騎士、警戒。
ネイトさんを送り届けてから、ルウイさんはやっと帰ってきた。
昼食を食べてから、二人でゆっくりお茶をすると・・、なんだか私の方が安心してしまう。
「・・・本当、怪我がなくて良かったです・・」
私がしみじみ言うと、ルウイさんは小さく笑う。
だって、ネイトさんだよ?
騎士の仕事をしてて・・って、いきなり行商の人に警護につくものなの??
「・・トーリに心配して頂いて、嬉しい限りです」
「怪我してたのにすぐ仕事に行ったら、普通は心配しますって!」
・・・・多分。
ルウイさんは、嬉しそうに笑ってるけど・・、もう少しちゃんと話を聞いて欲しいんだけど。そんなことを思っていると、玄関の方からドアを叩く音が聞こえる。
「ルウイさんは座ってて!私が行きます」
「ですが・・」
「お仕事してたんだから、休んで下さい・・」
あと、私がルウイさんからの自立の為にも、玄関に迎えに行くくらいさせてくれ。
ルウイさんは、ちょっと不服そうだけど、カウンターの椅子に座り直した・・。よし、そこにステイだ!!
「は〜い」
私が玄関のドアを開けると、キリルとオーウェンさんが立っていた。
すっかり仲良しだなぁ・・。キリルはニコニコして・・、
「ごめんね〜!ちょっとこっちに逃げてきた!」
「・・・・ああ、はいはいどうぞ・・」
何から・・とは言わなくても分かった気がする。
二人をリビングに通して、ソファーに座ってもらう。せっかくだし、キリルから貰ったクッキーを小皿に出しておく。
キリルが、それを見てちょっと嬉しそうに笑う。
「どう?美味しかった?」
「美味しかった!!このナッツのが好き!」
「昔から、ナッツ好きだね〜・・」
キリルが二人掛けのソファーに座ったので、私は隣に座ってクッキーを指差す。
一人用のソファーに座って、まったりお茶を飲んでいたオーウェンさんは、そんな私達を見てニコニコしている。
「・・・幼馴染とは、いいものですね。3年ぶりの再会をしても、すぐに昔に戻れるんですね」
私とキリルは顔を見合わせて、思わず笑う。
キリルは、私の肩に頭をちょこっとのせて・・、
「昔は、結婚の約束までした仲ですからね」
あったね〜・・、そんな事。
そこの花畑でしたね。横で、カイルが「俺も結婚する!」って泣いたっけ・・。
「・・すっごい懐かしいの覚えてたねぇ・・」
ふふっと笑って、お茶が足りてるかな?と、ルウイさんを見ると・・、静かに微笑んでる。でも、微笑んでるけど・・、なんか様子がおかしいような・・。
オーウェンさんは、可笑しそうに笑いながら・・
「しかし、今日はキリル殿の立ち回り、とても良かったです!白狼が、あのネイトとかいう奴の前に飛び出して倒れても、冷静に対応できましたな!」
「そ、そう言って頂けると・・嬉しいです!先日の助言のお陰です」
キリルは、姿勢を正してオーウェンさんを嬉しそうに見る。
なんか上官と部下だな・・。
そういえば、ルウイさんとオーウェンさんはどんな関係なんだろう・・。オーウェンさんの方が年上っぽいけど、「ルドヴィク様」って呼ぶから、ルウイさんが上官なのかな・・?
ルウイさんを見ると、いつものようにニコっと笑いキリルを見つめる。
「・・キリルさんは、飲み込みが早いし、感覚を掴むのが上手ですね。向上心もありますし、これからが楽しみです」
オーウェンさんも頷くと・・、キリルは照れ臭そうにする。
うむうむ、私の幼馴染が可愛い。
「・・そんなキリルさんと、オーウェンだ・・。何かあったので、こちらへ来たのでは?」
ルウイさんが、急に静かな声で話すので、驚いてキリルとオーウェンさんを見ると、二人は目を合わせて静かに頷いた。一瞬で、和やかな空気がピリついたものになって、私は目を丸くする。
え・・・?何かあったの・・??




