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運命と無実の人々の血

これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

赤山学園の校庭。

夜は不自然なほど静かだった。


街灯の光が、地面に影を落とす。

その影は、どれも少しずつ形が歪んで見えた。


白衣の男――アン・グエンは、そこに立っていた。


「質問は、ありますか」


彼の声は穏やかだった。

穏やかすぎて、逆に不安を煽る。


沈黙を破ったのは、長瀬大樹だった。


「……あんたが、全部作ったのか?」


グエンは頷く。


「ファミン・ブラック。

 ウォー・メタル。

 デスX。

 プレーグ・ファントム」


名前を一つずつ口にするたび、

夜の空気が、わずかに軋む。


「それらはすべて、私が設計し、製造しました。彼らは、自ら宿主を探すようプログラムされていました。

 恐怖。

 孤独。

 喪失。

 そして、それでもなお残る“善性”」


グエンは一人ひとりを見た。


「だから、あなた方がここにいる」


沈黙。


その中で、大樹が一歩前に出た。


「……なんでだ」


声が震えていた。


「なんで、そんなものを作った?」


その瞬間だった。


――ドン。


遠くで、地面を叩き割るような爆音が響いた。


空気が揺れる。

校舎の窓ガラスが、悲鳴を上げる。


グエンは、空を見上げた。


「……もう、来たようですね」


夜空に、亀裂が走る。


それは雲ではなかった。

雷でもない。


空そのものが、裂けていた。


裂け目の向こうは、黒でも星でもなく、

**“奥行きのない闇”**だった。


そこから現れたのは――


多くの巨大な、葉巻型の戦艦。


無骨な鉄。

配管。

蒸気。

回転するプロペラ。


まるで時代錯誤なディーゼルパンクの亡霊。


何隻も、何十隻も。


桜が、思わず声を漏らす。


「……なに、あれ」


グエンは淡々と答えた。


「異次元からの侵略者です」


その言葉と同時に、

遠方の街で、光が弾けた。


爆発。

炎。

悲鳴。


「彼らは数年前から、地球侵略を計画していました。

 私は彼らの計画を知った。」


グエンの眼鏡が、街の炎を反射する。


「だから、準備したのです。

 人類が、戦うための“牙”を」


そのとき――


「誰か。。。助けて――大樹!!」


夜を切り裂く叫び声。


美咲の声だった。


大樹の表情が、一変する。


「……美咲?」


彼は振り返り、そして走り出した。


「待て!」



桜たち五人も、即座に動いた。


「行こう!」


「美咲が――」


「一人にできない!」


陽明は、歯を食いしばる。


「……くそ」


ウォー・メタルが囁く。


「同志。

 戦闘確率、急上昇」


「分かってる……!」


太志も走り出していた。


その背中で、何かが軋む。


骨格が、展開する。


金属音。


彼はビルの壁を蹴り、

プレーグ・ファントムとして屋上へと跳躍した。


眼下に広がる光景。


燃える街。

逃げ惑う人々。

上空から降り注ぐ、無差別な破壊。


太志は、拳を握りしめる。


「……許さない」


声は低く、だが確かだった。


「この世界は、もう十分に暗い」


装甲が、唸る。


「これ以上、

 完全な闇にさせるわけにはいかない」


彼は、夜空へと身を投げた。


侵略者の群れへ。


人々を守るために。


その背中を、誰かが見ていた。


世界は、静かに――

だが確実に、壊れ始めていた。

このエピソードを楽しんでいただければ幸いです。次のエピソードはすぐにアップロードします。

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