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妖狩縁起  作者: アルティメット久住/猫閻魔
1/2

1.日常/とっておきのはなし♪

新年あけましておめでとうございます!

今年も猫のように自由気ままにぐぅたらしながらも、閻魔さまのようにやる時はきちんとやってまいります!どうぞよろしくあれ(´▽`*)

 僕の名前は橘麗奈(たちばなれな)。中学二年生だから14歳だ。

 わけあって僕は、幽霊が見える。

 そうそう幽霊、ゴーストだ。

 今だってほら。

 あのコロッケ屋さんのハゲのおじさんの頭の上に、いるでしょ?

 ちっこいやつ。

 あ、ちなみにあのおじさん、今はコック帽被っててわかりづらいかもだけど、実は本当はハゲてるんだ。

 まぁともかく、あのちっこくてまん丸くてカラッとしてて、おいしそうなこげ茶の衣をした幽霊。

 あれはきっと、コロッケの幽霊だ。

 この商店街にはいろんな幽霊がいるけど、前まではあのおじさんの肩に串カツの幽霊がとり憑いていたから、また変わったみたいだね。

 いいじゃん。お似合いそうで。

 でも残念ながら、僕は幽霊を祓ったりはしてあげれないんだ。

 ただ見えるってだけ。

 何回か触ってみようとしたことはあったんだけど、だいたい逃げられちゃうか、透けて触れないかの二択なんだよね。

 あ、今度は本屋の定員さんにもでっかいのが憑いてるね。

 あ、あっちのガシャガシャ屋さんの女の定員さんにも、ガイコツみたいな幽霊が憑いているよ。

(なーんでこう……見えるようになっちゃったんだかな)


「みゃー」


 あ、ネコ助。

 なんでこんなとこいるの?

 いつも時たま見かけるんだよね。

 僕が学校から帰る時、散歩してる時、買い物してる時、はたまた授業中や家にいる時なんかもずっとついて来るんだ。

 でもネコ助は幽霊じゃないよ。

 ちゃーんとした猫、キャットだから。

「どーしたの」

「みゃあ」

 あらそうなの。

 なーんもわからん。

 でもいつも、こうやってちょっとナデナデしてあとはスルーするんだ。

 ウチ猫NGだからね。

 飼いたいって言った時もあったけど、お母さんに案の定怒られたよ。

 誰が世話するんだって。

 別にいいじゃんちょっとくらい。

 あ、ちなみに、クリスマスプレゼントでネコ助が欲しいです。って書いたら、気持ちの悪いムッキムキの猫助って名前で活動しているボディービルダーのシールが枕元に置いてあったんだ。

 あれ以降、僕はクリスマスに猫を頼むのはやめたよ。

「こーんなに可愛いのに、ねー」

「みゃぁー」

「うぅん、いい子イイ子!」

 あ、そうだった、野菜買わないとなんだった。

 おつかいをバックレるわけにはいかないからね。

「じゃネコ助、また今度! 僕おつかいあるからー」

 手を振って、商店街の奥の野菜屋さんに走って行った。


「――。」

 ん?

 お。

 幽霊?

 振り返ると、ネコ助が毛づくろいをしていた。

 気のせいか。

「あ、てかほんとに早くしないと特売終わっちゃうよ! 今日四時までなんだから!」

 再び前を向いて、目的地へ急いだ。

 ネコ助は、今日も気ままに麗奈を観察していた。


*******************************:


 次の日。

「おはよー!」

「おはよーございまーす」

「はよー」

 僕はいつも通り学校に登校して、今は教室にいた。

 2-F組。

 そのさらに窓際のー、いちばん後ろから一個前。

 ここが僕の定位置である。

 朝は特にやることもないので、僕は机に突っ伏していることが多い。

 昨日徹夜したから、少しでも寝ておきたいんだ。

 新作のゲームに熱中しすぎて……

「よっす、橘! 元気してたかぁ?」

「うぐ……」

 せっかく寝れそうだったのに。

 後ろの席の、小野昂(おのたかる)が話しかけて来た。

 まぁいつものことなので、ここは安定の顔を伏せたまま返答させていただく。

「……おはよオノックス。いつも通り朝はきづぃよ」

「だろうな! その感じだとまた昨日も徹夜してたっぽいし、ちっとは健康的な生活をしないとダメだぜ?」

 恐らく、やれやれみたいな顔して席に座るオノックス。

 ちなみに、黒髪・短髪・つり目に色黒なので、オノックスだ。

 なんとなく不良っぽいから、クラスのみんなにはそう呼ばれている。

「うるさい……オカンか」

「まぁまぁ元気出せよ橘! 今日はそんなお前に、とっておきの情報を仕入れて来たんだ!」

「え、なに!」

 バサッ。

 僕は勢いよく体を起こして、後ろを向いた。

「……おっと、相変わらず面白そうな話にゃあすぐ乗ってくるな……」

「当然でしょ、中学生は日々退屈してるんだ。刺激の一つや二つ欲しくなるもんだよ」

 特に恋愛なんてものは起こり得ないので。

 悲しいことに。

「ふっ、聞いて驚きな……実はよぉ」

「えぇ! うそでしょ!」

「おい、まだなーんも言ってねえ」

 オノックスが伏し目がちに言う。

「あ、(∀`*ゞ)エヘヘ」

 咳ばらいをして、オノックスが再び切り出した。

「実はなぁ……」

「うひょおいっ! そうなのか!?」

 バッ。

 僕とオノックスは、同時に横を見る。

 そこにいたのは、けんてぃーこと佐藤健太だ。

 こちらは坊主で少し焼けた肌、ちょっぴりぽっちゃり体型なのがチャームポイントのクラスのマスコットキャラクターだ。

 焼きおにぎりの名で通ってることもある。

「あ、わり。まだだったか」

「もうけんてぃー、二回目は面白みに欠けてるよ」

 僕は他人事のように言った。

 オノックスが呆れた顔してこっちを向く。

「まぁもう言っちゃうわ。今朝リビングで聞いた話なんだけどよ、裏山の噂の場所! あそこでまーた人が攫われたらしいぜ……」

 裏山の噂の場所。

 恐らくあの井戸のことだろう。

 ここら辺の地区では有名な話なんだ。

 裏山の禁足地。絶対に足を踏み入れてはいけないって場所。

 都市伝説的な? あるいはデマ的な?

 とにもかくにも、そ~んな場所がこの中学の近くにある。

「またその話かよぉ! これで何回目だ? 攫われる攫われるって、どーせまたデマなんだろ」

 けんてぃーがもう聞き飽きたわー的な表情で、ガッカリする。

 正直、僕もその話は耳にタコができるほど聞いていたので、少し気分が落ちた。

「オノックス、君には失望したよ……」

 再び僕が、机に突っ伏そうとした時。

「ふっ……」

 オノックスが、薄っすらと笑みを浮かべた。

「だーれがそんな話で終わると言った!」

「「なっ!?」」

 僕とけんてぃーの顔が同じになる。

 オノックスは机に両肘をついて、深刻そうな顔して続けた。

「あのな昨晩、不法侵入者というか何者かによって、禁則地のでっかい柵が壊されてたらしいんだ」

「……え、なにそれ。やばくね」

「うんうんやばい……」

 僕とけんてぃーの顔が同じになる。

「でよ、これが何を意味するかわかるか?」

 オノックスが両方を交互に向いて、そう囁いた。

「祟りとかが起きるってか……?」

 けんてぃーが答える。

「いや違うね。オノックスなら、そこへ行けるかも、そう言いたいんでしょ?」

「ふっ……よくぞわかったな橘、流石幼馴染なだけあるぜ」

「でしょん」

 僕はえっへんと。

 だが、けんてぃーの顔は青ざめたままだ。

「おい何言ってんだよお前ら、まさか……本当に行くつもりじゃねえだろうな?」

「「え?」」

 僕とオノックスが顔を見合わせた。

 そして、再びけんてぃーの方を二人で向いて言う。

「「行くでしょ」」

「…………あっはは、そ、そうなのか。ふぅ~んわかった。じゃじゃあお前ら、たのしんで来いよー」

 そして、僕とオノックスはけんてぃーの真横に移動した。

 そのまま腕をガッシリと♪

「行こうねー一緒に」

「そうだぞー盗み聞きしといてそれはないよなー」

「「け・ん・てぃ・いー♪」」

 ニッコリ。

 僕とオノックスは満面のスマイルを浮かべて、けんてぃーを見下ろした。

「行くよな?」

「行くよね?」

「あ。ぁぁはい、行き、ます……」

 けんてぃーが観念した表情を見せたあと、うつむく。

 約束は取り決まった。

 それにそろそろ朝のHRも始まる。

 具体的にいつ行くかと、他に誰を連れて行くかなどの計画は次の休み時間に決めることとなった。

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