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妖狩縁起  作者: アルティメット久住/猫閻魔
2/5

2.休み時間/

 お昼休み。

 現在僕たちは、とある場所にいた。

 ここはもはや秘密基地的な? 冒険の始まり的な?

 そんな場所。そう、図書館である。

 だいたい僕たちが集まって、作戦会議をするってなったらここだ。

 まず情報が漏洩しにくいのと、ついでで本を借りれば多読賞にもノミネートされやすい、

 今からすることはから、どーやって禁則地に入るかルートの確認をするらしいよ。

 ポット出で集めた五人のメンバーで。

 イカしたメンバーを紹介しよう。

 左からオノックス、僕、けんてぃー。ここはいつも通り。

 今回新たに加わったのが、伊藤と田中だ。

 そして、僕以外みんな肌が黒い。これは田舎っ子だから仕方ないよね。

 伊藤はいつも寝ぐせが立ってて、ウニみたいな髪してる。

 田中は小柄で、僕みたく前髪が目にかかってるのが特徴だ。

「いいか、お前ら? この地図をよーく見てくれ」

 オノックスが全員の見える位置に、本を差し出した。

 図書館の奥、角のまん丸い席。

 そこで一冊の本を囲むようにして、僕たちは座っていた。

「ルートはこうだ。まずはいつも通り裏山に続く坂道をふつーに登る。そんでそのままガッと上がってって、ここ!」

 オノックスが指をさした。

 え? どこ?

 むむむ。

 顔を前へ出して覗いてみるが、指のある場所にはな~んにもなかった。もわもわした広葉樹林の記号があるだけだ。

「おいおいオノックス。どこだあそこはよ、道から堂々と外れてんじゃねーか」

 僕の言いたかったことを伊藤が代弁してくれた。

「ふっ……よくぞ聞いてくれた」

 しかしオノックスは、余裕そうに笑みを浮かべる。

「実はな……ここには、地図には描かれてないが、どうやら小さな抜け道があるらしいぜ? 禁則地へと続く、裏ルート的な……」

 抜け道? 裏ルート?

「またまたあ……前に通った時は、そこは確かただの茂みだったぜ? それも結構生い茂ってる」

 けんてぃーが問いただす。

「いや、そうなんだよ。ここは広葉樹と背の高い草が生い茂ってる場所だ、それも綺麗に道の両端に……」

 なんだ。認めてるんじゃないか。

「が、おかしいと思わないか? あっこは登山道だ。少なからず観光客も訪れる。であれば当然、少しでも見栄えをよくするために茂みを取り払った方がよくないか? そうすれば森の景色を見渡せて、より観光を楽しめるはずだろ?」

 一同は沈黙して考える。

 まぁ確かにね。特に坂道の最初の方は手入れもしっかりされている訳だし、あそこら辺だけ草が生い茂ってるのはやっぱ不自然かも。

 つまり……

「つまり……隠してる。そう言いたいのかオノックス」

 今度は田中が代弁してくれた。

「ああ、あからさまに隠してやがる。だから、俺たちで確かめに行こう」

「おい待てよ、まさかそんな道通ろうってんじゃないよな……?」

 けんてぃーが嫌そうに言った。

「何言ってのけんてぃー、話聞いてたよね?」

 僕が言うと、いや聞いてたけど……とけんてぃー。

「クマとか出たらどうすんだよお」

「そん時ゃそん時だ! みんなでやっつけれゃいい」

 オノックスがまとめる。

 僕もそれには賛成だ。五人もいれば、クマくらい勝てるだろう。

 僕は本気でそう思っていた。

「楽しみになって来たね、」

「だね、僕は賛成だよ」

 伊藤、僕の順で言った。

「まあなんかあればすぐ逃げれゃいい。逆に、ここ以外は警備が厳重化されてて禁則地までたどり着くには目立っちまうだろうからな」

「まぁな、ただでさえ悪い噂ばっかで警察がいるかもしんねぇし、中学生五人で歩いてたら尚更通報されかねないしな」

 田中が言った。

 どうやら決まりみたいだ。けんてぃーも押せばどうせついて来るから。

「じゃあ決まりだな」

 オノックスが締める。

「だね」

「ああ」

「わっくわくしてきたぜ」

「……はぁ、でも確かに」

 みんなでニシニシと笑う。

 そのあと、作戦決行は今日の放課後。

 三時半に、全員駄菓子屋の前に集合ということになった。

 各々が準備を万端にして、裏山の謎に挑む。

 題して、『~裏山の禁則地の謎を、俺たちで明かしてやろうぜ冒険隊~』が結成された。

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