夢見る羊のお伽噺 第一話
★ 777 ★
ユニーク スリーセブン!!
何か縁起いいですよね。
この「夢見る羊のお伽噺」は、私のちょっとしたお気に入りで御座います。
この第一話でオチを察せられる方はいらっしゃるでしょうか?
そんなに捻った訳でもなく、さらっと分かっちゃうかもしれないですが、此処にそっと挑戦状を置かせてもらいますね。
フフフ( ̄ー+ ̄)
続きの第ニ話は、ニ週間後の月曜日7日0時に予約します。
パーン族の族長バパムメレは、その夜、王からの呼び出しを受けて、王城へとやって来ていた。
何でも、ロッグジェグバが勇者の剣を完成させたのだとか。
あのお茶会があったのは、約半年前のこと。
もうとっくに、あの話は流れたもんだと思っていたのに、まだ続いていたのかと知らせを受けて軽く驚いた。
正直な話、そんな馬鹿馬鹿しい事に付き合いたくなどなかったが、それでも、王からの呼び出しに応じたのは、宰相の提示したラタトスク族のジェデクの件があるからだ。
ラタトスク族は、魔力を持ったリスの一族である。
もふもふで、ふっかふかな毛並みを持った愛くるしい外見の彼らは、ペットにしたい魔族ナンバー1の人気ぶりで、いつの世も女性たちの心を鷲掴みにしてきたのである。
件のジェデクは赤リスで、その艶やかな赤茶の毛並みを自慢としている。
ラタトスク族の中でも、人一倍、自分の毛並みに気を配っているようで、その艶やかさから推察されるにかなりの触り心地の良さだろう。
……が、自慢の毛並みが乱れるからと、彼は一切誰にも触らせようとしなかった。
そのジェデクを、ひと月、好きにしていいという。
前々から憧れを抱いていたバパムメレには、これを断る理由などは微塵も無かった。
お茶会の時と同じ、魔王陛下の応接間。
そこのソファーに座り、資料を適当に流し読みしたバパムメレは、向かいの魔王に問いかけた。
「それで、このがに股男の夢に入って~、――」
「が、がに股って言うな!そ、そこは見ない振りをだなっ」
「――はい、はい。そんで、このカニ足男に勇者として魔王さまを倒すように言えばいいんでしょ~?」
「か、カニ足男……」
魔王ジョセフの勇者に対する絶対的な幻想は、バパムメレのその言葉に難なく汚された。
ショックから立ち直れないでいる魔王に代わって、セズシルバスが口を開く。
「はい。そして、その際にはこちらのロッグジェグバの剣を、聖剣と偽り渡してください」
「あぁ、これが資料にあったロドリゲス~?うわ~、普通だ~。あの人、こんなの造れたんだね~」
宰相から渡された剣をまじまじと見やる。
それには、魔区の剣独特の禍々しい装飾は、一切付いていなかった。
「ええ、それが造られるまで5ヵ月と27日を費やし、計11振りもの剣を、無駄に造る事になりましたが」
宰相セズシルバスとしては全く構わない。それらの支払いはすべて、国家予算とは別の、魔王個人の財布から支払われるのだから。
バパムメレはそこでふと、前から考えていた事を口にした。
「ねぇ、ジェデクの件なんだけど、これ終わったら明日からすぐにでも借りたいの」
「ええ、分かりました。すぐにご用意しましょう」
冷徹で、頭の切れる魔界の宰相セズシルバスは、何も聞かずに了承した。
「それじゃ、とっとと済まして来るね~」
その言葉に、今までショックで固まっていた魔王ジョセフが、慌てて復活を果たす。
「い、いいか?女神らしくだぞ!女神らしく!くれぐれも女神らしく頼む!!」
「はい、は~い」
「女神らしく」というのが、どんなものかは知らないが、魔王の相手がメンド臭くなったバパムメレは、無責任に適当な返事を返した。
柔らかな布製ソファーに背を預けて、そっと目を瞑る。
今夜の夢は、三十路を過ぎた【がに股男】に魔王退治をするよう言って、勇者にするユメ。
如何にも、メンド臭くてつまらなそうだが、バパムメレは微笑んだ。
ジェデクのもふもふフカフカな、その触り心地を夢見ながら。
あれから三日……
結構な人数の方々が、読んでくれたらしいのに、私の置いた挑戦状は未だ放置。
展開予想、するのもされるのも好きなのに!
受けてたつという、男気ある輩は居らんのかぁぁぁ!! (泣叫)
因みに、あれからストック増えまして、2.5倍に増量しました。
プラス、終了後の番外編まで3話程。
見たい方いらっしゃいますかね?勇者サイド。
此方は、R15にするか検討中。
(どの程度でアウトなのか判断難しいですよね)
5日が経過……焦れてきた。私が!
挑戦状の為に2週間って言ったのに。
誰も拾って受けてくれないから、嘘にしてもう投稿しちゃおうかと迷い中。
7日にも、続きを投稿すれば、嘘にはなりませんよね!と、唯我独尊な彼の思考で考えてみる。
う~、どうしよう。