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(仮)新婚生活?!

よろしくお願いします。

先ほどの圭の提案により、私と圭はマクガーン家領地のエクセレント学校に戻り、お母様とキースはそのままカラ王国に滞在することになった。


そして、驚くべきことに、圭は事前に学校に


「メイベル嬢は早めに戻ってくるかもしれないので、その時はよろしくお願いします」


と伝えていたそうだ。

私は、休学する事を学校に伝えたことが気になっていたので、圭は有能ね。と再認識したと共にホッとした。


そんなこんなで、私と圭は馬車に揺られてカラ王国からマクガーン家の領地に戻ってきた。

そして、なんとしばらくの間、圭も私が住んでいる別荘に滞在するらしい。


圭が"私の異能の急な発現に準備するためにいつでも対応できる体制作り"とお母様に伝えて得た機会だった。


もちろん、使用人はたくさんいるけど、お父様とウィル兄様は私がカラ王国に行ったときに、首都に戻ってしまったので、これから新婚生活が始まるみたいね。と1人で想像し、ワクワクのような緊張のような恥ずかしいような複雑な気持ちになる。


そして、私たちがマクガーン公爵家の別荘につくと、またもや使用人全員が一列に並びこう言った。


「おかえりなさいませ。お嬢様。ようこそ。皇太子殿下」


この光景は何度見ても圧巻なものだった。

綺麗に一列に並び、しっかりと揃った声。

圭も私の気持ちをわかってくれると思い、小声でこう言った。


「ねぇ。集団行動の最終形態を見ている感じよね」

「あぁ。ほんとだ。これが集団行動を完全習得した賜物なのか」


私たちは感嘆の声を漏らした。


私たちは、別荘の中入り、ゆっくりと休み、前世のことも今世のこともたくさん話した。


これから私たちは、外向きの理由としては愛称といった形で、実際の理由としては前世の名前であるという事で、お互いのことを"メイ"と"ケイ"で呼びあうことにした。


やっぱり私たちは、今世も大切だけど、前世も大切で、この呼び方で呼ぶともっとお互いのことを特別に思える気がしてそう呼び合うことになった。


改めて、ケイともう一度出会えたのね。と幸せな気持ちになった。

そんな感じで、前世の話もたくさんしたからかしら?私は、ふと和食が食べたくなった。


だから、私たちはキッチンに向かい、料理を作ってみることにした。


私は前世で、勉強も運動も平均で、刺繍のような器用さが必要なものは苦手だったのだけど、料理だけは得意だった。

それもあって、転生して初めて気持ちに余裕ができたので、久しぶりに料理がしたいわ。と思い気合を入れた。


そんなこんなで、使用人に頼み、今日は私が料理を作ることになった。

料理長と私の転校初日の自己紹介のためのアドバイスをくれたシェフが興味津々といった顔で私のことを見守り、ケイはなぜか、ずっと私の側にいる。


「ケイ、リビングの方で待ってていいのよ」

「いいや、今もこれからもメイの側を少しも離れたくない」


私は、未だに前世の圭と今世のケイとのギャップにやられてしまう。今世のケイは、自分の気持ちをすぐに伝えるみたいで、私は照れくさくなる。


そして、それを見ていた、シェフが微笑ましそうに笑った。


「メイベルお嬢様。よかったですね。お互いに特別な呼び方をして仲がよろしいのですね」


「えぇ。そうなの」

「あぁ。誰も俺たちの間に入れないくらい俺たちの絆は強いからな」


なぜか、ケイはシェフに少し敵意を表してそう答えた。


そんな中、私は冷蔵庫の中を見てみた。

みてみると、もちろん醤油や味噌といった和食に必要不可欠な調味料がない。


ないなら、作り出せばいい!

私はそう思って、近い未来でこれらの調味料を絶対作ると決意した。


結局、冷蔵庫の中にあるもので私は調理をすることにしたので、今回は和食はできず、この世界の食べ物ーー前世のもので例えると洋食のようなものを作ることにした。


よし。取りかかろう。と思った矢先、ケイは私を後ろから、ぎゅうっと抱きしめる。


「あぁ。夢みたいだ。もう一度メイに会えるなんて……

そして、今から16年ぶりにメイの料理が食べれるのか……」


そう。私たちは幼馴染みで、ケイも私も親が家にいないことが多く、料理が得意な私が料理が苦手なケイのために夕食を作って、一緒に食べるということも日常の一部だった。

あら。懐かしいわね。と感慨深く思った。


「そうね。ケイ。でも、今から包丁を握るから危ないわ。少し離れていてもらえる?」


そうケイに頼んだのだ。しかし、何とまたもや驚くことにこういった。


「実は、俺も料理はある程度できるんだ」


そう言って、包丁を握り、まな板にある食材を切り始めた。


その包丁捌きと言ったら……

料理が得意だと思っている私と引けを取らない技術を持っていた。


私は唖然とした。

そして、私がケイのために料理を作るというものとは一変して、2人で仲良く料理を作るという状況となった。

2人で料理をするというのも、楽しくて幸せなものだった。



ーー後に判明したことなのだが


ケイは前世から料理はできたらしい。

ただ、楽しそうに料理をしている私を眺めてることが何だか、結婚したみたいな気持ちになるので幸せだった。そして、ずっとキッチンで料理をするというのも近距離にいるのは緊張してしまう。

という事から一緒に料理ができなかったらしい。


今は、一緒にいる幸せを知ったし、これからも一緒に料理がしたいと思い、実は料理も上手ということを私にネタバレしたらしい。



ケイは運動も勉強も得意で、やっぱり完璧なのね。と思ったと同時に、これからは料理まで一緒にできるのね。とさらに幸せな気持ちが私の胸に広がった。



読んでいただきありがとうございます。

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