七夕 〜sideケイン〜
ブックマーク200記念と読者の皆様に感謝を込めた七夕ssです。
七夕からは遅れましたが、ぜひ楽しんでいただけると嬉しいです。
「今日は七夕ね」
俺の愛しい彼女の美しい声がそう奏でた。
「そうだな」
「織姫と彦星が出会えるのかしら」
「あぁ。きっと出会えるだろう」
「でも、晴れていないと出会えないのよ」
「俺は、そんなこと関係ないと思うけどな」
「えぇ?!どうして?」
「俺は、想いの強さが大切だと思う。実際、俺らは俺の想いが強すぎて、異世界に行っても出会えただろう。きっと彼らも2人の想いが強いだろうから、出会えるはずだ」
そう紡ぐと、彼女の白い肌がリンゴのように色づく。
「たしかに。そうね。きっと織姫も彦星も出会えるわね。ちなみに、私だって、あの時もケイのことが大切だし、大好きだったわ」
彼女をからかおうと言う思いと、もっと彼女を照れさせたいと言う悪戯心で彼女に返答する。
「メイと俺の大好きと言う感情に違いはあっただろう。俺はずっと昔から君を愛していた」
「っっ。そ、そうかもしれないけど、私も愛しているわ」
彼女の赤い顔が愛しくなり、ふっ。と言葉にならない声が漏れながら、笑顔で答える。
「ああ、知っている」
彼女は慌てたように、俺を見て話題を変える。
「そういえば、私たち毎年、近くのショッピングモールの短冊に願いを書いていたじゃない。ケイはなんてお願いしていたの?」
そういえば、彼女とデートするための口実に七夕の日にショッピングモールに誘ってたな。
そのついでに願掛けとして毎年同じ願いを短冊に書いていたな。なんて思い出しながら、彼女に伝える。
「メイと両想いになれますように……だったな。メイは何をお願いしていたんだ」
「そ、そうなのね。
え、ええと、私は、今年も私と私の大事な人が健康で、幸せでありますように……だったわ」
彼女は照れながらそう言葉を紡いだ。
俺の彼女は毎日、どの瞬間もなんで可愛いんだろう。なんて愛しく思いながら彼女を見やる。
すると、負けず嫌いな彼女はきっと自分が照れたから、俺に仕返ししたいと思ったんだろう。
ふふっ。と笑いながらこう言葉を紡ぐ。
「ねぇ。ケイ。ちょっと目を閉じて、今年の願い事を思い浮かべて見て」
彼女の悪戯心を微笑ましく思いながら、彼女の期待通りにすることにした。
願いは、幸せなことに、両想いは叶ったので、これからもずっとメイと一緒に入られますように……だな。なんて思っていると、
ガバッ。
彼女が後ろから俺を抱きしめ、彼女の綺麗な声で音色を奏でる。
「私は、ケイのことを一生愛しているわ」
そう言って俺の首にチュッと言う音と、柔らかい感触を感じ、彼女の熱が離れていった。
……く、首にキ、キス
数秒経って、状況を把握した。
すると、彼女に抱きしめられた時に感じた熱を、今、吸収するかのように自分が火照ってきたのを感じた。
俺、今顔が赤かなってるに違いない。
彼女に赤くなっている自分を見せるのが恥ずかしくて、顔を覆い後ろを向くことにした。
指の隙間から、彼女をちらっと見てみると、彼女は作戦が成功したのを喜びながら、ニコニコと笑っている。
いつから、彼女は魔性になってしまったのだろう。
いつの間にか彼女に翻弄されている自分を少しダサく思いながらも、大好きな彼女とずっと居られるのならそれも悪くないな。なんて思っている自分は、彼女が好きすぎて末期なのかもしれない。なんて思う。
もちろん、俺が落ち着いたあとには、俺のターンがやってきたことは言うまでもない。
彼女の唇に何度も角度を変えながら、キスしてお返し。なんて言って、いつも通り何度も彼女の顔から火が出るのは俺だけが知っている別の話だ。
ちょこちょこ季節に合わせた番外編や、物語の裏側を書いていけたらな。と思っているので、これからも読んでいただけると嬉しいです。
今作品の読者の皆様、そしてブックマーク、評価してくださった皆様、本当にありがとうございました。
物語は完結しているので、完結設定とさせて頂いています。
今連載している作品も読んでいただけたら嬉しいです。そろそろ連載再開させて、完結させるので応援していただけると嬉しいです。
〜どこにでもいる令嬢だったはずの私が、禁忌である闇魔法を使えるようになったので、聖なる光魔法を隠れ蓑にしてバリバリ使ってみることにした〜
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