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作戦決行1

よろしくお願いします。

「お父様、私をこの家から追い出して下さいませ」


「おや。私の可愛いベル。

体調が良くなったんだったな。安心したよ。

おや。今日はいつもと髪型が違うんでね。

この髪型も似合っていて素敵だね」


「お父様、もしかして、その髪型って縦ロールですか?」

「ああ。そうだよ。気品を感じるとか色々言って、その髪型を好んでいただろう」


あら。お父様ってマイペースなのかしら。

お父様の執務室に入ってすぐ、挨拶も忘れて礼儀なしに本題に入ってしまったのに、あっさりスルーしているわ。


お父様はプラチナブロンドにルビーのように輝く瞳で、顔立ちは整っているけど、どこか冷たい感じの少し怖そう容姿ね。


これもきっと悪役令嬢(予定)のお父様だから、カッコ良くても怖そうな雰囲気を持っているのね。

そして、そんな怖そうな雰囲気お父様も娘で悪役令嬢の私にはとびっきり甘いという設定は、悪役令嬢のありきたりの設定よね。

まさに私と同じだわ……


さらには、記憶から抜け落ちていた新事実が発見したわ。

私は、縦ロールを好んでいたらしい。

これは……

私って本格的に悪役令嬢みたいね。


これは何が何でも作戦を決行させて見せるわ。


「お父様、私を領地にお引っ越しさせて下さい」

「どうしたんだい。ベル」


この事を言ったら、頭がおかしくなったと思われてしまうかしら?

でも、言い訳も見つからないし……

ええい、ままよ。


「私は、夢で前世の記憶を見たんです。

そして、ここに居てはいけないと思ったんです。

だから、我がマクガーン家の領地に行きたいんです」


「ああ。そうか……そう……か

やはり、ついに異能が発現したんだな」


「異能……?」


「小さい頃に話しただろう。

瞳が黒っぽい色の人はこの国にはほとんど生まれない。もし、瞳が黒っぽい子が生まれたら異能を持つかもしれない。と」


「ええっっ。本当ですか?!

異能って何ができるんでしょうか」


「それは分かっていない。魔法とは少し違うというくらいだろうか。異能を持つ人は過去を遡ってもなかなかいないため、異能についてはよく知られていないんだ。

まず、帝国内で、異能という存在もかなり限られた高位貴族しか知らないんだ」


「そうなんですか」


「ああ。そうとなれば、領地に移る方がいいだろうな」


「お母様とウィル、キースにも話をしてきなさい」


「はい。わかりました」


「そして、ベル。

やっと思春期が終わってくれて、お父様本当に嬉しいよ。ここ何年も寂しい思いをしていたんだぞ」


「えっ??私って思春期だったんですか?」

「ああ。久しぶりに話せてよかったよ」

「ええ……今まで失礼しました。

それでは、お母様たちのところに行ってきます」

「ああ。

私の可愛いベル、体調には気をつけてくれ」

「はい。それでは失礼しました」


あらあら。私って思春期だったのね。

お父様との話し方を忘れている。と思っていたらそういう事だったのね。


私は異能というチート持ちかと思ったけど、あまり良く知られていないのね……


まあ。後から分かってくるわよね。きっと。

それじゃあ、お母様たちのところに向かおうかしら。


読んでいただきありがとうございます。

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