ついにスタート!魔物討伐戦!
よろしくお願いします。
遂に異世界ならではのイベント"魔物討伐"がスタートするようね。
私の通う学校は、生徒の魔法技術が高めで、ここに生息している魔物は比較的弱いため、良い実践の場ということで、このようなイベントをするのだとか。
「やるからには1番を目指すわ」
「ああ」
私がそう気合を入れていたら、あのイメチェン事件からずっと私の側を離れない殿下がそう答えた。
それにしても、私のトモダチ作り作戦が、殿下が側にいるから進展がないどころか、むしろ誰もやってこないわね……
あら、なんだか、珍しい良い匂いの香水の香りがするのね?
と違和感を感じた時、スザンヌがグループのメンバー全員に提案をしてきた。
「グループの気分を上げるためにも、私の得意な歌を歌っても良いですか」
私は前世から歌が大好きだったので、ここの歌がどのようなものか興味を持っていたので、ワクワクしてすぐに答えた。
「ええ。もちろん、お願いしたいわ」
「はい。任せてください」
そして、彼女は歌い出した。
落ち着く、しっとりした透き通った歌声で、皆が彼女の歌に聞き惚れていた時だった。
バサッ、バサバサ
頭上から大きな音が聞こえ、私たちに影を落とした。
グリフォンがやってきたのだった。
グリフォンといえば、強めの魔物よね。まずいわ。
皆を守れるかしら?
魔物は強いものを狙う傾向があるから、殿下を守り抜かないといけないわね。
そう思って身構えていた矢先、グリフォンはスザンヌに勢いよく飛んでいった。
「……っっ。危ないっ」
私は急いで、強い風魔法を使って、グリフォンに向かい風を吹かせた。あら。何故殿下ではなくスザンヌを?
グリフォンはこちらに今は向かっては来れていないが、これは時間の問題だ。
「スザンヌ。大丈夫?グリフォンはあなたを狙っているみたいなの。あなたは私の後ろに隠れていて」
そうして、スザンヌに声をかけると、彼女は命を狙われていたからだろうか。泣いていた。
あら。これは可哀想ね。と思っていると、殿下が
「おい。お前、なんか臭うぞ。何を持っている?」
……殿下っ。流石に妙齢の女性に臭うはないですよ。
彼女は良い匂いがするじゃないですか!
そう心で反論をしていると、さらに殿下は続けた。
「皇太子への隠蔽。いわゆる、俺に敵意を向けたという不敬罪で処刑することもできるが、どうする?」
「……ご、ごめんな、さい。
ここまで、大ごとに、する、予定はなかったんです。
グリフォンが、来る、なんて」
「言い訳はどうでも良い。何をしたか話せ」
スザンヌは涙をこぼしながら続けた。
「この魔物の、誘引剤で、魔物を、おびき寄せました。この、誘引剤には、興奮剤も、入って、いるそうです」
「お前は覚悟していろ」
あら。これは可哀想ね。まだ被害がないのだから、きっと解決できる、いえ、して見せるわ。そう思って私は殿下に声をかけた。
「殿下。そう言わないでください。彼女が危険な目にあったのですから、もう反省はしているとことでしょう。あとは被害を起こさないようにすることです」
「あ、ああ。お前がそういうなら処刑はしない」
「では、まずこの袋を燃やしますわ」
そういって、サシェのようになっている袋を跡形もなく燃やしたあと、殿下とグリフォンの相手をすることになった。
「殿下、私が闇魔法の準備をしますから、その間、グリフォンの相手をお願いしても良いですか?」
「ああ」
そう言って、殿下は、風魔法や水魔法を使いながら、剣術で襲ってくるグリフォンの相手をしていた。
殿下はさりげなく腕を広げ、私を庇うかのように戦ってくれていた。
誘引剤がなくなったことで、今は、殿下が1番に狙われているため、私は急いで闇魔法の準備をした。
闇魔法は他の魔法と違い、瘴気を集めないといけないので少し時間がかかり、体力を必要とする。
全ての準備が整ったので、私は殿下とグループみんなに闇魔法による結界を張り、グリフォンに正常化魔法をかけた。
「闇魔法、結界形成。 闇魔法、正常化」
闇魔法の結界は薄紫色をしていて、かなり広範囲に結界を張れる有能なものだ。
闇魔法の正常化は特有なもので、より強い闇で相手を狂気化している元凶を抜き取り、瘴気に変え、相手から吸い出して、外に分散させるといったものだ。
正常化はかなり体力を使う。
この世界のグリフォンは温厚なので、正常になれば逃げてくれると思い、様子を見ているとグリフォンは正気に戻り、飛んでいき、グループの皆、無傷で済んだ。
ああ。よかった。そう思っていると、意識が失いかけてきた。
最後に見えたのは駆け寄る殿下で、あら。どうしてあなたは悪役令嬢の私を支えてくれるのかしら?と思っていると殿下の声が聞こえた気がした。
「君は、悪役令嬢なんかじゃない。むしろ……」
それから、私はクラスで、聖女。と呼ばれだした。
さらには、殿下が大事そうに私を抱きしめながら、私をお姫様抱っこで運んだらしく、ラブラブカップルだとか、お似合いの2人だという噂が広まるのだった。
しかし、メイベルは、99%の確率で私は悪役令嬢だし、きっと皆が殿下の様子を拡張して話しているのね。と思い、噂を嘘だと判断し、真実を知ることはなかった。
読んでいただきありがとうございます。




