41話
うるさく鳴るアラームの音。私は思い切り顔をしかめながら目を覚ました。
「うぅ、学校行きたくない」
目覚ましてすぐ学校に行かなきゃいけないという現実に気分が沈んだ。けれど、欠席するわけにもいかないので、無理矢理体を動かしてベッドから降り、洗面所へ向かった。
歯磨きをしている途中、昨日のことが思い浮かんだ。
『俺が春咲さんの味方になってやる。だから、俺と付き合おう』
『俺、春咲さんの彼氏だが?』
昨日のことを思うと顔が熱くなった。私は冷たい水で顔を冷やしながら、小さつ独り言をつぶやいた。
「でも、もう一人じゃないんだから」
誰かが味方になってくれる。それだけで、とてつもない力になった。
学校へ行くのがすごく怖くて嫌だったのに、側に高橋がいるだけで、すごく勇気が湧いてきた。
私は部屋に戻って制服に着替えた。そして鞄を持ってそのまま部屋を出て玄関に向かった。
玄関で靴を履いていると、後ろから母さんに声をかけられた。
「え、もう行くの?」
「今出ないと遅刻しちゃうよ」
普段は学校行きたくなくてできるだけ遅く家を出た。けど、今日は学校行くのが全然怖くなかった。
「ゆーちゃん今日なんあkニコニコしてるわね。何かいいことでもあったの?」
いいこと、そんなに顔に出てたかな。
私はにっこりと笑って答えた。
「うん、あった。それもすごくいいことが」
「それは良かったわね」
母さんは微笑みながら言った。
靴を履き終えた私は立ち上がった。
「行ってきます」
「いってらっしゃい」
私は玄関を出た。いつも通る通学路を歩きながら学校へ向かった。
気分がいいからなのか、今日に限って通学路が明るくて、色に満ちているように見えた。それを見ていると、思わず鼻歌が出た。
こんなに楽しい気持ちで登校するのは、ほぼ一年ぶりだった。
しばらくして学校に着き、上履きを履き替えて廊下を歩いた。私を見る視線は相変わらず冷たくて鋭かったけれど、不思議と全く気にならなかった。昨日まではすごく怖くて息が詰まりそうなくらい私を苦しめていた視線だったのに、今はどうでもいいと思えた。
これも全部高橋のおかげなのかな。
そんなこと考えながら階段を上がり、三年生の教室がある廊下を歩いた。クラスへ歩いていった、その時だった。
「あれ? なんであんなに人が混んでるんだ」
なぜかうちのクラスの前に人だかりができていた。
一体何事だろう。
少し好奇心が湧いて、近づいてみた。中央の二人を囲むように人が立っていた。よく見えなくて、私はつま先立ちをした。すると、やっと真ん中にいる人が見えた。
「誰が喧嘩でも…え?! 高橋?」
中心には高橋がいた。そして高橋の前には
「石川?!」
石川が腕を組んだまま、高橋を向かい合って立っていた。
二章春(下)です。毎日投稿できるように頑張ります。これからの展開も楽しみにしてください。
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