騎士、全力で誤魔化される。
オーウェンさんも加わって、何というか一気にワイワイと騒がしくなる。
「しかし・・、今回はキリル殿は怪我がなくて何よりです」
「いえ、それは・・私の未熟さで・・」
「ルドヴィク様が怪我を負った事は変わりありませんが、一人で済んだのです。他に怪我人が出なかった・・それはとても大事な事です」
オーウェンさんが、キリッとした顔でキリルに話す。
お、おお・・・格好いいではないか。
「ルドヴィク様は、ちゃんと腕に防具もしておられましたから、多少の怪我も込みでキリル殿や他の警備隊を助けたんです。魔物や獣の動きを熟知してますからね・・、手馴れている方が怪我も最小限に済みます。騎士は時には、そういう判断も必要になりますから、お忘れなきよう」
キリルは、オーウェンさんの言葉に、
ぐっと言葉が詰まって・・、小さく頭を下げた。
「・・心に留めておきます。ありがとうございます」
く・・、私の幼馴染が格好良すぎるんだけど。
そしてオーウェンさんも格好良すぎるんだけど!ごめん!さっき犬とか思っちゃって!!
「・・・・お二人、格好いいです!!流石、騎士さんですねぇ・・!!」
私はちょっと興奮気味に、二人を交互に見て笑顔で話すと、二人して照れていた。・・・可愛いな、おい。
オーウェンさんは、ちょっと二階の方を見て・・
「そういった判断を瞬時にできるのがルドヴィク様・・なんですよね。トーリ様・・、すみませんがあと少し・・、ルドヴィク様をどうぞよろしくお願いします!!」
「あ、はい、そこはもちろんです」
ガバッと大きく頭を下げるオーウェンさんにびっくりしつつ頷く。
そういえば、ルウイさん大丈夫かな・・と、ふと気になる。
キリルはそんな私を見て、
「心配なら見に行ったら?私はここで、オーウェンさんと話をさせてもらうから」
「・・うん、じゃちょっと行ってくるね」
二人に話をして貰っている間にちょっと様子を見てこよう・・。階段を登って、部屋のドアを静かに開く。
そっと近付いて顔を見ると静かに寝ている・・。
あ、良かった・・。
オーウェンさんの声、大きいから起きちゃわないかと心配だったんだ。額に手をおいて熱がないか確かめる。・・うん、大丈夫だな。
そっと前髪を撫でて、じっとルウイさんを見つめていると、ちょっと瞼が動いて・・ルウイさんの目が開く。うわぁ・・目が開く瞬間も綺麗だなぁ。思わず、まじまじと見てしまって、ルウイさんに小さく笑われた。
「・・・今度はトーリが私を見過ぎでは・・?」
「あ、すみません・・・、瞳の色が綺麗だなぁってつい見惚れちゃいました」
ふふっと、ルウイさんが笑う。
否定しない辺り、よくご自分のこと分かっていそうだな・・。
ベッドの側の椅子に座って、ルウイさんの様子をもう一度見る。うん、熱はなさそうだし・・、腕の怪我はお昼に薬を塗ればいいから、大丈夫だな。
「・・・オーウェンさんが心配して、様子を伺いに来てくれましたよ」
「・・・・人がどんどん増えている」
ルウイさんはちょっとうんざりした顔になっている・・。一緒にいたがるけど、どうしてか人が増えるばかりだねぇ。
ちょっと面白くて笑ってしまう。
「・・・さっきのご褒美がまだです」
「諦めませんねぇ・・、別に、私じゃなくていいじゃないですか・・」
「トーリからがいいんです・・・」
そういうセリフは大いに勘違いさせるからやめて欲しい。
それに、こんな田舎の街の片隅でひっそり住んでる私に向けて言うセリフじゃないよ・・。なんというか騎士団長様は物好きなんだな。うん、そういう事にしよう。
ルウイさんが、じっと私を見ているので・・なんか照れてしまうんだが。誤魔化すようにひとまず頭を撫でておいた。今はこれが精一杯・・・。




