心に綴る人
何も持たずに異世界に転生したくはないなと思いながら書きました。
遠い遠い、昔の記憶のように全てがぼんやりとしていた。心には何も映ってはいなかった。男がいた。小汚い路地にゴミのように這いつくばっていた。それが自分だと気が付くのにはそう時間がかからなかった。
痛む身体を起こして、あたりを見回すと、そこはどうやら街のようだった。どうやら異世界転生したらしい。何か定番のチート能力はないかと思って、虚空を睨んで、力を込めたが何も起きない。それでは前世の知識で無双するタイプかなと思って、自分が前世で何をしていたかを思い出そうとしたが、なんにも思い出すことはできなかった。そもそもここはどんな世界なんだろう。定番の中世ヨーロッパ風の街並みを見るに、ドラクエか何かのような世界なのだろう、ドラクエをやったことはないが。スマホがあればなぁと思いながら、自らの服をまさぐるが、何もない。そもそも自分が来ている服は乞食が着るような襤褸切れだった。せっかく異世界転生したにも関わらず、この調子では、まだ現世にいた方がましだったのではないか。そもそも、自分は現世で何をしていたかさえ思いつかない。こうなったら仕方がない。こんな状態で出来る事は一つ。子供を捕まえて強姦した後、自殺しよう。思い立ったが吉で残り少ない体力がなくなる前に行動を開始する。路地を出るとそこそこの人だかりでこの中になら、子供の一人や二人いるだろう。適当な子を見つくろって、言葉巧みに薄暗い路地に連れ込むと、お楽しみの開始だ。その子の服に手を書けようとした刹那、右腕が吹き飛んでいた。その子は身体こそ子供のようだが、人殺しが趣味な天才魔術師系魔女っ子ロリババアの辻斬だったようだ。次の瞬間に、薄汚いバラバラになった肉塊がべちゃ、べちゃ、と音を立てて地面に転がるには、瞬きするほどの時間もかからなかった。そして、勿論、その肉塊が自分だと気が付くには、それよりも長い時間はかからなかった。まあ、罪を増やさずに死ねた分悪くもないか。そんな思いを、意識が途切れる直前に、自らの心へと綴った。
とっぴんぱらりのぷう。
私だったら、餓死するまでオナニーをして過ごすと思います。