立山富学園高等学校』


そう刻まれた校門の前に立った。


目の前には山富学園高校がなんの変哲もなく存在している。


「ここが・・・」


美穂が修也の隣に立って不安そうに呟いた。

修也自信も言葉にならないくらい怖い。


かつて経験したあのゲームが目の前で行われている可能性が高いから。


「今ならまだ引き返せるが、決心がついてるなら俺は止めない」


「うん。わかってる。決心はついてる」


美穂の目は本気だ。


修也は一つ息を吐くと、校舎へと足を進めた。


映画のシーンみたいに、だんだんと空に黒い雲がかかってきて、天候が怪しげになってきた。

これは警告なのだろうか。

修也と美穂に緊張がはしる。


校舎にたどり着くと、職員用昇降口から事務を通して校舎内に忍び込んだ。


不法侵入になるだろうが、今は時間をかけていられない。


修也たちは2階の1年教室にさしかかった


どうやら1学年5組あるようで、真っ直ぐな廊下の右側に手前から順々にA組、B組とならんでいる。


しかし修也は遂に恐るべく光景を目にした。


「な・・・」


横から美穂が代わって口にした。


「入口が・・・ない・・・」


B組から先は組の札があり、その下に扉がある。

しかしこのA組と思われる場所は、札もなければ扉もない。


ただ、一面壁が広がっていた。


誰が見てもここに教室があった、ということくらい感覚的にわかるはずだが、このゲームは空間を簡単に捻じ曲げてしまう。


周りの人間はA組の存在の記憶を確実に、そして完全に消されている。


ゲームに関わった人間だけが知る世界・・・。



「くそ・・・どうすりゃ・・・いいんだよ・・・・・」


目の前には一面白い壁。

何か道具で壁を破壊しても奥には何もない。


かつてあった、もしくはいまどこかに存在しているA組の教室は完全に次元を超越している。


戻すことはまず不可能だ。


タイミング良く修也の携帯の着信音が鳴った。


〈もしもし修也だな。今侵入プログラムが完成した。まだ1度も試しがないから保証がない。息子にやらせるのは胸が痛いが、やってくれないか?〉


修也の携帯をもつ手から汗が垂れる。


〈なんでもする。時間があまりないんだ。何をしたらいいか早く言ってくれ〉


〈・・・わかった。修也はただ携帯を耳に当ててればいい。それだけだ。もし美穂さんも連れて行くなら一緒に携帯を耳のそばに持っていってくれ〉


あまりに簡単で逆に不安が募ってきた。

しかし逃げるわけにはいかない。

自分がどうなろうとこのゲームを終わらせなくてはならない。


〈それと・・・・。このゲームを終わらせる事を真剣に誓って欲しい。途中で断念することは私の息子として・・・ゲーム生還者としてやめてほしい。これだけは約束してほしいんだ〉


真剣な弘人の声に、修也の声に力が入る。


〈ああ。何があっても必ず終わらせる。そしてまた皆で明るく過ごしたい。・・・やってくれ〉


決心は完全についた。


〈・・・・・わかった。全てをお前に託す。行ってこい。健闘を・・・祈っている・・・〉


最後、弘人の声が妙に寂しく聞こえたが、気にしている暇もなく、

携帯から強烈な超音波が響き渡った。


耳にしたのは修也と美穂の2人だけだった。







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