騎士の留守の間に。
キリルが朝から私の所へ遊びに行くと言ったので、オーウェンさんが送ってくれたらしい。
オーウェンさんも、騎士道精神搭載されてるんだね。
なるほど納得・・。
キリルと交代のように、ルウイさんはギルドへ仕事へ行く。
玄関までオーウェンさんとルウイさんを見送ると、ちょっと何か言いたげなルウイさん。
「行ってらっしゃい!」
「・・・はい、行ってきます」
とりあえず、送っておいた。
うん、とりあえず今日の仕事が終わればルウイさんもお休みだから・・。
そうして、キッチンへ戻るとカウンターの椅子に座って、キリルは私をニヤニヤと笑って見てる。
「・・・なんかあったでしょ?」
「・・・なんもないよ?」
・・くそ・・、こいつめ。
本当に勘が鋭いんだから。
キリルは、ポンポンとカウンターに並ぶ隣の椅子を叩くので、そこに座る。
「そろそろルドヴィクさんに、私のネタバレしないと、どっかで殺されそうだな〜って思って来たのに・・、何かあったのか、すっかり落ち着いてるからさ〜!」
「ルウイさん、殺さないから・・」
「トーリ・・相変わらずだね」
それ、この間も言ってたけど・・。
私は、よく分からず・・とりあえずお茶を淹れ直してキリルのカップに注ぐ。
「あと二週間で、またトーラスに戻るんだけど、今度の騎士は普通にいい奴だから安心してね」
「それは良かった・・」
「騎士にとっても、良かったと思うわ〜。ルドヴィクさんとトーリが上手くいってくれて」
お茶吹いた。
何だ突然!!!ゴホゴホと咳をしつつ、台拭きで口を押さえた。キリルは頬杖をつきつつ、ニヤニヤして私を見る。
「あーあ、せっかく格好いい騎士になって帰って来たのになぁ〜、取られちゃったなぁ〜」
「私は物じゃありません!!」
「ウンウン、お姫様だね〜」
「・・キリル!!」
まったく、いい性格してるよ・・。お茶を飲み直していると、キリルは私の頭を優しく撫でる。
「キリル?」
「・・・ちょっと戻るの、寂しいなって」
「手紙書くね・・。どこにいてもキリルは私の大事な幼馴染だよ」
「知ってる。でも、寂しいの!」
そう笑うキリルは、本当にちょっと寂しそうに笑うから・・、私も頭を撫で返してみた。・・・なんか面白い光景に二人で笑い合った。
と、玄関のドアを叩く音が聞こえた。
「出ようか?」とキリルが言うけど、大丈夫とばかりに笑って、ドアを開けると、籠を持ったカイルが立っていた。
「あれ?カイル?」
「母さんがトーリにって、ケーキ焼いたから持ってきた」
「やった!!中へどうぞ〜」
そう言うと、カイルは笑って中へ行くと、キリルがカウンターに座ってお茶を飲んでいるのを見て、嫌そうな顔をする。キリルはニヤニヤしながら「頑張るね〜」と話す。
なんか頑張ってるの・・・?
カイルが持ってきてくれたケーキを切り分けて、三人で一緒に食べる。
キリルと話しつつ、ふと気付く・・
「この三人で集まるっていうのも、すっごい久しぶりだね!!」
「そういえばそうだな・・」
「騎士になって帰って来たけど、ずっと働き通しだったしね・・」
三人で遊んでいたのに、あっという間に大きくなっちゃったなあ・・。そう思うと、月日の流れの早さに驚くわ・・。私も精神年齢50近くなるってもんだ・・。
カイルは、ケーキを食べつつ・・・、
「もう少しで雪まつりだけど、キリルそれが終わってから戻るんだろ?」
「ああ、そうだね〜。雪まつりかぁ、懐かしい!」
「スケート会場今年も作るんでしょ?!」
私が顔をパッと輝かせると・・、キリルはカイルを見る。
「・・あんた、氷を張る係になってたよ」
「マジかよー!!!!あれ、めちゃくちゃ大変なのにーー!!!」
・・そう、水を撒いては固まるのを待ち、ならしつつ水を撒く・・。気の遠くなる作業なのである。私とキリルは、ケーキを一口ずつ取って、カイルのお皿にのせてやった・・。
なんか・・頑張れよ・・。




