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「❤️彼女の妹 彼女の親友」普通版、黒のストッキング姿の長身美少女の彼女の妹が突然部屋に上がり込んだ夜。机の下で絡みつく白い脚、迫るゴスロリ。  作者: ⚓フランク ✥ ロイド⚓
第3章 真中真理子と曽根崎アンヌ

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第5話(2) 遥との三位一体解消、遥の恋

《《サークル室》》


 九月の初め、私はサークル室で真理子の隣に座っていた。


「真理子」

「なに?」

「……私、原田先生のことが、好きかもしれません」


 真理子は本のページをめくる手を止めなかった。

「かもしれない、じゃなくて?」

「……好きです」

「いつから」

「最初のメールが私宛に直接来た時ぐらいから、だと思います」


 真理子はそこで本を閉じた。私を見た。


「遥、本気なのね」

「……はい」

「凜花には言ったの?」

「まだです」

「悠真には?」

「……言えません」


 真理子は少しの間、黙っていた。

「遥、あなたが本気でも、私は何も言わない。でも、一つだけ言っておきますわ」

「はい」

「原田一真は、人間を見るのが苦手な人よ。数式は読める。データは読める。でも、人の気持ちは読めない。だから、あなたが伝えなければ、永遠に気づかないわ」


 彼女と話すと調子が狂う。でも今は、調子が狂う感じがしなかった。


《《原田の部屋》》


 九月の終わり。


 私は原田の研究室ではなく、本郷の教員宿舎にある原田の部屋のドアの前に立っていた。住所は、研究室の院生が教えてくれた。「先生に急ぎの書類を届けてほしいと頼のまれた」と嘘をついた。


 夜の九時。ノックした。


「誰だ」

「八重樫です」

「……何の用だ」


 ドアが開いた。原田は白いTシャツ姿で、手に論文を持っていた。


「入力バイトは今日は入っていない」

「わかっています」

「……入れ」


 ドアが、開いた。


 部屋は悠馬の部屋と似ていた。だが、殺風景だ。装飾が何も無い。壁はまっさらのまま。ミニマリストの悠馬よりも酷い。


 原田は、悠馬の部屋のようなダイニングテーブルに座って、ホチキスで止められた書類を蛍光ペンでチェックしていたようだ。論文の草稿だろう。私の入力結果も入っているんだろうか?読みたい。手には酒のグラスを持っていた。


「座れ」と自分の前の椅子を指さした。私は、コートを着たまま座った。

「コートを脱がんのか?暑いだろう?」

「いえ、このままで」

「勝手にしろ……コーラを飲むか?清涼飲料水はコーラしかない」

「先生は何をお飲みですか?」

「酒だ。見ればわかるだろう?」

「私も同じものを」


 原田は何も聞かずに、キッチンに立って、ウイスキーのロックを私の前においた。物理科では、酒と言えば、水戸泉かウイスキーロックだけなのかな?


「……あの、院生から、来週でバイトは終わりと言われまして、それでご挨拶に……」

「研究室で良かっただろうに」

「ご不在のことも多いですし、駒場に戻りますので」

「そうか」

「……あの、私は……先生のことが……好きです……」

「俺はそういう感情に興味がない……」

「わかってます。ある人に言われました。先生は『人の気持ちは読めない』って」


「真理子、だな?」

「真中先輩をご存知ですか?」

「昔、付き合った。つまらない人、と言われた。別れた」

「真理子と関係があった……」

「ああ、お互い、感情抜きで」

「私は先生に感情を持ってます。真理子と違います」

「俺は持てないんだ、誰にも。真理子は……23歳だ。100歳にも14歳にも見える。不思議な女だな」


「真理子は女です……私は……お子ちゃまです」

「八重樫は、18歳に見える18歳だ」

「9月で19歳になりました」

「俺は来月28だ。年の差は縮まらん」

「来月……お誕生日会を先生と二人でしたい……」

「一つだけ、八重樫は真理子に似ている。話の文脈がつながっていない」

「あら?」真理子に影響されたの?


「暑くないのか?」

「……暑いです」

「真理子は暑がらなかったぞ」

「何のお話ですか?」

「真理子も初夏にこの部屋にコートを着てきたことがあった。同じだ。脱げと言っても平気と言った」

「……」

「それで、その内、脱いだ……ニーハイのストッキングに黒のゴスロリだった……」


 私は立ち上がった。コートを脱いだ。「私は……白です……」

「真理子のサークルはみんな同じ行動をするのか?」

「……私と……友達だけだと思います」

「加藤恵美が言ったのか?俺を挑発してこいとでも?」

「恵美さんの指示じゃありません。私の決断です」

「何の決断なんだ?」

「先生に……私の覚悟を見てもらいたい決断です。これが私の勝負服です」

「……覚悟はわかった。帰りなさい」

「イヤです」


 原田はため息をつき、手元のグラスをテーブルに置いた。氷がカランと鳴る。

「八重樫、お前はまだ19だ。俺は来月28だ。年の差は縮まらん」

「年の差は、さっきも言われましたよ」

「真理子に言われた。『先生、あの子が先生に興味を持ち始めているとしたら、どうしますか?』と」

「それで?」

「バイトに対して何らの感情と持つのはムダだ、と答えたら、真理子がそういうことを聞いてないわ、と言うんだ」

「それで?」

「『9歳違う。でも、高校の先生と生徒じゃない。あの子は成人よ。構うことがあるのかしら?腑抜けなの?』と」

「先生、腑抜けなの?私に感情が持てない?私がお嫌いですか?」

「他の女性以上に八重樫には感情がわくようだ。変だな」

「じゃ、じゃあ、抱いて!先生、私を抱いてちょうだい!」


 私は一歩、彼に近づいた。原田は動かなかった。でも、その瞳は確かに私の「白」を、そして震える肩を捉えていた。


 彼は私を引き寄せた。悠馬の腕の中にあるような安心感は無かった。あるのは……喉を焼くような渇きだけ。


 私は目を閉じた。


 …………


 朝の光が、カーテンの隙間から差し込んでいた。


 私は原田の腕の中で、天井を見ていた。


 隣で、原田が静かに寝息を立てている。


 三位一体が、崩れた夜だった。


《《報告》》


 翌日、私は四谷の悠真の部屋に行った。悠馬と一緒に凜花もいた。


「遥、どうしたの?顔色が……」と凜花が言った。

「凜花、悠真、話があります」


 私は二人の顔を見た。

「私、好きな人ができました。原田一真准教授。先生です」


 凜花がポカンとした。

「え?……え??」


 悠真は少しの間、黙っていた。窓の外を見た。それから、静かに言った。

「……そうか」


 沈黙が落ちた。


 悠真の横顔を見た。何かをこらえているのが、わかった。こらえながら、それでも表情を動かさないようにしている。私は胸が痛かった。


「凜花、悠馬、私は、初めてを悠馬として、その後、三人で何度も抱き合ったけど、それは親友の御こぼれを安全な位置からつまみ食いしていただけ。凜花や真理子、恵美みたいな女になりきれてなかった。お子ちゃまだった……」

「遥、何の話をしてるの?バイト先の准教授としちゃったんでしょ?」

「凜花、黙って。遥の話を聞こうよ」

「……」


「私は、凜花が無意識でやっていることを意識的にやった。真理子みたいじゃなく、無様で不器用だけど、やった……男を所有したいと思った。男の女になりたいと思った」

「遥?……」


 悠真は立ち上がって、キッチンに向かった。麦茶を三つのグラスに注いで、戻ってきた。私と凜花の前に置いて、自分のグラスを持ったまま、また窓の外を見た。


「悠真……」

「……遥、ぼくも……」悠真は窓の外を見たまま言った。「……凜花がいても、遥が来てくれる日は楽しかったのに今、気づいた」凜花が小さく息を呑んだ。「遥が部屋に来るのがぼくは嬉しかった。凜花の親友だから、と自分に言い聞かせながら、遥が帰った後、少し寂しかった。それだけ」


 悠真はそこで口を閉じた。

 私は何も言えなかった。

 凜花が私の手を握った。強く。


「遥、泣いてるよ」と凜花が小さな声で言った。


 私は自分が泣いていることに、その時初めて気づいた。


「悠真、私……」

「言わなくていい」悠真がようやく窓から目を離して、私を見た。穏やかな顔だった。「遥が正直に言いに来てくれただけで、十分だ。本当に」


 凜花が私と悠真を交互に見た。

「ちょっと待って、整理させて。遥が、バイト先の?27歳の?原田准教授に抱かれて?それで、何?お子ちゃまだとか、女だとか?」

「凜花、後で、悠馬に聞いて……」


「……遥のくせに!」遥のくせに、とはどういう意味だろう。でも凜花が言うと、不思議と怒れなかった。

「凜花、遥のくせに、はひどいだろう」と悠真が苦笑した。


 部屋に、小さな笑いが起きた。


 凜花が「三位一体、終わっちゃったね……」とポツンと言った。


 やれやれ。



※この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。

※飲酒喫煙シーンが書かれてあります。

※性描写を含みます。

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