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幸せな未来を作り続ける

どうぞよろしくお願いします。

エクセレント魔法学校の卒業式も無事に終え、私は私の異能である料理をたまにしている。


私は前世の世界の料理しか知らないので、この世界の料理については料理長に教えてもらっている。私は、前世の料理を教えているので、料理長とは、お互いに料理の知識を共有しあういい仲間だ。


私は前世で特別料理が上手と言ったわけではなく、人並み程度だったように思う。


それでも、自分の楽しみである料理を追求しながら、この世界、そしてこの帝国の人々の為になるものを作れるのなら、とてもやり甲斐があるわね。と感じ、充実した日々を過ごしていた。


そんな生活を送っていたのだが、ある私にとって最大と言える人生のイベントが近づいていた。


そう。ケイとの結婚式だった。


結婚式の日にちは1年くらい前に決まっていた。

今思い出しても恥ずかしくなるのだけれど、この日にちはケイの提案だった。


「1日でも早く、メイに俺の家族になってほしい」


そう言われたら断ることはできないし、言葉で表せれないほど嬉しかった。


そして、ケイは私を優しく抱きしめて、言葉を紡ぎ続ける。


「メイが他の男に取られる心配も減るし、メイをもっと独占出来るし、メイと同じ所に住めるし。うん。結婚したら最高だな」


私は、恥ずかしいやらドキドキやら、嬉しいやらで息絶え絶えになりながらも


「そうね」


と言った事を思い出した。


そんなこんなで、私たちの卒業式の3ヶ月後に結婚式が行われる事になったのだった。




◇◇◇◇


今日は私たちの結婚式の日である。


帝都は1週間前から皇太子の結婚式という事で盛り上がりを見せている。


私は今、花嫁衣装に身を包んでいる。


この世界では、私は貴族ということもあってドレスには馴染みがあった。


それでもウェディングドレスは初めて着るのでワクワクした。


前世では普段は洋服を着て、結婚式はウェディングドレスを着るように大きく服装が違っていたのに対して、今世では、ウェディングドレスと貴族が着る普段のドレスの違いでパッと思い付くものは、裾の長さだけだったりして、大きく変わるわけではない。


それなのに、ウェディングドレスってだけでドキドキするのだから不思議よね。と何度も思っている。


ウェディングドレスのデザインは前世の世界と同じようなものなのだけれど、前世ではウェディングドレスと言ったら白のイメージが強かった。

しかし、この世界では花嫁が好きな色を選ぶので、ウェディングドレスの色のイメージはあまりないらしい。


もちろん私は白を選んだ。

白のウェディングドレスは、ケイの強い願望でもあった。



そんな私は、白いウェディングドレスに身を包み、派手すぎない自分の顔のパーツを活かしたお化粧をしている。

ヘアスタイルも決して転生した時の縦ロールではない。

ゆるふわに巻いてそのまま下ろし、品と華やかさを感じる装いになっている。


改めて、準備を手伝ってくれたメイド、そして、実はこのヘアスタイルとメイクのプロデュースをしてくれたクリスティナに感謝をする。


クリスティナは今後私専属のメイクアップアーティストになってくれるらしい。


そんなこんなで、周りの皆に支えられ、私は結婚式を迎える。


すると、突然花嫁の部屋に訪問客が現れた。

なんと、私の家族だった。

ニコニコしてみていると、お母様とお父様は涙を流し


「成長したわね」

と話しているのに対し、キースはこう言った。


「ベル姉様、いつでも屋敷に戻ってきてもいいんですよ」

「ああ。明日でもいい」

「確かに、明日帰ってきてもいいぞ。私の可愛いベル」


そんなウィル兄様とお父様の言葉も聞き、微笑みながら


「離婚はしませんよ」


と言いながらも、今世は最高な家族に恵まれて幸せだな。と改めて自分の幸せさを噛みしめる。


「「「えーー」」」


そんな事を言いながらも、何だかんだ私の幸せを喜んでくれて、望んでくれる家族には本当に感謝以外の言葉が出てこない。


改めて、幸せになろう。思う。


そういう会話を交わして、家族は会場へと戻っていった。


遂に、結婚する私たちの入場となった。

この世界の花嫁は父親と歩くわけではなく、パートナーと前世で言うバージンロードである会場の入り口から神父のところまで歩む。


もちろん、私はケイと一緒に歩いている。

ケイは私に耳打ちをしてきた。


「世界で1番綺麗だ」

「ケイも世界で一番カッコよくて素敵よ」

「俺は世界で一番幸せな男だ」

「私も世界で一番幸せな自信があるわ」


2人で微笑みあって入場し、神父の前に立つ。

神父が誓いの言葉を紡ぐ。


「夫となる者ケイン・アッシュゲルド、妻となる者メイベル・マクガーン。御二人は、どんな時も互いを尊重し大切にし、一生涯愛する事を誓いますか?」


私たちはお互いの顔を見合わせアイコンタクトを取り言葉を発する。


「「誓います」」


ここの世界は前世と違い、夫婦で息を揃えて

「誓います」

と言うのが定番らしく、私たちも無事成功した。


誓いを終えると、指輪の交換となった。

指輪はケイが準備をしてくれていて、まだ見たことがないのでドキドキ・ワクワクしかない。


神父がケイに指輪を渡す。

ケイが私の左の薬指に指輪をつけた。

私は嬉しくて涙が溢れそうになる。

それは、指輪の宝石が、私とケイの前世と今世の誕生石だった。


私の今世の誕生月は3月で誕生石がアクアマリン。

前世の誕生月は4月で誕生石がダイヤモンド。


ケイの今世の誕生月は9月で誕生石がサファイア。

前世の誕生月は7月で誕生石がルビーだった。


だから、真ん中には私とケイの今世の誕生石であるアクアマリンとサファイアが真ん中の円を半分ずつ占めていた。

とても凄い技術者が作ってくれたようで境目がわからないように絶妙に作られていた。

そんな円の周りには小さくダイヤモンドとルビーが散りばめられていた。


言葉にできないほどの美しさだった。

そして、ケイは私の左手を持ち上げ軽くキスをした。

あら?キスなんてあったのかしら?


そんな事を思いながらも、私もケイの左手に丁寧に指輪をつける。

私もケイの左手にキスをしようかしら?思ったのだけれど、ベールがあったのでできなかった。


指輪交換を終え、ケイは私のベールをあげる。


ケイと付き合って3年が経つのに未だにキスに慣れていない私は緊張が襲ってくる。

それをケイは察したのか、私のほっぺに軽くキスした。

そして、私の両頬がケイの掌に包まれ、ケイの美しい顔が近づく。

そして、ケイの柔らかい唇の感触が伝わる。


ん?ん?なんか長くないかしら?

てっきり長くても3秒ほどだと思っていたのだけれど、私にとっては時間が止まって永遠の時間のように感じられるくらい長い間続いていた。


私の勘違いかと思いきや、後々このキスはこう呼ばれた。帝国一長い結婚式のキス。

普通は3秒ほどなのに、正確にはわからないのだが、10秒ほどしていて、列席者のほうが恥ずかしくなり、皆が俯いていたらしい。


そんなこんなで私たちは幸せに結婚式を終えた。


結婚式を終えると、学校の仲間たちが皆集まってお祝いの言葉をくれた。


帝国民たちにもお披露目して、帝国民の人たちも祝福してくれる、幸せな1日だった。


結婚といえば、ゴールのような気がしていたのだけれど、これからがスタートなのね。


そんな気がして、私は改めてケイを皇太子妃として支え、皇太子妃として帝国民達を幸せにしていこう。


結婚してからも、幸せなことも辛いことも沢山のことがあると思う。

だけど、その全てを愛するケイと共有して、幸せは倍に、辛さは半分に、問題が起きた時は1つ1つ解決していこう。お互いの気持ちも伝えあおう。

そんな事を思った。

だったらまずはこの言葉よね。


そうして、私の隣に立つ最愛の人に告げる。


「ケイ、愛しているわ。これからもよろしくね」

「あぁ。メイ、愛している。一緒に幸せになろう」

「ええ!」




◇◇◇◇


帝国の歴史書にはケイン・アッシュゲルド皇帝とメイベル・アッシュゲルド皇后の治世がこう書かれている。


彼らの築いた帝国は素晴らしいものとなった。

隣国のハン国との関係性はとても良いもので、交換留学も盛んで、互いの国の優れた所を取り入れあった。


経済も潤い、貧民層が少なくなり失業率が低く、食生活も素晴らしく帝国民は健康な人が増えた。


そして、帝国の皇帝と皇后はとても仲良く、子供にも恵まれいつも笑顔の溢れる幸せな家族だったらしい。


帝国民一人ひとりに寄り添う2人は、帝国民にも愛されていた。


珍しく夫婦で異能を持ち、それを活かして最幸な帝国を築き上げてくれた皇帝と皇后だった。


そんな2人は、子ども達が成長すると、その座を子ども達に譲って、年老いても2人で仲良く支え合い、末永く幸せに暮らしたとさ。












ここまでお読みいただきありがとうございました。

完結までかけたのは、いつもいいね!をしてくれたり、ブクマや評価してくださった読者の皆さんのお蔭です。


始めは勢いで書いていただけだったんですけど、思っていたよりも沢山の方々に読んでいただけて、中盤はプロットを立てたりと何とか完結まで行けました。

後半はあまりプロットがなかったら、所々ダメなところもありますが、ここまでお読みいただき本当にありがとうございました。


今後、番外編として彼らや仲間達の裏話をちょこちょこかけたらいいなと思っています。

気になる!と思ってくださったら、ブクマは続けてくださっていたら有難いです。



そして、2ヶ月後くらいから新しい連載書きたいな!と思っているので、連載の準備的な気持ちで書いた短編の改稿版も読んでくださったら有難いです。


改稿後


初級光魔法で婚約破棄してやります!(※ただし、禁忌の闇魔法をバレないように使いますわ!)〜その後の人生は私の自由ですわ〜



https://ncode.syosetu.com/n2738io/


下は改稿前です。


改稿前


私は魔法を使えるらしいので、最低な婚約者とその相手に倍返しする〜その後の人生は私の自由ですわ〜


https://ncode.syosetu.com/n7508in/


お時間ある時に、2つの作品を投票気分で読んで、評価やブクマ感想頂けたらもっと嬉しいです。

よろしくお願いします。


こんな長い後書き、そしてこのような拙作を最後まで読んでいただきありがとうございました。

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