騎士、嘆く。
すっかり身体が温まって、お店を後にする。
「ふぁ・・、飲むとやっぱりなんか眠くなるかも・・」
あくびをしながら歩いていると、ルウイさんが小さく笑う。
「・・トーリ、やはりアルコールに弱いのでは?」
「そうですかねぇ、秋のお祭りでは普通に今まで飲んでたんですけど・・」
「トーリ、アルコールは18からですよ?」
・・いけね、バレた。
ルウイさんが、ちょっと「めっ!」みたいな顔をするので笑ってしまう。そんな顔もするのか・・。
手を私から繋げば大丈夫そうなので、手を出すと、
ルウイさんはニコニコ手を繋ぐ。
・・帰ったら、奴隷契約についてもう一回読んでおこう。解約の方法は知ってるけど、契約中の注意点はちょっと記憶がぼんやりとしてるし。
家まで歩いている途中、近くの川で氷が張っているのが見えた。
「もうちょっとで川も凍りますね」
「そうですね、そうしたらスケート頑張ります!」
「・・・ルウイさんは、なんていうかあっという間に出来そうです・・」
いや、マジで。
そういうと、ルウイさんは微笑む。否定しないなぁ・・。
家に戻ってコートを脱いだ時、ボタンに髪が絡まってしまった。
「あ、痛て・・」
「トーリ、今取りますから・・」
ルウイさんが、私の髪をコートのボタンから外してくれて、ホッとしてルウイさんの指に触れた途端、
バチン!!!
と、ルウイさんの首元から大きい音がして驚く。
さすがにルウイさんも急に痛みが走って、痛そうな顔をする。
「ご、ごめんね、ルウイさん!!ひ、冷やしましょう!タオルを今・・」
「・・いえ、大丈夫です・・、痛みはもうないですから」
「・・・でも・・」
ちょっと首をさするルウイさんを見ると、やっぱり心配してしまう。
これは、奴隷契約の本をもう一回よく読んでおこう。改善できる点があれば、しておかないと・・。その為にはまず・・、
「ルウイさん、しばらく距離を取りましょう!」
きっぱりと私が言うと、ルウイさんは目を丸くする。
「嫌です!!!」
「うん、絶対そう言うと思ったけど、ルウイさんが痛い思いをするのは嫌だから距離を取ります」
常に50センチくらい距離を取れば、急な接触も大丈夫かな?
早速、後ろに一歩引くと、ルウイさんが一歩近付く。
こら!!意味がないだろうに!!
「ルウイさん、ダメですってば!」
「そんな・・!トーリから離れるなんて、辛すぎて・・死んでしまいます!」
「生きて!!!距離ができただけで、人は死にません!!」
二人でピョンピョン部屋の中を飛ぶ・・変な光景である。
ルウイさんの心配をしてるのに〜〜!!
「・・・・ルウイさん、言う事聞いてくれないと、一週間頭を撫でません!」
ビシッと言うと、ルウイさんの動きが止まる。
できれば契約を使いたくないし。
ルウイさんは、苦渋の決断をするように・・顔が辛そうに歪む。
「・・・辛い・・、以前よりも距離ができるなんて・・・」
「・・そんなさめざめと嘆かなくても・・」
今まで接触してきて平気だったのに、急に電撃が走るようになったのも気になるし・・、解明したいし。それまでの間だけだと思えば・・と、思うんだけどルウイさんにはそんなに辛いのか。
頭を撫でようかな・・と、思うけど、さっきの電撃を思い出すと
躊躇ってしまう・・・。
手は大丈夫だったけど、手を繋ぐならアリなのか?
色々考え・・、
「とりあえず、お昼食べましょう」
ひとまずご飯を食べる事にしよう。腹が減っては、何とやらだ。
ルウイさんは、大変しょげているがせめて元気が出るようにお肉を焼いてあげよう。しかも分厚いやつ。
撫でられない代わりに、にっこり笑いかけると、
ルウイさんはますます落ち込むのあった・・・。ど、どうすればいいんだよ・・。




