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イメチェンで劇的な遠足デビュー?!

よろしくお願いします。

「彼女は俺の婚約者だ。

そんな不躾な視線で彼女を見ないでくれ」


……確かにあなたの婚約者ですよ。殿下。

でも、なんで??

あなたはこんな事をするタイプではないでしょう?

それなのに、どうして今、私は殿下の腕の中にいるのでしょうか??


話は、グループ決めをした後の、顔合わせを終えた直後だった。

おしゃれ好きなクリスティナが私に声をかけてきた。


「私、マクガーン様の顔が好みなんです!!」

「えっ?」

「それで、なんですけど、私、マクガーン様のドレスからメイクまで、全てプロデュースしたいんです!

今よりもっと素敵になるはずです!」

「ええと。まず、メイベルでいいわよ。

じゃあ、試してみようかしら」

「私のことは、ぜひクリスティナと呼び捨てにしてください!

それじゃあ、今日一緒にショッピングに行きませんか?」

「ええ、そうしましょう」


私は、前世を思い出して以来、縦ロールを辞めただけで、メイクやドレスには疎かったので、為す術がなく、そのままにしていた。


もしかしたら、少しは悪役令嬢の見た目から脱却できるかも!と期待をして、彼女と一緒にショッピングをした。


そんなこんなでショッピングを終えたのだが、


「遠足当日に私がメイクをします。

みんなをあっと驚かせましょう。

集合時間の1時間前に、ドレスもアクセサリーも私が選んだもので集合場所に来てください。メイク道具は私が持ってくるので気にしないでください」


そう勢いよく言われ、クリスティナと別れた。


そうして、遠足当日を迎え、クリスティナとの集合場所に着いた。


それからテントのようなところに連れていかれ、で あれよ、これよとメイクを施された。

彼女はメイクアップアーティストかのような腕前だった。30分も経たずに全てを終えたようだった。


「メイベル様、見てください」


私は、クリスティナから鏡を受け取ったのだが、そこに映った人物は今までの私と大違いだった。


「っっすごいわ。全然違うわ」

「ええ、私は良い仕事をしましたよね。

メイベル様はせっかく綺麗なお顔と髪をしていたので、もっと上手くできるのに……ってずっと思っていたのですよ」

「本当にありがとう。クリスティナ」


そう。鏡に映っていたのは、いつもより薄い化粧で、私の1つ1つのパーツが活かされた、派手ではなく、華やかで品のある印象の美女だった。


ヒロインほど庇護欲そそる可愛らしい風貌ではないのだけれど、悪役令嬢からはかなり抜け出せた気がするわ。


私とクリスティナは、おしゃべりをしながら、担任の先生に言われた集合場所でクラスメイトを待っていたのだが、集まっていたクラスメイトは何度も私をチラチラみていた。


そして、事件は起こった。


何人かの男子生徒が私に声をかけようと近づいてきた。それを今、集合場所に着いた殿下がその様子を目撃した。

すると、私は殿下の腕に引っ張られーー

冒頭に戻る。


えぇ。どうしてこうなっているの?と混乱しながら、殿下は思ったより逞しいのね。と思っていた矢先、殿下から、


「メイベル嬢、私と来てくれ」

と言われ、私は彼に着いていった。


周りからは、

「キャー、ロマンスよ」

と言われ、クリスティナはしてやったり顔で微笑ましく笑っていたのだが、私はそれどころではなかった。

私は記憶を遡り、何かまずい事をしたのではないかと考え始めた。


「メイベル嬢、なぜ急にこんなに好みが変わったのか?」


んん?怒っているんじゃないの?


「ええと、クリスティナが私をプロデュースしたい。といっていたのでお願いしたらこんな感じになりました。私は気に入っているのですが、ダメですか?」


「……いや。とても似合っている。

でも、他の男どもには気をつけてくれ」

「え、ええ」


もしかして、殿下は私が浮気をしないように釘をさしているのかしら。


殿下がヒロインと出会い、婚約破棄をするまでは私も恋愛をする予定はありませんよ。

と思い、頷いた。


まぁ、婚約者の好みが変わったから調査といったところよね。断罪じゃなくて良かった。とホッと胸を撫で下ろしながら、殿下と一緒に集合場所に戻った。


殿下には別の思惑があって彼女に伝えたのだが、彼の意図が全く届かずーー


メイベルは、無事この遠足を乗り切れるのかー??










読んでいただきありがとうございます。

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