騎士、要望。
そうして、早めにお弁当を作るとルウイさんは嬉しそうにお弁当を持ってギルドへ出かけていった。
ちなみに玄関で・・
「罠は張っておいてありますが、決して私以外の人物が来ても鍵を開けてはなりませんよ!!!」
と、昔話に出てくる人みたいなセリフを言って出かけていった。
・・・ここは街外れの平和な地域ですけど・・?
まぁもちろん警戒しておくに越した事はないけど。
翻訳の仕事をまとめてやっておいて、読書をすると玄関からドアを叩く音がする。・・まだこの時間じゃあ、ルウイさん仕事してるはずだよね・・。
ルウイさんがいつの間にか作ったドアの覗き窓を覗くと、カイルが立っている。
「おーーい、寒いんだけどー!」
「はいはい・・」
ドアを開けると、カイルが鼻を赤くしてちょっとホッとした顔で笑う。
「寒かったでしょ?入って、入って」
「わり、ありがと・・」
「珍しいね〜、一人で来るなんて」
「・・キリルに、トーリが一人で留守してて心配だからお前も留守番してろって・・」
・・ありがとうキリル。持つべきものは幼馴染である。
カイルにお茶を出して、私もカウンターで一緒に飲む。・・なんか、カイルと二人になるの・・、めちゃくちゃ久しぶりだな!ルウイさんが来てから、いつも一緒だったからか。
「・・明日は、見回りはどうするの?」
「あ〜、明日は俺たち警備隊だけで行く。ルドヴィクさん達は、ギルドに多分午前中から行く」
「・・ハァ〜・・大変だねぇ」
「ああ、話キリルから聞いた?」
「聞いたよ!!ネイトさん、また厄介なの連れて来たね・・」
「あれで善行したって思ってるからなぁ、明日見回りに連れてく・・」
うんざりした顔でカイルが思い出しだようにお茶を飲む。あ、そうだ・・。
キリルから貰ったクッキーをいくつか小皿にのせて出す。
「はい、キリルから貰ったクッキーのお裾分け」
「・・あいつ、本当にトーリに甘いよなぁ・・」
「愛されてるからねぇ〜」
ニヤッと笑うと、「・・俺だって・・」ってブツブツ言ってたけど、あれか?キリルを取られちゃってヤキモチか?いや、別に取った覚えはないぞ。
不意に窓を見ると、また雪が降り出した。
「・・また雪が降ってきた」
「うげ〜・・・、やだぞ俺・・。雪降るなか、あいつと見回り・・」
・・ウンウン、嫌だな。
カイルのクッキーの小皿に私の好きなナッツのクッキーも追加してやった。頑張れよ。
そうして、しばらくして・・
キリルとルウイさんが家へ戻ってきた。
ルウイさんは、カイルを見ると・・ちょっと表情が一瞬無になったが、すぐにいつもの顔に戻った。・・結構分かりやすい。
ルウイさんの後ろから、キリルが出てきて・・
「カイル!帰るぞ、明日見回りもあるからな!」
「・・・分かったよ」
「キリルもカイルもありがとね。お仕事お疲れ様!!」
玄関まで二人で馬に乗って帰る姿を見送る。
と、後ろを振り返るとルウイさんが気配を消して立っているので驚いて体が跳ねた。
「び、びっくりした〜〜!!ルウイさん驚かさないで下さいよ」
「・・・・・すみません・・・」
なんだか、寂しそうに私を見ているルウイさん・・。
あ、これはあれか?
カイルがいつの間にか家にいたから・・、ちょっと不満なのかな?
うーん・・、ルウイさんの頭をチラッと見たら、また頭を下げてくるかな・・、いや、相手は人間であって、犬でも奴隷でもないのだが。頭の片隅で理性を見ると、眠たいのか店じまいしてる。
じゃあ、いっか。
チラッとルウイさんの頭を見ると・・、ルウイさんはパッと笑う。
・・くそ、可愛い。
「・・・今日は、寒かったんで頬を・・」
「あ、要望を言ってきた・・」
「・・・お願いします」
期待に満ちた目で、ちょっと屈むでない。
なんだか私が照れる。
そっとルウイさんの頬を撫でると、確かにヒヤッと冷たい!
思わず両手で温めるように、頬を包むと嬉しそうに微笑むルウイさん・・。あ〜〜〜、これではまんま犬ではないか。




