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「❤️彼女の妹 彼女の親友 Ⅰ」黒のストッキング姿の長身美少女の彼女の妹が突然部屋に上がり込んだ夜。机の下で絡みつく白い脚、迫るゴスロリ。  作者: ⚓フランク ✥ ロイド⚓
第3章 真中真理子と曽根崎アンヌ

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第13話(1) 真理子の彼氏1

 東大本郷キャンパスの五月祭。私の同好会のコスプレ喫茶は、今年も大盛況だった。


 私は、黒いレースのドレスを翻し、トレイを抱えて客席を回っていた。霊視の血筋が、今日も騒がしい。構内のどこかで、無念の死を遂げた学生の影が、低く浮遊している。視界の端が、ダークな万華鏡のように歪む。でも、偏光フィルターのように意識を調整して、普通の笑顔を保つ。


 そんな時、カウンターの端に座った男が、妙に熱い視線を向けてきた。二十歳くらい、スーツの上にネクタイを緩めたリーマン風。いや、学生かな?


「す、すごい本格的なゴスロリですね!フリルのレイヤーが完璧で、まるでドールみたい!」


 彼は興奮気味に話しかけてきた。目は、純粋に「萌え」を湛えている。ゴスロリを「性的対象」として見る男は多いけど、この人は違う。まるで「芸術品」を鑑賞するような、子供のような輝きだった。


「ありがとうございます。お客様も、ゴシックロリータがお好きなんですね」私は、少し警戒しながら微笑んだ。

「大好きです!特にクラシカルゴシック!このレースの質感、最高じゃないですか!」


 彼は、熱く語り始めた。アニメやゲームの話、好きなブランド、フリルの歴史まで。性格は軽そうだけど、知識は本物だった。オタク特有の「マニアックさ」が、なんだか可愛かった。


 閉店後、彼はまだ残っていた。


「また来てもいいですか?……いや、大学祭は終わっちゃうか……あのぉ、連絡先、交換しませんか?ぼくは、吉澤悟。法学部の四回生です。第1類です」


 第1類は、法学総合コースね。約3割が留年する学部。頭は悪くないのね?


「私は真中真理子。駒場キャンパスの教養学部で文化人類学コースを専攻しているの。今日は、同好会のために本郷に出張ってるってわけ」

「文化人類学コース?へぇ、具体的には?」

「日本と世界の民俗学ね。院に進んで研究過程に残りたいと思っているの」霊視が民俗学に含まれるか?は疑問だけれどそれはもちろん言わない。


 東京大学教養学部教養学科の「超域文化科学分科・文化人類学コース」はフィールドワーク(現地調査)を核としている。日常的実践から現代社会の問題までを定性的に研究する学問だ。多岐にわたる研究テーマ(宗教、民俗学、メディア、都市、医療など)を扱っている。


「ゴスロリが似合う文化人類学の民俗学専攻の学生かぁ。ますます興味が出てきた。連絡先をお願いします」と深々とお辞儀をして懇願する悟。可愛いね。


 私は迷った。霊視の血筋を隠すのは、いつも孤独だった。でも、この人の軽さは、闇を少しだけ照らす光のように感じた。


「いいですよ。だけど、私、ちょっと変わってるかも……」

「変わってる方がいいですよ!普通の女の子より、変わってるゴスロリ女子の方がぼくには百倍も魅力的です!」


 軽いなあ。でも、嘘じゃないのがわかる。彼の周りには悪い霊は見えない。普通の先祖の悪意のない守護霊だけだ。


 それから、私たちは付き合い始めた。


 悟は、私のゴスロリ姿を「萌え」と言いながら、決して性的に消費しなかった。むしろ、私の暗い表情に気づくと、軽いジョークで笑わせようとした。


 ある土曜日の午後、悟から電話が来た。


「真理子、今週末空いてる?ディズニーランド行かない?チケット取れたんだよ!」


 ディズニーランド?私はそういうベタな場所に行ったことはなかった。霊視の血筋で、人の多い場所は疲れる。でも、悟の声が弾んでいて、なんだか楽しそうだった。


「ディズニーランド?……いいわよ。面白そうじゃない」


 悟の声が、電話越しに跳ね上がった。「マジで!?やったー!じゃあ、土曜日朝に待ち合わせね!」


 土曜日の朝、舞浜駅で待ち合わせた。悟は、Tシャツにジーンズというカジュアルな格好で、手にミッキーの耳がついたカチューシャを持っていた。


「真理子、これ似合うよ! ゴスロリにミッキー耳、最高の組み合わせだろ?」


 私は、黒いワンピースにレースのジャケットという、普段より少し軽めのゴスロリ姿だった。悟の差し出すカチューシャを、苦笑しながら受け取った。


「悟ったら……まあ、いいわ」


 パークに入ると、キャストの笑顔、音楽、匂い、すべてが「夢の国」だった。私は、初めての体験に、少し興奮した。アトラクションに乗ったり、パレードを見たり、ポップコーンを食べたり。悟は、子供のようにはしゃいで、私の手を引いて走り回った。


 ビッグサンダー・マウンテンで叫んだり、スプラッシュ・マウンテンでびしょ濡れになったり。霊視のフィルターを強めにかけていたので、浮遊する霊はほとんど見えなかった。普通の、楽しいデートだった。


 夕方、ホーンテッドマンションの前で休憩していた時、悟がニヤニヤしながら言った。


「真理子、ディズニーランドの都市伝説、知ってる?怖い話好きだろ?」


 私は、興味を引かれた。「知らないわ。教えて」


 悟は、得意げに話し始めた。「まず、『夜のシンデレラ城前でキスすると呪われる』ってやつ。夜8時以降、シンデレラ城の前でカップルがキスすると、別れるか、呪われて不幸になるっていうジンクス。キャストも『絶対やめろ』って言うらしいよ。実際、別れたカップルがいっぱいいて、呪いの証拠だってさ」

「ふふ、面白そうね」


「次は、『ホーンテッドマンションに本物の幽霊が出る』。アトラクションの中に、赤い服の女性の霊や、書斎に現れる男の子の霊がいるんだって。営業時間後しか出ないけど、キャストの目撃談がいっぱい。乗ってるゲストの写真に、映り込んでるのもあるらしい」

「本物の幽霊ね……」


「それから、『ゲストの遺灰がパーク内に撒かれている』。亡くなった人の遺灰を、家族がこっそり撒くんだって。特にホーンテッドマンションやカリブの海賊に多い。キャストの隠語で『白い粉警報』って言うらしい。白い粉が見つかったら、即清掃」

「遺灰……無念の死ね」


「あと、『地下の巨大カジノ』。VIP会員制のクラブ33の下に、富裕層向けの隠しカジノがあるって噂。ギャンブルやってるセレブがいるんだって」

「クラブ33は実在するけど、カジノは……」


「最後、『トイレに鏡がない』。一部のトイレに鏡がないのは、夢の国で現実の自分を見せないためだって説。鏡見て『あ、現実に戻った』って思わせないように、って」


 悟は、目を輝かせて話した。オタクらしいマニアックさで、どれも詳細に語ってくれた。私は、笑いながら聞いた。都市伝説は、民俗学の視点からも面白い。


 夜のパレードが終わった後、シンデレラ城の前で二人で立っていた。ライトアップされた城が美しかった。

「あらあら、ちょうど『夜のシンデレラ城前でキスすると呪われる』って場所と時間に私たちいるじゃない?ねえ、悟と私が、呪われるのか?別れるのか?試してみない?」


「え? それって、真理子とキスできるってこと?」悟の目が、丸くなった。悟は、一瞬固まって、顔を赤らめた。でも、すぐに有頂天になった。軽い性格が、顔に出ている。「マジで!?やったー!呪われてもいいよ、キスできるなら!」


 私は、くすりと笑って、悟のネクタイを軽く引いた。悟は、慌てて身を寄せてきた。


 シンデレラ城の前で、夜8時を過ぎた頃。私たちは、キスした。

【注意・免責事項】

※本作に登場するすべてのキャラクターは18歳以上です。

※制服・学生風衣装・部活動ユニフォーム等の描写は、すべて演出上のコスプレ要素であり、現実の未成年を描写したものではありません。

※本作に登場する事件・設定・団体等はすべてフィクションであり、実在のものとは一切関係ありません。

※第4章以降では、過去の出来事や医療・倫理に関する重いテーマが語られますが、描写は簡潔に留めています。

※性的・暴力的要素を一部含みますが、過度に詳細な描写は行っていません。

※本作は特定の思想・行為を推奨するものではありません。

※苦手な方は該当章の閲覧をお控えください。

※飲酒・喫煙の描写が含まれます。

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