第3話(2) 真中真理子の部屋
《《小平教授と加藤助手》》
あ~あ、と言いながら白石麻衣がでていったが、すぐに女将さんと一緒にお盆を持って戻ってきた。お盆にビールとコップの山。(グラスとは言わない)おつまみの山。また、板場に戻って、ラベルに『水戸泉』と書かれた一升瓶とぐい呑みの山。なんだろう?この世界は?
「あ~、まずはビールだ!」
「ハイハイ」と女将さんが恵美さんと注いで回った。
「乾杯じゃ!」
「先生、何にですか?」
「決まっておろう!美少女、二人に!ついでに、真中真理子に!」やれやれ。
それから、まあ、飲むは食べるわ。女将さんに聞くと、『水戸泉』は、茨城県じゃなく、鳥取のお酒だそうだ。米の旨味とコクがある……と女将さん。お燗するよりも冷やが良いそうだ。
小平先生は、凜花に狙いを絞ったようで、ほぼ二人で、とうぞ!ご返杯です!ってやってます。先生、こいつを飲ますんじゃない!
「それで、遥ちゃんだっけ?先生に『先生にお願いごとがある』ってなあに?」と恵美さんが話しかけてきた。
「あのぉ、私と凜花は、将来、宇宙線研究所に所属して、ニュートリノの観測をしたいのです。それで、スーパーカミオカンデを見学したいと思いまして、その紹介をお願いしたいのです」
「なんだ、そんなこと。良いわよ、おっさんにパンツみせなくても、この恵美さんが一緒に連れてってあげる」
「え?お願いできますか?」
「別に、たいしたことじゃない。来週でも再来週でも、良いわよ。スマホとLINE、くれる?連絡するわ」え~、そんなに簡単に!
「加藤助手、ありがとうございます」
「恵美と呼んで。遥と呼ぶから」
「ハイ、遥、幸せです!」
「でも、ウチの研究所に所属するって、甘くないから、覚悟することね!」
「ハイ!」
座は、小平教授と凜花、女将さんと真理子、恵美さんと私で、水戸泉が水のように消費されていって、夜が更けていった。
《《真理子の部屋》》
飲んでるうちに中央線の中野・高円寺までの終電が過ぎたのがわかった。
ちょっと、パニック。でも、真理子が、「私の部屋においでなさいな。それで、飲み直しましょう!」と鳥取の銘酒『水戸泉』をたらふく飲んだ真理子が言った。
私と凜花は顔を見合わせたが、お邪魔することに。私たちは真理子が言う、彼女の築3年のマンションの8階にある部屋にエレベーターであがった。
部屋に入る。真理子の部屋は玄関からすぐ廊下もなく1DK?の造りだ。間仕切りもない。ドアからバルコニーの窓まで何もない。浴室とトイレ以外間仕切りなしだ。後から間仕切りも簡単に増設できるようにはなっているらしい。リビングスペースの横は寝室スペースでソファーベッドをおいてある。
キッチンと向こう側を遮るのは、アイランドタイプの流しとIHコンロが組み込まれたテーブルだけだ。家具は、ダイニングテーブルとL字一体型の大きなソファーセット、クイーンサイズのベッドに、どでかいPCモニターののったデスクが壁際に。なんだ?この部屋?
「さあ、お入りになって。どこに座るのかしら?ダイニングでいいですわね?」と真理子が聞いた。
私はポカンとして部屋を見回した。そりゃそうだよね。浴室とトイレ以外間仕切りも何もない80平米くらいの空間なのだから。普通のマンションの家族用のサイズが、間仕切りなし!
「真理子、あのぉ~、お部屋、綺麗で広いですね?それに間仕切りも何もない!どういうお部屋?」
「ここはね、パパが投資用に買ったマンションなのよ。後から間仕切りも簡単に増設できるようにはなってるわ。それで私が家賃を払うから使わせてって言って借りているの。家賃は値切ったわ。他人に使わせるよりいいでしょ?というので、綺麗に使え!と言われたから掃除は欠かさないの」
「へぇ~」
私と凜花はダイニングに座った。
真理子は腕まくりをした。ドアが四つもついた超大型冷蔵庫の冷凍庫からタッパに保存した豚汁、ご飯を出した。生姜焼きも。電子レンジで温め直して、テーブルに並べる。キュウリとナスの漬物。お客さん用の新品の箸。10分もかからない。料理が得意の凜花もポカンと見ている。
「真理子!あっという間にちゃんとした夕飯が10分くらいで、どうやったら出てくるの?」と凜花が呆れて言う。
「いつもこうよ。土曜日とか一週間分をまとめて作り置きしておいて、冷凍庫、冷蔵庫に入れておくだけ。お酒、飲む?」
「……ハイ、頂きます」まだ、飲むんかい?
真理子が出したのは、アルメニアのブランデーだった。ロックで三人のグラスにドボドボついだ。あっという間に、一本、二本。
酔うと普段はレーセー、チンチャクな真理子が色魔になった!ご勘弁してください!真理子様!
「真理子、凜花と遥のパンツが見たい!」そのジキルとハイド振りに凜花が呆気にとられた。そりゃ、そうだ!
私も酔っ払った。眠くないけど、ダイニングからフラフラして、ベッドに行って、寝た振りをして転がった。君子危うきに近寄らず!でも、二人の会話は聞こえる。
「凜花、遥は寝ちゃいましたわよ。凜花、ツレないじゃない?遥ちゃんから聞いたわよ?凜花は、乱れるとすごいって。私、女子校で、修学旅行の時にそういう経験があったけど、でも、ノーマルなつもり。男の方が好きだもの。でも、遥の話で、ちょっとね、女子にも興味もっちゃっいました」
「いや、真理子、私たちも女子校……でも、私たちは極めてノーマル……あなたと同じ!男がいいの……でも、でも、私にとって、、遥は特別です」
「ああ、凜花はしたのね?遥と」
「まあ、いろいろと……」
「羨ましいわ。いいなぁ。あなたがサークル室に入ってきて、ああ、ステキと思ったのよ、私」それはシラフの時でしょ?ウソでしょ?自分はノーマルとか言っておいて、あなた、レズの素質あるじゃん!
「どう?私、魅力ないの?」ええ、ええ、魅力的よ。謎よ!不思議ちゃんよ!
「……私たちも寝ましょうか?……でも、ねぇ、真理子、私としたいの?」凜花、反撃よ!反撃しなさい!
「え?……そうねえ……凜花、私としたい?」まぜっかえすな!
「いいわよ」凜花!負けるな!「真理子、目をつぶりなさい!」凜花が私によく使う手だわ。
「あ?ええ……」真理子は酔うときっとMだ!キスしてる音が聞こえる……み、見たい!舌を絡ませる音が聞こえる。
「さあ、真理子、お望み通り、ベッドに行こう!」あ!こっちに来た!
薄目を開けてみると、ベッドすぐ横に凜花が彼女を横たえる。真理子、鼻息荒いわね。
凜花が真理子にまたがった。彼女のブラをずりあげて、乳房をむき出しにする。おっ、乳首、綺麗!
凜花が真理子の胸をつかんだ。ピンクの乳首をひねり上げてる。真理子が体をくねらせる。凜花が背後に手を回して、彼女の股間をすりあげてる。これ、凜花に私がやられたこと。真理子は腰を突き上げてる。
急に私に背を向けてた真理子が、「あなたも仲間に入ればいいのにぃ~」と甘え声で言って私に抱きついてきた。
おい!昼間のレーセー、チンチャクな真中真理子はどこに行ったんだ!
…………
目が覚めた。何時?腕時計を見る。5時半ね。隣を見ると、二人ともだらしなく股を開いて素っ裸で寝てる。彼女たち、何時までやってたのかしら?二人に毛布をかぶせてあげる。
真理子のほっぺたをそっと叩いた。「真理子、キッチンとシャワー、借りるわよ。朝食つくるからね」って言ったら、むにゃむにゃ言って手をはらいのけられる。はいはい。
冷蔵庫を見たら、野菜、ひき肉とかあった。トマト缶もあった。ミネストローネスープを作る。コーヒーメーカーをセットして、コーヒーを淹れる。
シャワーした。私は二日酔いで頭がガンガン痛い。体を洗った。
お風呂場から出ると、真理子が起きたのか、凜花に吸い付いてる。あなたは蛭なの?朝から元気ね。ベッドの方に行って、凜花にまたがってる真理子の背を叩いた。
「こら!真理子!いい加減にしなさい!凜花、ヘロヘロになってるじゃない!」
「……あら、ダメだったぁ~?」
「まったく、何時までしてたんですか?」
「二時半くらいかなぁ……」
「あなた、同性愛じゃないって言ってたでしょう?」
「凜花は魅力的ですもの。遥と一緒」
「いいから、起きて、シャワーを浴びたらどうですか?今日も授業がいっぱいあるんだから」
「了解」
凜花は朝からとろんとしてる。きっと、私が寝た後、形勢逆転で、凜花は真理子に攻められたんだろう。やれやれ。
「凜花、朝飯できたわよ。あなた、真理子にやられたわね?」
「あ~、よく覚えてない……」
「何を言ってるのかしら。今も真理子に吸い付かれて、アアン、アアンって言ってたくせに」
「え?そうなの?……そうね……」
「そうよ。凜花、授業よ!」
「……あ!ドイツ語!」
「まだ、六時前だから大丈夫。シャワーを浴びなさい。スープ、作ったから、後はトーストをつくるだけ。目玉焼き、食べる?」
「うん、お腹、すいた」
「はいはい、準備しておくから。真理子、シャワー浴びてるけど、乱入しちゃダメ!もうアアンは止めなさい」
「……気持ちよかった……遥、今度はシラフで真理子と三人でしようか!」
「……」
あ~、また別の関係ができたよ。やれやれ。
【注意・免責事項】
※本作に登場するすべてのキャラクターは18歳以上です。
※制服・学生風衣装・部活動ユニフォーム等の描写は、すべて演出上のコスプレ要素であり、現実の未成年を描写したものではありません。
※本作に登場する事件・設定・団体等はすべてフィクションであり、実在のものとは一切関係ありません。
※第4章以降では、過去の出来事や医療・倫理に関する重いテーマが語られますが、描写は簡潔に留めています。
※性的・暴力的要素を一部含みますが、過度に詳細な描写は行っていません。
※本作は特定の思想・行為を推奨するものではありません。
※苦手な方は該当章の閲覧をお控えください。
※飲酒・喫煙の描写が含まれます。




