騎士、お出かけ。
スケートをあまりした事がないというルウイさんの為に、役所でスケートを借りて・・、ついでに街の中心の準備の様子を見に行く私達。
久々に一緒にのんびりするし、お出かけだし・・ルウイさんは、なんていうかまんま「おでかけですね!楽しいですね!!」とばかりにはしゃぐ犬の姿ように見える〜〜。
人間だ!!
ルウイさんは、人間だぞ!!自分の空いた手で頬を叩く。だめだ、手袋してるから柔らかい材質で全くダメージがないな。
そんな事を考えつつ、二人で歩いていると・・
街の中心にプールくらいの大きさで、腰くらいの高さの囲いができていて、その中に水を撒いているカイルや警備隊の人達の姿が見えた。
「街の中心にスケート場を作るんですね!」
ルウイさんは、ちょっと驚いて見渡す。
「面白いですよね。この周りに雪像を作って、ライトアップしてスケートするんですよ!なんかもう寒くても楽しんでやる!!みたいな気概を感じます・・」
私がそういって笑うと、ルウイさんも小さく笑って頷く。
と、カイルが私達に手を振って、すでに薄く氷が張っているのかスケートで滑りつつ、側にやって来た。
「カイル!お疲れ〜」
「あ、何?手伝いに来たのか?」
「違います」
冷静に返した。
ルウイさんがスケートを持っていたから?だが断る。寒いし。
「昨日の夜に、水を撒いてたの?結構、氷張ってるね!」
「お〜、先輩達が昨日やっておいてくれたから・・。あと、ここんとこ冷え込むからな・・、すぐ氷になる」
確かに!ここの所、冷え込みが厳しい。
「お祭りで、ホットワインも出るけど・・今年はすぐ無くなりそうだね」
「大人はそっちが目的だからな」
そんな風に話していると、先輩に呼ばれたカイルは「じゃあな」と仕事へ戻っていった。
なんかホットワインの話をしてたら、飲みたくなってきたな。周囲を見渡すと、お店で売っている様子が窓越しに見えた。
「ルウイさん、ホットワイン飲めますか?」
「・・はい。トーリも飲むんですか?」
「ここのホットワインって、アルコールほとんど飛ばしちゃうんで、飲んじゃいます。小さい子は流石に止められますけどね」
ドライフルーツと、スパイスを入れた赤ワインを煮込んだ飲み物なんだけど、前世で飲んだものに似てて、結構好きで家でも飲んでいたけど、そういえば今年は作ってなかったな。帰ったら作ろう。
「せっかくだし、お店で飲んで行きませんか?」
「・・・はい!」
ルウイさんの顔がパッと明るくなって、近くのお店に入ると、外と中の室温の違いにちょっと顔がかゆくなる。うう、かゆい〜〜〜。手袋を外して、ちょっと顔をパチパチと叩きつつ、ホットワインを二つ注文して受けると、外が見えるカウンター席に座る。
お店の中は、まだ午前中だけどそれなりに人がいて賑やかだ。
木造の室内は、色々な形をしたガラスのランプがいくつもぶら下がっていて、なかなか雰囲気がいい。
フーッとちょっと冷ましつつ、大きなカップに入ったホットワインを飲むと、体がホカホカする。
「あったまる〜・・・・」
マフラーを外して、コートも寛げると、このまま寝たくなってしまう・・。
ルウイさんは、可笑しそうに笑いながらワインを飲んでいる。
「トーリは、美味しそうに飲みますね・・」
「あ、まぁ甘くて飲みやすいですからね。でも、飲んだの・・久しぶりです!ルウイさんが来るまで、ちょっと飲む気になれなくて・・」
おばあちゃんが亡くなった年は、なんだか色々思い出しちゃって・・、しばらくは、なにをする気も起きなかったしなぁ。
ルウイさんは、なんとなく私の言葉で色々察してくれたのか、私の前に手を差し出す。・・これは、自分では触れないから、握って欲しいということか?
そう思って、ルウイさんを見上げるとニコニコ微笑んでいるので、そっと手に触れようとすると・・
「あら〜!トーリとルドヴィクさんじゃない!!」
慌てて手を引っ込めて、後ろをみるとメルクさんがキリルと立っていた。
・・・手にホットワインを持っていますが、お仕事は大丈夫なのだろうか??思わず二人の手元を見ると、二人は「ま、一杯だから!!」と、カラッと笑った。
・・・まぁ、いいのか・・?




