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若いオオカミは地球の中心にある蜘蛛の巣を心配する必要はない

これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただければ幸いです。

グエン博士の家は、

街の外れにあった。


古いが、静かだった。


「ここで休みなさい」


博士はそう言って、

若者たち――陽明、ミサキ、そして他の者たちを中に入れた。


「ここには、君たちはお互いの傷を治せます。

 ……そして、今夜は、ここで眠てもでいい」


ミサキは何も言わず、

ソファに腰を下ろした。


誰も、戦いの話をしなかった。

言葉にすると、壊れてしまいそうだったから。


しばらくして、

グエン博士は家を出た。


ドアが閉まる音だけが、

妙に大きく響いた。


夜の街では、

アメリカ軍が動いていた。


瓦礫。

焼け跡。

血痕。


異次元から来た侵略者の痕跡は、

一つ残らず回収されていく。


「証拠は残すな」


それが命令だった。


そのとき。


「将軍!」


若い兵士が、息を切らして駆け寄る。


「すぐ来てください……これは……」


ジョン・グレイは、

何も言わずに歩き出した。


路地。


狭く、暗い。


そこに――

落ちていた。


葉巻のような形をした、

小型の戦闘艇。


ボートほどの大きさ。


グレイは、

それを見下ろし――


そして、

何かを見た。


言葉を失う。


「……神よ……」


その背後で、

足音。


「グレイ将軍……」


振り返ると、

グエン博士が立っていた。


「ドクター・グエン……

 これは……これは……!!」


言葉が、途切れる。


グエンは、

視線を逸らさずに答えた。


「……ええ。

 私も、知っています」


グレイの顔は、

まだ硬直したままだ。


「……あなたは、

 最初から知っていたのか?」


短い沈黙。


「はい。

 ……知っていました」


路地に、

風が吹き抜ける。


紙くずが転がる。


グレイは、

しばらく動けなかった。


グエンは、静かに言った。


「落ち着いてください」


声は低く、

しかし、強かった。


「これは、

 誰にも知られてはいけません」


一拍。


「……特に」


「彼らには」


グレイは、

すぐに理解した。


「……あの若者たちか」


「ええ」


グエンは、

ゆっくりと頷く。


「彼らは、

 まだ知らなくていい」


路地の奥で、

闇が深くなる。


世界は、

まだ眠っている。


そして――

知らないままでいる。

このエピソードを楽しんでいただければ幸いです。次のエピソードはすぐにアップロードします。

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