イブの夜に星を待つ
月に雲
空に星
流れてくるはクリスマスソング
今日の聖夜はホワイトクリスマス
かじかむその手を白い息で暖めて
いつも通りに遅刻してくるあなたを待つ
「やっと来た!
遅い!寒い!」
あなたが来たときのセリフを頭の中で思い浮かべて
思わずクスリと笑ってみる
不思議と寒さがやわらぐのは
きっと心が温まったから
もうすぐあなたがやってくる
白い息を弾ませながら
あなたはきっとこう言うの
「おまたせ
遅れてごめんね」
私は少しむくれて
怒ったフリをする
で、焦った彼の頬にキスをして
こう言うの
「メリークリスマス!」
足音が聞こえる
彼の足音
しんしんと降る雪
降り積もった雪
サクッサクッて
一歩一歩
私の心を弾ませる
私の前で止まったあなた
開口一番出た言葉
「メリークリスマス!
遅れてごめんね」
先に言われて
くやしくて
「ずるい!」
そう言って
結局
彼の頬にキスをした
「遅れたからには
楽しませてね」
ウインク1つで彼を困らせて
いたずらな微笑みを彼に向ける
「メリークリスマス!」