騎士、しぶとい。
結局、ルウイさんは一度起きて・・薬を飲んだらこんこんと眠っていた。
夜中に何かあったら嫌だしなぁ・・、そう思って暖房器具と椅子と毛布を持ってきて・・私は毛布に包まって椅子で寝る事にした。
ルウイさんの額に手を当てると、ちょっと熱いかな?
タオルを一応冷やして、額にのせる。
明かりを落として、ギリギリまで本でも読んで起きてればいいや。
そう思ったのに、暖房器具が部屋をほかほかと暖めるんだ・・。あー気持ちいいなぁ。頑張って、目を開けては閉じ・・目を開けては閉じ・・、後半、完全に目を閉じた。意志が弱い事には定評のある私・・。ああ寝たさ。爆睡さ。
夢を見た。
ルウイさんが嬉しそうに笑ってどこか遠くへ行く夢だ。
ああ、そうか契約終了したのか・・。
もう会えないんだなぁ・・、そう思って手を振って家へ戻って行く私。そうだよな・・、あと3ヶ月。いや、もう2ヶ月になろうとしてるんだ・・、いつもの日常に戻るんだ。
ただ、それだけだ・・。
「・・・ルウイさん・・」
いなくなったら嫌だ・・。
そう言ったからか、胸が苦しいんだけど・・。寝てるのに泣けるんだけど・・。
「トーリ・・」
あ、ルウイさんの声だ。
あと少しだけだから・・、ごめんね、婚約者さん・・。ちゃんと契約終了したら、ルウイさんはきっと帰るよ。だから待っててね。
そう思うと胸が痛い。
苦しい。
何だこれ。
肋間神経痛って、こうなるんだっけ?
涙が出るくらい痛いんだけど、どうすればいいんだろう。
「ごめんね、ルウイさん・・」
ちゃんと蓋するから。帰るまで蓋しておくから。安心して帰ってね。延長なんてしないから、安心して。泣いてるけど、時間が経つと治るもんだし、多分。
頬を撫でる感触がして、ちょっとホッとする。
大丈夫、ちょっとルウイさんが怪我して動揺したけど、ほら・・50近いし、お一人様は今世でも慣れっこだ。・・と、頬を撫でるものが手だと気付く。手かぁ・・、でっかいな。これは、ほらあれだ、ルウイさんサイズじゃない?
ルウイさんサイズ・・・???
ハッとして目を開けると、外はすっかり朝陽が射している・・。
oh、朝・・。
すっかり眠ったね、私。看病どこいった。
ルウイさんを慌ててみると、静かに寝ていてホッとした。
熱はないかな?と思って、立ち上がろうとすると頬が濡れてる事に気付いた。あ、夢見ながら泣いてたのか・・。
ゴシゴシと涙を拭いてから、ルウイさんを見ると目が開いてる。
あれ・・?今、寝てなかったっけ??
「・・ルウイさん、大丈夫?!体どこか痛い所はない?」
ひとまず、ルウイさんの安全確認だ。
そう聞くと、ルウイさんは無言で私の頬を撫でる。え、あれ・・?もしかしてまだ寝ぼけてる??
「・・・ルウイさん・・??」
「・・・・トーリ・・」
「はい?」
なんか泣きそうな顔になってるけど、何で??泣き顔って伝染するの?
私は思わずルウイさんの頭を撫でる。元気出せ!とりあえず元気は大事だ!!ルウイさんは切ない顔をして私を見ると、
「トーリ・・・、辛いので一緒に寝てください」
「・・意外と元気そうで安心しました」
一瞬、私まで泣きそうになったのに・・、涙を返せ。
そう思っていたら、ルウイさんは私の体をひょいっと持ち上げて、そのままベッドの中に引き寄せた。って、おい!!
「ルウイさん、適切な距離感!!」
「・・・今日だけはお願いします」
「・・・・普通の男女は一緒に寝ませんってば!」
「大丈夫です。ご主人様」
「なぜこのタイミングで奴隷になろうとする!!!」
「ご褒美が欲しい奴隷なので・・」
何のご褒美だ。何の。あ、キリルを助けたご褒美ってことか?
ちらっと顔を見上げると、嬉しそうに私を見下ろすルウイさんがいる。自分がどんな顔してるか分かってるのかな。




