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ドキドキの転校初日

よろしくお願いします。

オホホ。転校初日はドキドキするわ。

転校は前世を入れても初めてで少し緊張するわ。

これが転校生の気持ちなのね。


あら。転校といえば、転校生は空いている席が指定されるというものがありきたりよね。

そして隣の席は学校一のイケメン。その人と教科書を一緒に見たりして、距離を縮めて、お付き合いがスタート。

あぁ。これが運命の恋というものかしら。素敵ね。

私も、無事、婚約破棄ができた暁にはそういう恋がしたいわ。


「マクベールさん。聞いていますか?」


あら。また妄想に浸ってしまっていたらしいわ。


「あっ。すみません。聞いていませんでした……」

「話はちゃんと聞いてくださいね。

教室に入ったら自己紹介をお願いしますね。

今日は特別なお方もいらっしゃいますよ」

「??はい」


特別なお方ってお父様の言っていたサプライズゲストかしら。

そしたら、キースやお母様は少しシュールな状況になるわ。もちろん、お兄様が来ても同じだわ。私だけ授業参観日のようね。

それなら、その特別なお方は私とはそこまで関係ないのね。

そう安易に結論づけて、ここは前世のように考えると、高校1年生の2学期から通う教室で、クラスメイトが待っているのね。とワクワクして先生と教室に入った。


「皆さん。このエクセレント魔法学校に新しい転校生がやってきました。それでは自己紹介をお願いします」


……エクセレント魔法学校?ですって。

なんて捻りのない名前なの。

えっっ。ここの世界は乙女ゲームだとは思っていなかったけど、私が分からないだけで、もしかしてそういう系ですか?!


あら。大変。学校の名前くらい調べておけば、こんなに驚かなかったのに……

まあ。過ぎたことは仕方ないわね。

気を取り直して、自己紹介をしなくてわ。

忘れてはいけないわ。第一印象を良くするためにハキハキと笑顔で……

しまったわ。微笑ましいネタを準備し損ねたわ。


仕様がないわ。

怖い笑顔よりは無表情の方がマシかもしれないわ。

そうして、最悪な二者択一でマシだと思う方を選んだ。


元々強気な顔で無表情。これも恐ろしい笑顔と大差変わらない気もするが、まあ、クラスメイトのみぞ知る。と言った状況だった。


「……はい。

私はメイベル・マクガーンです」


そんなこんなで、私は取り乱しつつも、転校イベントを楽しむことは忘れていない。公爵令嬢らしい品のある仕草を意識したので、キョロキョロ見回すことはせずに、自己紹介を続けながら、自分の席になるはずの空いている席を探し始めた。


「得意なことは、……っっえ?」


叫ばなかったことを褒めていただきたい。


私の中で、前世も合わせて一番のイケメンな人は、お兄様だと思っていたのだが、空いている席の隣には、それ以上の美貌を持った男子生徒がいた。


光が反射してより一層綺麗に見えるシルバーブロンドのサラサラヘアーに、アーモンド型でアメジストのように綺麗な瞳。そして、すっと通った鼻筋。形のいい唇。

どこを取っても完璧としかいいようのない美貌を持った人だ。

これが、所謂国宝級イケメンを超えた世界遺産級イケメンね。


でも、何故だか久しぶりな感じがするような……

あら。それはそうよね。

だって、その人こそ、長年会っていなかった私の婚約者だもの。


……あぁ。最後に会った5年前くらいのあの日以来かしら。順調に成長したのね。

と惚れ惚れとしてはいたが、いやいや。これは別の方のありきたりですか?!

隣の席は犬猿の仲だったり腐れ縁だったりする()()()パターン。


ああ。どうしてこうなった。

もはや、自己紹介などしている場合ではない。

もう一度転校先を考えようか。と思っていたところ


「マクガーンさん。自己紹介の続きの、特技は何ですか?」


「ええと。……魔法攻撃……ではなくて刺繍ですね」


ああ。殿下のせいでせっかくの転校初日の自己紹介に失敗してしまったわ。というか、その前にこの学校にも通えなくなるかもしれないわ。


「マクガーンさんの席はあっちの空いている席です」


「わかりました」


やっぱりそうなりますよね。

私は少しがっくりと肩を下ろして、トボトボ歩いたのだが、次の瞬間に天使の声が聞こえた。


「マクガーンさんの隣の席のお方は、このジパング王国の皇太子であるケイン・アッシュゲルド様ですが、1週間ほど学校の視察のため、ここにいらっしゃるそうです」


ええ、何ですって。素晴らしい言葉が聞こえたわよ。

ああ。よかった。

殿下は1週間経ったら首都に戻るということですのね。

1週間だったら大丈夫ですね。


目立たずに慎ましく1週間を過ごしてみせますわ。

と意気込んで、すっかり元気を取り戻した私だったが、実は、私の本当の特技は、その立ち直りの早さだったりするのではないかしら?と思う話は、来たる未来のお話。


そして、呑気な私は、殿下が私を見て何か驚いた顔をしたことに気づきもしなかった。



ここまで読んでくださってありがとうございます。

ついに婚約者登場しました!



いいねやブクマ、広告下部の星のタップによる評価ありがとうございます。

とても、モチベーションになっています。


短編書きました。



改稿前


私は魔法を使えるらしいので、最低な婚約者とその相手に倍返しする〜その後の人生は私の自由ですわ〜


https://ncode.syosetu.com/n7508in/



改稿後


初級光魔法で婚約破棄してやります!(※ただし、禁忌の闇魔法をバレないように使いますわ!)〜その後の人生は私の自由ですわ〜



https://ncode.syosetu.com/n2738io/


上の作品は今作品の連載を終えたら、連載しようか悩んでいる作品です。

改稿前と後はキャラ設定が違います。

この作品と世界観は少し似ていますが、内容は全然違います。

お時間ある時に、2つの作品を投票気分で読んでいただけると嬉しいです。

よろしくお願いします。

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