騎士、経歴。
クレオさんに半ば引きずられるように、ギルドへ行く私達。
メルクさんと、春になったら新設する騎士団について話し合うことになったので、私は少し離れたテーブルでギルドに置いてある本を読みつつ、時間を潰す。
しばらく本を読んでいると、雪まつりの観光で来たのか三人組の若い男の人達が入ってくる。ギルドには、街案内のパンフレットもあるしな・・。
私は気にせず本を読んでいると、フッと視界が暗くなる。
不思議に思って、顔をあげるとさっき入って来た三人組の一人・・若いお兄さんが私を見てニコッと笑う。
・・・ん?どこかで会った?
今世?それとも前世?どっちかな・・。
お兄さんはポケットから地図を出して、私のいるテーブルに広げて・・
「あの、湖ってどう行ったら近いか知ってる?」
「あ、ああ・・、この道を使って、上に行けば・・」
そういって、場所を指差すと、私の手を握ってくる。
んん・・?なぜ握る?
お兄さんを見ると、またニコっと笑って・・
「一緒に行かない?」
あ、ああーーーーーー!!!
これが噂に聞くナンパですね?いやぁ〜前世では経験なかったんでびっくりですよ!へぇ〜、今世では初ですよ!初!!
「残念ですが、お断りします」
私が言う前に、低い声が答えた。
三人のお兄さん達が一斉に後ろを振り向くと、笑顔なんだけど圧が凄いルウイさんが立っている。
「な、なんだよ・・テメー・・」
「そうだぞ、邪魔すんな!」
あ、ああーー・・、や、やめておけ・・。
笑顔だけど優しそうだけど、殺されるぞ・・、そう思っていると、近くにいたお兄さんの一人がルウイさんに掴みかかろうとする。
「やめとけ、騎士団長だぞ〜。そいつ」
のんびりした声に、三人組が振り返った。
クレオさんを見ると、三人は「え?トーラスの騎士団長じゃね?」「まじで?」と口々に言っている。
・・・んん?騎士団長・・??トーラスの??
「あ、俺もしかして有名人だった?まぁ、そういう訳だから・・用がないなら帰った、帰った」
そう言われると、三人組は顔を見合わせて、まずいと思ったのかギルドを足早に去っていった・・。私はちょっとポカンとして・・、
「え?クレオさんって、騎士団長さんだったんですか?」
「あ、そうなんだ〜!ルドもだぜ?」
「あ、はい・・・」
実は知ってる。
ルウイさんを見上げると、ちょっと不満げにクレオを見る。
「・・余計な事を」
「何?お前、それ言ってなかったの?お前のご主人様だろ?」
「ちょ、ちょ、ちょーーーーい!!!????」
ひ、人前でご主人様とかぁ?!!って、いうか知ってたの?知ってて、あえてさっき聞いたの?!慌てて、周囲を見渡しつつ、口に指を当てて、シー!!!ってクレオさんにやったら、爆笑してた・・・。ルウイさん・・、私、ちょっとこの人嫌かもです・・。
クレオさんが可笑しそうに笑いながら、私を見る。
「嬢ちゃん、ルドに何も聞いてないの?」
「・・ホルス生まれと、お名前はちゃんと伺ってますけど・・あ、あとオーウェンさんが部下なのは、さっき聞きました」
「ほとんど聞いてないのに、今まで一緒にいたの?」
「・・え、個人的な事を聞いちゃうのって、普通なんですか?」
・・・この際だから、聞いてみる。
普通が分からないのだよ、私は。クレオさんは、ああ〜・・と頷いて・・、私の頭をワシワシと撫でる。ち、力強い!!体がグラグラ揺れる!!
「なるほど、ルドが好きなの分かるなぁ〜!」
「・・クレオ!!」
ルウイさんが慌てて私を離そうとするけど、触るのを許可してないのでバチン!!と、奴隷紋から電流が流れた。痛そうにするルウイさんを慌てて見上げると、クレオさんを睨んでいる・・。
クレオさんはそれを見て、ゲラゲラ笑うんだけど・・、トーラスの騎士団長様は、こんな感じで大丈夫なのか???




