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新たな転校生とヒロイン登場?!

遅くなりました。

よろしくお願いします。

「待てっ。っっ危ないっ。……」


……はあっ。はあっ。


夢で、誰かを庇って、その後に誰かが私に覆いかぶさってきて……

あれ?私、泣いてる?


ああ。目覚めから最悪ね。

きっと、これから気をつけないといけない事が多いからよね。


今日から私は悪役令嬢にならないように、より一層気をつけなくはならないし、殿下が私と同じ学校ってことは、きっと、ヒロインとの出会いの場もこの学校だからお邪魔をしないようにしないといけないし。


気持ちを切り替えていきましょう。

絶対、お父様に言われた事を達成して、家族のためにも、殿下と距離を置きますわ。


そうして、学校に向かい、朝のホームルームが始まる時だった。


「おはようございます。今日も、皆さんにお伝えしたいことがあります。新たな転校生がやってきました」


ええっ?遂にヒロイン登場かしら?

そして、殿下とは逆の私の隣の席が空いているわ……

あら?殿下は何故か警戒している様子だけど、きっと貴方の運命の人が現れるので、楽しみにしてくださいよ。

そう思っている時だった。


真っ黒なサラサラヘアーに金色の瞳のミステリアスな大人の色気を漂わせた男性が現れた。

とても眉目秀麗な男性ね。ところで、黒い髪の毛ってこの人も異能持ちだったりするのかしら?


「私の名前はシャグラン・アリオルトです。

隣国からやってきました。どうぞよろしくお願いします」


そう伝えて、私の隣の席に案内されたのだが、彼は何を考えたのだろうか。私に急に声をかけてきた。


「初めまして。美しい人ですね。貴方のその美しい瞳に一目惚れしました。名前を教えていただけませんか?」


ええ?前世も合わせて人生初めての告白よ。

何が正解なのかしら?とりあえず、名前を聞かれているから、教えたほうがいいのかしら?


「ええと、私の」


そう言いかけた時、殿下は私の後ろに立ち、椅子に座った状態の私を後ろから抱きしめて、シャグラン様にこう答えた。


「彼女は、俺の婚約者だ。もう2度と関わらないでくれ」


「いや〜、それは無理なお願いだね〜。だって、さっき担任の先生が言ってたじゃないか。私は、隣国の第1王子なのだから、この国で地位が高い君と彼女で、私がここに慣れるまでの間は色々教えてくれるって〜」


あら。そんなことが確定していたのね。


「ってことなんだ、君の口から名前を教えてもらいたかったけど、私も王子なのだから隣国の主要人物はしっかり覚えているよ〜。だから、メイベル嬢、これからよろしくね〜」


彼はニコッと笑ってウインクをして、私の隣の席に着席した。


ちょ、ちょっと、私のこれからはどうなるのー?!

なんか、隣国のお偉いさんに目をつけられたわ。


しかし、この日はこれだけでは済まなかった。

初めてのこの学校での魔法技術の授業の時だった。


この授業は常に、ペアを組むものらしい。

他の授業のペアの時は、クラスメイトによって、殿下と組まされるのだが、今回は違った。

先生がペアを選んだのだった。


それは、同じクラスに光魔法を使える人がいるからだった。しかし、その人はまだ魔法が安定していないため、魔法の技術があり、教えるのが上手く、魔法の属性相性が良い殿下とペアを組ませると決めたらしい。


そういえば、この前のある授業で、属性相性は、闇と光、火と水の相性は良くないが、それ以外良いと習ったわね。


そういうことで、私はアリオルト様と組むことになった。


しかし、私にとってはそれどころではなかった。

遂に、ヒロイン候補が現れたので、しっかり観察をすることにした。


「初めまして。殿下。

私の名前は、メアリー・ルイーズです。

これからよろしくお願いします」

「ああ」


ルイーズ嬢は、プラチナブロンドの綺麗な髪を持ち、ローズクォーツのように可愛らしいピンクの瞳をしていた。まさに、これがヒロインね。という容姿だった。

その上、殿下のシルバーと彼女のプラチナは2人で対になっているかのようだった。


そう思っていたところ、アリオルト様からお声がかかった。


「メイベル嬢〜」

「あ、はい、何ですか。アリオルト様」

「シャグランって呼んでよ〜。魔法の使い方教えてくれない?私は魔法が苦手で上手くなりたいんだよ〜」


あら。こんなに完璧に見える方にも苦手なものがあるのね。


「メイベル嬢〜、聞いてる?」

「え、はい。聞いてましたよ。アリオルト様」

「ほら、聞いてないじゃん〜。近づいて、シャグランって呼んでって言ったんだよ。こう見えて、私も王子なんだよ〜」


ひいっ。そうだったわ。このお方の機嫌を損ねるのも賢い判断ではないわ。


そう思って彼の言う通りにシャグラン様と呼び、近づいた。


しかし、私は、なかなか言葉で教えることが得意ではなく、見本をみせて教えていた。

そして、お互いに、一生懸命やっていたからだろうか。私たちは、自然とお友達になった。



しかし、後にクラスメイトはこの出来事をこう語った。


側から見ると、メイベルとシャグランの距離は、この授業の間でどんどん距離が縮まり、良い感じの雰囲気を醸し出しているカップルのようだった。


それを、遠くから眺める殿下の整った顔は、心配と怒りでごちゃ混ぜになっていた。

しかし、その恐ろしい雰囲気を出している殿下に、空気を読まずに魔法の質問をし出し、ベタベタとくっつこうとするヒロイン候補。


史上最高に恐ろしい光景が出来上がっていたとー。





読んでいただきありがとうございます。

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