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メカマニアクス

これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

戦いのあと、

世界は不自然なほど静かだった。


破壊された街。

まだ熱を残す瓦礫。

そして——

生き残った者たち。


長瀬大樹は、

簡易ベッドの上で天井を見つめていた。


右腕は、

白い包帯に覆われている。


動かない。


痛みよりも、

胸の奥に残る感覚のほうが重かった。


——まただ。

——また、弱くなった。


花沢美咲は、

彼のそばに座っていた。


言葉が出ない。


失うかもしれなかった。

それだけで、

息が苦しくなる。


「……ごめん」


大樹が、

小さく言った。


美咲は首を振る。


「生きててくれただけで、いい」


それ以上、

言えなかった。


一週間後。


ドクター・グエンの計算は、

冷酷だった。


「次の侵攻は、七日後」


沈黙。


「……大樹の腕は、

 その時までに回復しない」


誰も反論できなかった。


その時。


美咲が、

一歩前に出た。


「……私が、行きます」


全員が、

彼女を見た。


「大樹の代わりに。

 私が、乗ります」


桜が、

即座に否定する。


「だめ。危険すぎる」


日向も、早苗も、

愛子も、つね子も。


皆、

同じ顔をしていた。


——守りたい。


だが。


美咲は、

目を逸らさなかった。


「失うのは、もう嫌なの」


長い沈黙のあと。


——合意が生まれた。


苦く、

脆い合意。


夜。


屋敷の奥。


能楽堂。


静かな木の床。

白い壁。


大樹は、

陽明と太志を見た。


「……美咲を、頼む」


二人は、

迷わず頷いた。


「守る」


「約束する」


それだけで、

十分だった。


部屋に戻ろうとしていた間。


大樹は、

床に落ちていた一冊のノートを拾う。


中には、

名前が並んでいた。


候補。

消された線。

書き直し。

彼は、それがハルアキがグループの名前として考えたものだと推測しました。


その中で、

一つだけ、強く残っている言葉。


メカマニアクス


——狂ってる。

——でも。


悪くない。


大樹は、

静かにノートを閉じた。

このエピソードを楽しんでいただければ幸いです。次のエピソードもすぐにアップロードします。

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