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第6話 体育会系 vs 文化系サークル

《《凜花の独り言》》


……はぁ。遥に話してしまった。


「今が良ければいいじゃん!」って笑ったけど、本当は胸がざわついてる。


 私が悠真に言った言葉、思い出しちゃった。


「でもさ、美咲姉ちゃんとしちゃったでしょ?これから凜花とするでしょ?で、彩花姉ちゃんと悠真がもしも結婚したら……結婚式で、美咲姉ちゃんと私はどういう顔をするんでしょう?お互い顔を見合わせて、二カッとほくそ笑むのかしら」


 あの時はただの冗談だった。でも今、遥に言われて本気で考えちゃう。


 私にとって悠真は、ただの受験勉強のストレス発散セフレ?一過性の関係?


 でも、悠真の教え方はほんとにすごい。三姉妹NTR関係なんてどうでもよくなるくらい、物理と数学が頭に入ってくる。


 悠真は優しいし、脚を「最高にエロい」って褒めてくれるし、あの時間も上手すぎて……もう離れられない。私、悠真のこと、好きになっちゃってるのかな?


 明日、月曜日はゴスロリを着て、悠真の部屋に行こう。挑発してやる。


 今はそれでいいよね?


 ……うん、今はそれでいい。


《《陸上部のユニフォーム》》


 遥はベッドの端に腰を下ろしたまま、黒いティアードスカートの裾を指先で軽く摘まんでいた。部屋の間接照明が、ゴスロリのレースやフリルを柔らかく照らし、二人の影を長く伸ばしている。


 黒ニーハイに包まれた凜花の長い脚が、遥のすぐ隣でわずかに揺れていた。甘いシャンプーの香りと、さっきまで交わした熱の残り香が、まだ部屋の空気に溶け込んでいる。


 遥はメガネのブリッジを軽く押し上げ、いつもの冷静な調子で切り出した。


「ねえ、凜花……ちょっと聞きたいんだけど。陸上部のユニフォームってさ、際どいスポブラみたいなトップと、めっちゃ食い込む短いパンツでしょう?あのパンツの下に、下着はいてるの?」


「え?ああ、レーシングショーツのこと?うん、基本は薄いTバックかシームレスインナーだよ。ノーパンに近い人もいるけど、私はTバック派。食い込み直しやすくて楽だし」

「レーシングショーツ?シームレスインナー?」

「レーシングショーツは、軽くてストレッチ度の高い素材で、本格的なマラソンや日常のランニング向けパンツのこと。シームレスインナーは、縫い目や継ぎ目がなくて、生地の端がカットオフになった、アウターにラインが出ない下着のこと。基本的には同じ物だね」


「ふ~ん。でも、ノーパンの子もいるの?マジで?男子の視線集めまくりじゃない?あんな食い込みパンツで走ったら、絶対お尻のラインとか全部見えちゃうでしょ?恥ずかしくないの?」

「最初は超恥ずかしかったよ~!高校1年の頃、初めて大会で着たとき、ゴール後に食い込み直すのすら手が震えたもん。

でも練習で毎日履いてるうちに慣れちゃうんだよね。走ってる最中は『今、何秒で何メートル』ってことしか頭にないし。男子の視線?あー、確かにスタンドからスマホ向けられてるのはわかるけど……『今は走ることに集中!』って自分に言い聞かせてる」


「……じゃあさ、生理の時はどうするの?あの短いパンツで……漏れたりしない?」

「生理の時は……タンポン使うよ。大会とか大事な練習の日は特に。ナプキンだけだとズレるし、ラインが浮いちゃうから。

タンポンならほとんど漏れないし、走ってる間は気にならないんだ。最初は入れ方が下手で苦労したけど、今は慣れた。

痛い日は痛み止め飲んで、量が多い日はタンポン+薄いスポーツナプキンを併用してる。サニタリーショーツを下に履く子もいるよ」


「タンポンを使うんだぁ……あのさ、処女の子だっているじゃん?タンポンって、処女膜を破らないの?」

「遥、心配しすぎ!処女膜って、膜じゃなくて膣口の周りの粘膜のヒダなんだよ。中央に直径2cmくらいの穴が開いてるから、直径1cmくらいのタンポンが入っても破れたりしないの」

「膜って言うから、」


「医学的に、タンポンで処女膜が破れることはほとんどないよ。最初に使うときは少し痛い子もいるけど、それはタンポンが正しく入ってないか、膣が乾いてるから。生理中は経血で潤ってるから、意外とスムーズに入るんだ。私も最初は『痛っ!』って思ったけど、慣れたら全然平気。処女膜は走ったり、乗馬したり、自転車で転んだりでも伸びたり破れたりするし、タンポンで『処女じゃなくなる』なんてことないよ」


「さすが、陸上部……保健体育の授業みたいな説明……破れないんだね?なるほど……」

「あ!遥、処女だったね!」

「悪かったわね!処女よ!男子に対しては!女子は……今、凜花としたじゃない?だから、私は処女じゃない!」


「……ふーん。それにさ、最近フェミの人たちがネットで『女子だけ露出多すぎ!性的対象化だ!』って結構言ってるじゃん?

凜花はどう思うの?」

「うん、Twitterとかで見るよ。『選手の意思を無視して男のエロ目線でデザインされてる』みたいな。正直、わかる部分もあるよ。でもさ、私たちは自分で選んでるんだよ?セパレートが一番動きやすいし、空気抵抗も少ないってデータもあるし。

スパッツに変える子もいるけど、私は今のショーツの方がタイム出やすいから着てる。フェミの人たちが『変えろ』って言うなら、まず大会で『好きなユニフォーム選べるルール』をもっと広げてほしいなー」


 彼女は小さくため息をつき、隣の凜花の黒ニーハイに視線を落とした。


「でも、男子の視線とか盗撮とか……本当に平気?私だったら絶対無理だと思う」

「平気じゃない日もあるよ。ゴール後に食い込み直してるときとか、スマホ向けられてるの気づくとムカつくし。でもね、遥。私は陸上で勝ちたいんだ。0.1秒のために毎日練習してる。その0.1秒のために、ちょっと恥ずかしいユニフォームを着るくらい……全然我慢できるよ。それにさ、凜花は脚長くてスタイルいいって悠真にも褒められてるし……」

「……はぁ。凜花って、本当に天然で強いよね。私だったら絶対辞めてるわ」

「えへへ。遥は頭いいから、もっと賢い選択するんだろうね。でも私はこれでいいんだ。……」凜花はえへへと笑い、遥の肩に頰を擦りつけた。

「もう……バカ」


 二人は同時に笑い合い、黒ニーハイの脚を軽くぶつけ合った。ゴスロリのレースが擦れる音が、部屋に優しく響いた。


「それからさ、凜花先生、もう一つ質問」

「先生?」

「だって、保健体育と生物学の先生みたいじゃん?上の台詞を見てみなよ。この話題だと、凜花は専門用語を使って饒舌になってるもん」

「……あ!ホントだ!それで、質問って?」

「私は文化系の美術部でしょ?だから、文化系サークルはわかるんだけど、凜花みたいな体育会系って、わからんのよ。凜花はよく『陸上部の選手は、悶々としていると言ってる。遥みたいな文化系サークルに比べて、体育会系の女子選手は、性欲旺盛、欲求不満なの!』って言ってるじゃん?」

「そうよ。事実です」


「なにが違うの?セーヨクとかヨッキュウフマンとか、人それぞれじゃん?文化系、体育会系で違いはないんじゃないの?」

「そりゃあ、個人差はあるわよね。サークルに所属する前の個人差と、サークルの活動とその雰囲気の飲まれた差の相乗効果なんじゃないの?」

「『個人差と、サークルの活動とその雰囲気の飲まれた差』??」


「個人個人で、遥の言う『セーヨクとかヨッキュウフマン』の差はあるけどさ、文化系に比べて、体育会系は、テストステロン値が高いのよ」

「……ああ、性欲に関連するホルモンのこと?」

「そうそう。その値が高いと、性欲が強い傾向が顕著になります」

「ホルモンの値が文化系は少ないってこと?」

「活動量に差があるということね。美術部で汗をかく?」

「石膏像を移動する時以外は汗はかかないわ」

「私は毎日大汗をかいて、トレーニングしてる。科学的に根拠がある。運動でテストステロン分泌が上昇する。その結果、性欲は高まるの。文化系はストレス、つまり与えられる負荷が精神的なもので、ホルモンの分泌は少ないのよ」

「なるほど」


「ここまでが、サークルの活動で出る差。次に、サークルの雰囲気の飲まれた差が多分にある」

「サークルの雰囲気?」

「遥、美術部で先輩・後輩とどんな話をするの?」

「有名な画家の生涯とか、美術史とか。美術館の話。それから、ホルベインの絵の具よりもクサカベや松田油絵具の方がキャンバスののりが良いとかさ……」

「ね?画材の話以外は、セーシン的、抽象的な話題を中心に普段、先輩・後輩としてるのよ」


「……あ!そうか!陸上部は全部具体的だもんね……陸上部のユニフォームのボトムの下に、レーシングショーツ、シームレスインナーをはくかはかないか、とか?」

「そう。それを先輩が後輩に教える。生理の時のタンポン使用とか。パンツが食い込んだらどうさりげなく直すのかとか。それで、『今日のトレで、スマホ撮られた!ムカつく!』とか。で、結局、『私、悶々としてきた!最近、彼氏とやってない!』『自分で慰めたら?』『どうやったらもっと良いかな?』とか言い出して、テストステロンでまくりだからさ、下ネタに最後にはなるのよ」


「それが『サークルの雰囲気』なの?」

「そぉよ!美術部みたいに高尚じゃないんだよ。テストステロンでまくりのケダモノ、やりまくりのお猿さんの女子高生集団、それが体育会系サークルなのでした」

「面白いわねえ。だから、アスリートばっかのオリンピックで大会運営が用意したコンドーさんがすぐなくなるのね!」

「お土産にしてるんで、必ずしも使うわけじゃない!という関係者もいるけど、選手村の清掃担当者に聞いてみれば良いんだよ。ベッドはドロドロ、ゴミ箱はティッシュとコンドーさんの山!」



※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。

※飲酒喫煙シーンが書かれてあります。

※性描写を含みます。

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