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とことんついてない

よろしくお願いします。

皆さんに楽しんで頂けたら嬉しいです。

「ああ。もう。お父様。どうしてこんなことしてくれたんですかーー。恨んでやりますわー」


やっと、怒涛の転校初日を終えたのだが、やっぱりあのありきたりのイベントは起きた。


殿下が沈黙を破ったのだった。


「教科書を持っていないだろう。

俺のを一緒に使おう」

「え、ええ。ありがとうございます」


何故か、視察のための殿下でも教科書を持っていたらしい。それなら、転校生の私の方が教科書を持っておくべきだったのでは?と思ったけど、もう過ぎたことよね。


机と机の空いている距離を詰めて、くっつけて、より近い距離で同じ教科書を見たけど、監視されているかのような鋭い視線を感じたこと以外は特に何もなかったわ。

ひたすら懐かしい気がしたけど、きっと、殿下は私を婚約した時からずっと、こんな視線で見ていたのだろう。


そんなこんなで、転校2日目を迎え、事件は起きた。


それは、自己紹介の時にもお世話になった担任のクララ・ターナー先生の一言で起きた。


「皆さん、おはようございます。

今日は3日後の遠足のレクリエーション時のグループの発表をします。

先生が、色々なことを加味して考えました。

それぞれのチームで頑張ってください」


え。レクリエーションで魔物討伐ですって?!

危険すぎじゃないかしら?

前世の漫画で出てくる遠足は、山でのスタンプラリーのシーンが多かったかしら。

なんなら、私が覚えている遠足でのレクリエーションはクラス対抗の大縄跳びの回数勝負だったわね。

景品もお菓子だったわね。


異世界ってこんなにスケールが違うのね。

ビックリだわ。


……っていうか、どうか神様、仏様、ご先祖様。

どうか殿下とは違うグループでお願いします。

そう思いながらグループのメンバーが書かれた表を見ると……

殿下の名前の下に、私の名前があるじゃないかーー。


あぁ。ひどいですよ。神様、仏様、ご先祖様。

転校早々からまた詰んでしまった。グループのメンバーで顔合わせをするらしい。


私は少し肩を落としながらグループの集まりのところに向かったのだが、殿下は何故か私を見て微笑んでいた。


えっ??殿下、どうしたんですか?

もしかして、私の顔か前髪がおかしいのでしょうか?


あら。でも、私も殿下がひどいことをしたわけでもないのに、あからさまにガッカリした様子を見せるのは人として良くないわね。反省しましょう。

と思って自戒した。


そうして、グループの顔合わせが始まった。

高位貴族から始めていくようだった。


「ケイン・アッシュゲルドだ。よろしく」


あら。次は私ね。今度こそ初日の自己紹介の挽回ができるわ。と思って私も気合を入れ直した。


「メイベル・マクガーンです。得意なことは刺繍です」


遂にやりきったわ。満足したのも束の間。


「いや、得意なのは魔法攻撃とよく言っていただろう」


その殿下の言葉で全てが台無しになった。

そして、過去の私は何故か、殿下にもそのようなことを言っていたのか。と過去の自分を責めたくなった。

自分で自分の首を絞めるという貴重な体験をした。

それでも、諦めずに自分で自分のフォローを入れた。


「ええと、刺繍の次に得意です」


ところが、クラスメイトの皆の反応は少し違った。

「「すごいですね」」

「……すごいっ」

「すげぇ」


そうして、自己紹介は続いた。


おしゃれが趣味のアイレス侯爵家の長女。

活発で笑顔が素敵なクリスティナ・アイレス。


歌が得意なチルダーナ伯爵家の三女。

庇護欲そそる可愛さをもつスザンヌ・チルダーナ。



剣術が得意で脳筋なキルドナ伯爵家の次男。

スポーツマンタイプの爽やか系イケメンのルーカス・キルドナ。


魔法座学が趣味のサミュエズ男爵家の長男。

メガネが似合う美青年のオリバー・サミュエズ。


私のグループのメンバーは、皆、気さくで優しい人達のようだった。


もう。決まったものは仕方ないわ。

殿下とのイベントも遠足だけでしょうし、あまり目立たないようにしながら、精一杯楽しんでみせますわ!






今日中にまた更新すると思うのでよろしくお願いします!

登場人物紹介も、書いて載せますので、キャラクターの容姿が気になる方は後で見ていただけたら嬉しいです。




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