騎士、仕事復帰。
そうして、私の懸命な看病のおかげで(?)ルウイさんはあっという間に完治した。
いや、多少傷は残ってるけどギルドのお医者さんには、「はい完治」ってさらっと言われたらしい。本当か?本当なのか?あと本当にそんなんでいいのか??
私はギルドから帰って来たルウイさんに話を聞くと、だいぶ眉をひそめたけど・・、ルウイさんは「騎士は怪我にはなれてますから」って軽く言う。いや、慣れちゃダメだし、心配なんですけど。しかも、また明日見回りに行くって言うし・・。
夕飯を二人で食べつつ、私は心配でルウイさんを見つめる。
「・・・明日、どうしてもいかないといけないんですか?」
「・・・トーリに引き止められると、心が引き裂かれそうですが、トーリの安全にも繋がる仕事ですから・・行って参りますね」
「・・心は引き裂かなくていいから、気をつけて下さいね」
こっちは真面目に言ってるのに。
なぜ、そうなるんだ。
ルウイさんは、ルウイさんで「真面目に言ってるのに!」みたいな顔になってるけど、それ本気だとしたらちょっと心配なんですけど、私・・。
ちょっと睨むようにルウイさんを見ると、眉を下げて小さく笑う。
「・・・白狼の群れが、街の辺りまで餌を求めて移動してきているので、危ないんです。街中まで来るとは思いませんが、こちらへ行商の方もそろそろ来る時期ですからね・・」
「・・・・そうか・・、行商・・」
冬になって雪で動けなくなってしまう街に、行商の人が一団になって月に何回か食品とか薬を売りに来てくれるのだ。確かに白狼に襲われたら大変だよなぁ・・。
うまくいかないもんだなぁ・・。とりあえず明日はお昼には戻ってくるらしいので、温かいものを用意しておこう。
「・・気をつけて下さいね」
「はい」
笑顔のルウイさんに、ちょっとホッとして明日のメニューを考えるのだった。
翌朝、笑顔全開でオーウェンさんがルウイさんを迎えに来た。
「ルドヴィク様!!お怪我が治って何よりです!!今回は、私めが必ずルドヴィク様をお守り致します!!!」
と、朝から物凄い気合の入れようである。
すごい・・朝から熱い・・雪が溶けそう・・。キリルが笑って見てた。
ルウイさんは、ちょっと遠い目をしつつ返事をして出かけていった・・。頑張れ・・、騎士団長。
午前中に早めに仕事に取り掛かって、急いで仕上げをする。行商の人が帰りに郵便物も送ってくれるので、今の内だ!翻訳の書類をまとめると、封筒に入れて郵便局へ歩いていく。
結構、雪が積もっているので街へ行くにも一苦労だけど、これだけは行かないと!
なんとか郵便局へ書類をお願いして家へ戻ろうとすると、馬に乗っているメルクさんに会った。今日もバッチリメイクに黒の革のパンツ履いてるけど・・寒くないのかな?
「トーリ!家に戻る所なの?じゃあ、乗せてってあげるわよ!雪道大変でしょ?」
「・・・すみません・・、いつもなら遠慮しますけど、お願いします!」
雪道を歩いて帰るの、本当しんどい・・。
メルクさんはちょっと笑って、私を馬に乗せてくれた。すみませんね、今世は乗馬は不慣れです。
「どう?ルドヴィクさん、怪我は治ったみたいだけど・・」
「あ、お陰様で大丈夫な感じです。本当、怪我してたの?ってくらい元気ですよ・・」
メルクさんは、後ろで可笑しそうに笑う。
「トーリには格好悪い所、見せたくないんでしょう?可愛らしいわよね〜!」
「・・・・大男が可愛らしい・・」
ルウイさんの筋肉が結構がっしり付いた体を思い出すと、可愛らしいという定義とは・・?と、考え直したくなる。メルクさんは、クスクス笑うだけだ。
と、家の近くに差し掛かると、行商の一団だろうか・・馬に乗った人達が大勢やって来た。そして、それを先導して馬に乗っている人を見て、私とメルクさんは目を丸くした。
・・・半ば逃げるように出ていったネイトさんがこちらへ向かってきたからだ・・。ええええ、何で!!!??




