騎士、顔見知り。
スケートを教えるつもりできたけど・・、すぐに上達するルウイさん。
ほら〜、やっぱり上手いじゃないか。
小さい子達に「俺も教えて!」って言われたので、ルウイさんと一緒になって数人にスケート教室(臨時)をやったよ。なぜだ。でも可愛いからいいけど・・。
子供達はある程度滑れるようになると、解散だ。
ちょっと疲れたので、ベンチに座ると・・すっかり上達しているルウイさんがやってきた。
「飲み物でも買ってきます。少しお待ち下さい」
「あ、ありがとうございます・・」
流石にクタクタなので、お願いした・・。
ベンチからは、スケート場の中を楽しく滑っている様子が見えて、なかなか良い。さっき教えた子供達が、嬉しそうに手を振って通り過ぎる。
「・・可愛いなぁ・・」
「そうだな!いいな、雪まつり!!」
・・ん?
聞いた事のない声に、振り向くと・・
明るい栗色の髪が、ちょっと跳ねている・・いたずら好きな少年っぽい顔つきだけど、ルウイさんと同じくらいの年かな?しっかりしたコートを着た男性が腕を組んで、ニコニコ笑って私を見ている。
「・・あ、はい、・・えーと、観光でこちらへ?」
「ああ、観光っつーか、仕事っつーか、まぁ、遊びだな!」
「・・な、なるほど・・?」
そう笑いつつ、私の座っているベンチの横に座った。
あ、横に来るとますます思うけど・・、でっかいな!!少年っぽい顔立ちなのに、大柄だ。
「あんたは、ここの住人か?」
「は、はい・・」
「さっきのデカイの知り合いか?」
「し、知り合いというか・・」
奴隷契約中ですけど、お付き合いしてますとは言えない。
なんと説明すべきか?なんて考えていると・・
「トーリ!」
「ルウイさん・・!」
飲み物を持ってやってきたルウイさんにホッとすると、ルウイさんは私の隣に座る人を見て、ハッとした顔をする。
「・・・クレオ・・」
あれ?知り合い??
私はルウイさんと、クレオさんと呼ばれた人を交互に見る。
クレオさんはニヤニヤしつつ・・、
「あ〜、やっぱルドじゃん!メルクがやたら強くて、格好いい金髪が来た!っていうから・・、金髪この辺に住んでんの少ないしなぁ〜って思ってたんだけど・・」
「・・だからって、わざわざ貴方がなぜ自らこんな所に・・」
「オシムの騎士団作りの話を、メルクとしに来た!」
なんか・・、結構親しい間柄・・なのかな?
すごく気さくな感じで話すルウイさんを初めて見るので、ちょっと面白い。
ルウイさんは私の視線を感じると、少し照れ臭そうにして、買ってきた飲み物を渡してくれた。
「・・ルウイさん、もしお話しするなら席を外しますけど・・」
「いえ、大丈夫です」
すかさず話すルウイさんに、クレオさんが面白そうに笑う。
「なんだよ〜、狼は飼い犬になったのか?」
「いいえ、トーリ限定です」
お茶吹きそうになった。
ルウイさん!!!人前ー!!!!!慌てて、口を止めたかったけど、お茶が変なとこ入った!むせてると、クレオさんが「大丈夫か〜?」って背中を撫でてくれたけど、ルウイさんがすかさず手を払いのけた。
でもって、ベンチから私を立たせて即、ルウイさんの背中へと隠された。
「・・オシムの騎士団の話は受けましたが、不都合が生じるのであれば遠慮なく断って下さい」
「そうじゃねぇよ・・、一応様子見に来たんだよ。トーラスの騎士団はこっちも兼任してんだから・・、それにホルスでもお前の話が出始めてたから、心配してたんだよ」
ホルス・・。
ルウイさんの騎士団があった場所。
顔を見ようと思ったけど、背中からだと見えない。
「あら!ルドヴィクさん!トーリ!!」
今度は聞き覚えのある声だ。
ゴツイけれど、バッチリフルメイクのメルクさんがこちらに手を振っている。
私が手を振って返事をすると、クレオさんがボソッと・・
「おい、ルド一緒に話しに来い。メルクと話をしてると、あの口調が移るのよ」
思い切り吹き出した。
そ、それは・・面白いな?笑い出さないように口を押さえたけど体が震える。
クレオさんが、私の反応が見えたのか、「だよな?そうだよな?」って言うけど、ちょっと待って・・笑い出しそうだから。




